海外FXで口座残高はマイナスにならない?リセットの仕組みや手順を解説
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FXでは、口座残高がマイナスになってしまうことがあります。この事実に対して、「強制ロスカットがあるのになぜマイナスになるのか」と感じる人もいるのではないでしょうか。
また海外FXでは、仮に口座残高がマイナスになっても0円にリセットされる制度があります。しかし、マイナス残高が表示されることがあり、この点に疑問を持つ人もいるかもしれません。
この記事では、FXで口座残高がマイナスになる理由と、ゼロカットシステムによってマイナス分がどのようにリセットされるのかを解説します。仕組みを知れば、安心して取引しやすくなります。
海外FXではマイナスの口座残高がリセットされる
前提として、海外FX業者が採用している「ゼロカット」について説明します。
FXONを含むほとんどの海外FX業者では、口座残高がマイナスになっても、その後、0円にリセットされます。この仕組みはゼロカットと呼ばれており、海外FX業者がマイナス分を負担することで実現しています。
通常FXでは、含み損が一定水準に到達したら、強制的にポジションが決済されます(強制ロスカット)。しかし値動きが急すぎる場合などには、この強制的な決済が遅れてしまい、口座残高がマイナスになる場合があります。
そのような場面で頼りになるのがゼロカットです。口座残高が赤字になっても、トレーダー側の損失は残高分に限定されます。マイナス分を追加入金する必要はありません。
海外FX業者がゼロカットを提供するのは、ハイレバレッジが使える環境でも、顧客の資金を保護できるようにするためでしょう。運営している国や保有している取得している金融ライセンスによっては、ゼロカットシステムの採用を義務付けられている場合もあります。
ゼロカットを提供することで顧客を増やし、多くの手数料を受け取ろうという意図もあるでしょう。
ゼロカットと強制ロスカットの違い
ゼロカットと混同されやすい仕組みに、強制ロスカットがあります。強制ロスカットとは、トレーダーが保有するポジションの含み損が一定水準まで増えたときに、ポジションを強制的に決済する制度のことです。
強制ロスカットが執行される水準は、証拠金維持率などによって定められています。多くの海外FX業者は、証拠金維持率20〜40%を強制ロスカットの水準としています。なお、FXONでは、証拠金維持率20%が強制ロスカット水準となっています。
証拠金維持率とは、保有中のポジションの含み損益を考慮したときに、証拠金にどの程度余裕があるかを表したものです。証拠金維持率が高ければ、リスクは低い状態にあると判断されます。
強制ロスカットは上記のように、証拠金残高に対して大きすぎる損失が出るのを防ぐために、一定の含み損が出た段階で取引を中止させる仕組みです。一方のゼロカットは、証拠金残高がマイナスになってしまった場合に、マイナス分を補填する仕組みとなっています。
強制ロスカットにはトラブルを予防する性質があるのに対し、ゼロカットには、起きてしまったトラブルの被害を抑える性質があるといえるでしょう。
強制ロスカットがあればゼロカットは不要?
損失の過度な拡大を防ぐ強制ロスカットがあれば、理論上、ゼロカットは不要だと感じられるかもしれません。強制ロスカット水準ちょうどでポジションが決済されるなら、口座残高がマイナスになることはないためです。
しかし実際には、強制ロスカットが期待通りに働かず、残高がマイナスになった事例もあります。
一般社団法人 金融先物取引業協会は、強制ロスカットが期待通り執行されなかったことなどにより発生した赤字残高(ロスカット等未収金)について報告しています。
それによると、2023年2月から2024年1月にかけて、個人ユーザーのFX口座に赤字残高が発生した件数は、527です。また、この期間中、個人ユーザーのFX口座に赤字残高が1度も発生しなかったのは、2023年4月と2023年11月だけでした。
国内FXで赤字残高が発生する頻度は、意外と高いといえるのかもしれません。この点を踏まえると、ゼロカットがあるほうが安心でしょう。
海外FXでマイナス残高がリセットされる流れ
海外FXでマイナス残高がリセットされる流れを解説します。リセットの方法は以下の2つに分類できるので、それぞれを順に紹介します。
口座ごとにゼロカット
多くの海外FX業者は、口座ごとにゼロカットを執行しています。その流れは以下の通りです。
- 口座残高を超える損失が発生する
- マイナス残高はクレジットで補填される
- 残ったマイナス残高はリセットされる
クレジットとは、取引にのみ使える資金です。例えば、証拠金として使えるボーナスや、ボーナスに換金した取引ポイントはクレジットとして扱われます。一方で口座残高となるのは、入金した資金や確定した利益、現金に換算した取引ポイントなどです。
一般的に、口座残高はすぐに出金できますが、クレジット自体を出金することはできません。
口座ごとにゼロカットが執行される場合、以下のように2つの口座を使用しているとき、口座Aに対してゼロカットが執行されます。口座Bの残高とクレジットが減ることはありません。
口座 | 損益 |
口座A |
口座残高:-200,000円
クレジット:+100,000円
|
口座B |
口座残高:+500,000円
クレジット:+50,000円
|
口座 | 損益 |
口座A |
口座残高:-200,000円
クレジット:+100,000円
|
口座B |
口座残高:+500,000円
クレジット:+50,000円
|
口座Aにおいては、クレジットを使い切った後の-10万円に対してゼロカットが執行されます。つまり、FX業者が10万円を補填して口座残高を0円にリセットします。
複数口座を合算してゼロカット
BigBossなどの一部の海外FX業者では、1つの口座のマイナス残高が他口座の残高やクレジットで補填され、その上でゼロカットが執行されることがあります。この場合、ゼロカットは以下のような流れで実行されます。
- 1つの口座で口座残高を超える損失が発生する
- マイナス残高は他口座の残高で補填される
- 残ったマイナス残高はクレジットで補填される
- 残ったマイナス残高はリセットされる
例として、以下のように3つの口座を使用している場合を考えてみましょう。
口座 | 損益 |
口座A |
口座残高:-1,000,000円
クレジット:+100,000円
|
口座B |
口座残高:+500,000円
クレジット:+50,000円
|
口座C |
口座残高:+100,000円
クレジット:+10,000円
|
口座 | 損益 |
口座A |
口座残高:-1,000,000円
クレジット:+100,000円
|
口座B |
口座残高:+500,000円
クレジット:+50,000円
|
口座C |
口座残高:+100,000円
クレジット:+10,000円
|
このとき口座Aのマイナス残高は、まず口座Bと口座Cの残高によって補填されます。計算式としては、以下のように表現できます。
上記で算出した-40万円は、以下のように、口座A・口座B・口座Cのクレジットによって補填されます。
口座A・口座B・口座Cのクレジットによる補填の後に残るのは、-24万円です。この-24万円が、ゼロカットによる補填の対象ということになります。
なお、口座のマイナス残高を他の口座の残高から優先して補填するような手順は、海外FX業者ごとに異なることがあります。詳細は、各FX業者の公式ページで確認して下さい。
海外FXで口座残高がマイナスになるのはなぜ?
ゼロカットを導入している海外FX業者であっても、口座残高が一時的にマイナスになることがあります。さらには、数日間マイナス表示の状態が続くこともあります。ここではその原因を解説します。
ゼロカットの執行前だから
ゼロカットはリアルタイムで行われるわけではありません。そのため、ゼロカットが執行されるまでの間は、口座残高がマイナスのままとなります。
ゼロカットが行われるタイミングは、以下のようにFX業者によって異なります。
海外FX業者 | タイミング |
IS6FX | 2時間おき |
BigBoss | 午前8時と午後8時 |
Titan FX | ロールオーバー明け |
XMTrading | 取引口座への追加入金時 |
Traders Trust | サポートへの連絡後 |
FXON | 24時間以内 |
海外FX業者 | タイミング |
IS6FX | 2時間おき |
BigBoss | 午前8時と午後8時 |
Titan FX | ロールオーバー明け |
XMTrading | 取引口座への追加入金時 |
Traders Trust | サポートへの連絡後 |
FXON | 24時間以内 |
XMTradingやTraders Trustのように、一部のFX業者では、ユーザーがアクションを起こした後にゼロカットが執行されます。マイナス残高が発生した口座へ追加入金したり、サポートへ連絡したりする必要があります。
FX業者によっては、ゼロカットが執行される前に入金すると、その資金がマイナス残高の補填に使われる可能性があります。現在はサービス停止となっていますが、海外FX業者のGemforexはそのようなルールにしていたとされています。この点について心配な場合は、サポートに質問しておきましょう。
ゼロカットの対象外となっているから
FX業者に負担を負わせるような取引をすると、ゼロカットの対象外となることがあります。対象外となっていたら、当然、口座残高はマイナスのままでしょう。
FX業者にリスクを負わせる取引の例として、以下を挙げることができます。
- 窓開けのみを狙う
- 片側の利益拡大のみを目的にした両建てを行う
- 指標発表前後のハイボラティリティのみを狙う
上記のような取引では、入金額を遥かに上回る利益を得られる可能性がある一方で、ゼロカットのおかげで損失額は限定されます。これはトレーダーにとっては都合が良い取引ですが、FX業者からするとマイナス分を背負わされる可能性が高い取引です。
したがって、ゼロカットの悪用と見なされやすく、見つかればゼロカット対象外とされる恐れがあります。
ゼロカットを悪用した取引が発覚した場合、口座を凍結されることがあります。これまでの利益まで没収される可能性もあるので、FX業者にリスクを負わせるような取引は避けて下さい。
海外FX業者は本当にマイナス残高分を請求しない?
海外FX業者が本当にマイナス残高分を請求しないか、心配になる人もいるかもしれません。そこで以下の2つの観点から、最低限のリスク対策を紹介します。
ゼロカットを導入していない海外FX業者もある
多くの海外FX業者はゼロカットを導入しています。しかし中には、ゼロカットを採用していない業者もあります。ゼロカットを採用しているものの、執行の条件が厳しいという可能性もあります。
そのため、ゼロカットの有無や執行条件は、業者ごとに確認して下さい。特に、ブログやSNSであまり紹介されていない業者であれば、より念入りに調べて下さい。
利用規約を調べているときに「ゼロカット」という言葉が見当たらないことがあります。ゼロカットは正式表記ではなく、他の言葉で記載されているケースもあるためです。そこで、ゼロカットの表記がなければ、「マイナス残高保護」や「追加証拠金を請求しない」といった表現を探しましょう。
英語の利用規約においては、「Negative Balance Protection」がゼロカットに相当します。
金融ライセンスを保有するFX業者は、基本的にゼロカットを導入しており、専門機関によって運営状況を監督されています。このことには、第三者がその業者がゼロカットを行える健全な経営状態にあることを保証する意味合いがあります。
ゼロカットありの業者が追加入金を求めたとの噂も
スイスフランショックと呼ばれる暴落相場において、「FX業者のFXDDは、ゼロカットを導入していたにもかかわらず、ユーザーにマイナス分の入金を求めた」という噂があります。
FXDDはこれを否定しており、上記が何らかの理由で広まった単なる噂で、事実無根であるという可能性も十分あるでしょう。
真偽はともかく、利用規約は証拠として示せるように、別のファイルで保存しておけばより安心かもしれません。利用規約の該当箇所が急に改定されてしまっても、保存しておいたファイルを根拠に主張を行える可能性もあるでしょう。
また基本的なことではありますが、利用規約に書かれている内容を正しく解釈できているか不安な場合などは、念のためサポートに確認しておくと安心でしょう。
なお、FXONでは24時間365日体制でサポートを提供しております。お困りの点があれば、メールやチャットから気軽にお問い合わせ頂けます。
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マイナス残高にしないための対策
海外FXでは口座残高がマイナスになっても、基本的にマイナス分は補填してもらえます。しかし、その場合、口座残高は0円にまで減ってしまうので、マイナス残高になる事態は避けられるに越したことはありません。
マイナス残高になることは、トレーダー側の工夫によって防げる可能性もあります。その工夫の例として、以下の3つを紹介します。
そもそも取引数量を資金に見合った量にする
高いレバレッジをかけて、証拠金残高に見合わないほど大きなポジションを保有すると、証拠金維持率が激しく上下動する可能性が高まります。
資金に見合わない数量を取引している場合、ちょっとした相場の逆行で、証拠金維持率が一気に下落する可能性が出てきます。強制ロスカットの執行が遅れて、マイナス残高になってしまう恐れも高まります。
トレード戦略にもよりますが、基本的には資金に見合ったロットで取引していくことが大切だといえます。こうすることでマイナス残高が発生する可能性はもちろん、強制ロスカットによって取引を中止させられる可能性も下がります。
資金に見合うロットで取引することに加えて、損切りの逆指値注文を入れておくことや、証拠金維持率が一定水準に達したら自主的に損切りすることも検討してみて下さい。
週末にポジションを持ち越さない
マイナス残高となることを避ける工夫として、週末にポジションを持ち越さないことも挙げられます。
週末は主要な市場が閉まっており、新規エントリーやポジションの決済ができません。そのため、週末に相場に大きな影響を与える出来事が起こると、主要市場が開いてレート配信が開始される月曜日になってその影響が反映され、大きな損失をもたらす恐れがあるのです。
例えば、週末に自然災害やテロなどが起こると、それが為替相場に影響を与える可能性があります。この場合、レート配信が再開する月曜日の朝には、その日に新しくできたローソク足と、一つ前のローソク足の間に隙間(窓)が生じることがあります。
上記画像のように、前回できたローソク足と今回できたローソク足の間に隙間(窓)ができる現象は、窓開けと呼ばれることがあります。窓開けによってレートが強制ロスカット水準を飛び越えると、強制ロスカットが本来執行されるべき価格で執行されず、口座残高がマイナスになることがあります。
したがって、週末にポジションを持ち越す優位性が高くない場合は、週末に決済してしまうほうが賢明です。
注目イベントの最中は取引を控える
世界が注目するイベントの最中は、相場が不安定になる恐れがあります。
予期できない結果となるほど、相場に大きく影響する傾向があります。例えばアメリカ大統領選の際、地方の開票結果が予想とは異なると、ドル(USD)を含む通貨ペアの価格が大きく動くことがあります。
ロスカットが確実に実行されるとは限らない上にスプレッドが拡大しやすいため、基本的には相場が落ち着くまでトレードを控えることが望ましいでしょう。
海外FXではハイレバレッジを安心して利用しやすい
多くの場合、海外FXではゼロカットが導入されており、口座残高がマイナスになってもリセットされ、追加入金を求められません。これにより、海外FXの魅力であるハイレバレッジを安心して利用しやすくなっています。
ゼロカットシステムが導入された環境でのハイレバレッジトレードは、FXONでも行って頂けます。主要な為替銘柄では最大1,000倍、貴金属銘柄では最大500倍のレバレッジを使った取引をお試し下さい。
最大1,000倍のレバレッジで取引
FXONなら自由度の高いダイナミックな取引を体感できます
ハイレバレッジで取引の自由度が高まります
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