海外FXの禁止事項とは?規約違反へのペナルティや通常許可される取引を解説
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海外FX業者は、利用規約の中でさまざまな違反行為を定めています。違反行為に該当すると見なされた場合、出金拒否や口座凍結などのペナルティを科されることがあるため、禁止事項はしっかり把握する必要があります。
しかし、一部の禁止事項を明示していないFX業者もあり、トレーダーには何が許可されていて何が禁止されているのかが分かりづらい場合もあります。そこでこの記事では、禁止されることが多い行為や、禁止されることが少ない行為を紹介します。
多くの海外FX業者が禁止する取引
まずは、多くの海外FX業者が禁止している取引を確認しましょう。
同一業者の複数口座間での両建て
一般的に海外FXでは、同一業者内での複数口座間の両建て取引は、禁止されています。
複数口座間での両建てとは、1つの口座で特定の通貨ペアを買い、他の口座で同じ通貨ペアを売るといった取引を指します。ゼロカットシステムやボーナスの悪用を防ぐ目的で禁止されることが多いです。
ゼロカットシステムとは、取引口座の残高がマイナスになったときに、海外FX業者がマイナス分を補填するという仕組みのことです。ゼロカットシステムがある業者なら、口座残高を超える損失を被るリスクを回避できます。
ここではゼロカットシステムの悪用につながる例を説明します。例えば下の図のように、口座Aでドル円を買い、口座Bでドル円を売るポジションを持ったとします。
このとき、強制ロスカットの執行が遅れるほどの急激な価格上昇が起こったなら、口座Aでは大きな利益が発生します。一方、口座Bでは大きな損失になるものの、ゼロカットシステムのおかげで損失は口座残高分に限定されます。
この取引によって、トレーダーは大きく利益を伸ばせる可能性があります。しかし業者側からすると、口座残高のマイナス分を負担させられるリスクが高まります。
複数口座での両建ては公平性を欠いた取引といえ、多くの業者が禁止しています。
複数業者間での両建て
海外FXでは基本的に、下図のような複数業者間での両建ても禁止されています。口座間両建てと同様に、ボーナスやゼロカットシステムの悪用を防ぐための措置です。
例として、業者Aでドル円の買いポジションを持ち、業者Bでドル円の売りポジションを持ったとします。価格が急落して強制ロスカットの執行が遅れた場合、業者Aでの損失は口座残高までに収まる一方で、業者Bではそのまま利益を得られる可能性があります。
複数業者間での両建てによって、トレーダーは損失額を限定できる可能性があります。しかし、この損失額の限定は、どちらかのFX業者がトレーダーの損失を補填することで実現しています。
業者間の調建て取引も公平性に欠けるといえ、禁止されることが多くなっています。
同一の通貨ペアだけではなく、相関性の高い通貨ペア間での両建て取引も禁止行為に該当する場合があります。例えば、豪ドル円(AUDJPY)とニュージーランドドル円(NZDJPY)は、値動きに相関性があることで知られています。このような通貨ペアでの口座間・業者間での両建てにも注意して下さい。
仲間内で行う両建て
一般的に海外FXでは、仲間と協力して行う両建ても禁止されています。
仲間と協力して行う両建てとは、例えば、4人グループのうち2名が特定のタイミングでドル円の売りポジションを持ち、残りの2名が同じタイミングでドル円の買いポジションを持つといった取引のことです。
仲間内で行う両建てによっても、ユーザーは大きな利益を得られる可能性がある一方、FX業者が損失を負担するリスクが高まる可能性があります。そのため、禁止されることが多くなっています。
なお、ここではゼロカットシステムの悪用につながる例を紹介しましたが、両建て取引がボーナスの悪用につながることもあります。ボーナスの悪用につながる例については、以下の記事で解説しています。
経済指標発表時のみを狙った取引
海外FX業者によっては、経済指標発表前後に集中的に取引することが禁止されています。
重要な経済指標の発表直後は、価格が大きく変動することがあります。そのため、このタイミングを狙った取引をすると、短時間で大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被る恐れが高まります。このハイリスク・ハイリターンな性質は、レバレッジを大きくすると強まります。
指標トレードを禁止にすることで、海外FX業者は自社が提供する取引環境の安定化を図れます。また、トレーダーの資産を保護することにもつながります。
週明けの窓開けと窓埋めのみを狙った取引
一部の海外FX業者では、週明けの「窓開け」や「窓埋め」のみを狙った取引が禁止されています。
この点について用語の意味から説明していきます。
まず、窓とは2つのローソク足の間にできた空間のことで、窓が出現することを窓開けといいます。また、窓を埋めるように値が動くことを窓埋めといいます。
特に注目されるのが週明けにできる窓で、トレーダーの中には週明けに窓ができることを期待して、週末の市場が締まる直前にポジションを仕込む人がいます。
この場合、運良く利益方向に大きな窓が開けば、大きな利益を得られる可能性があります。一方、損失の方向に大きな窓が開いたとしても、ゼロカットシステムのおかげで損失を限定できます。
また、週明けにできた窓が埋まることを期待して、窓を埋める値動きに合わせてポジションを取るトレーダーもいます。
ただし、このような窓開け・窓埋めに絞って取引をしているとペナルティの対象となることがあります。どうしても窓開けや窓埋めを狙った取引を行いたい場合は、規約を確認したりサポートに問い合わせたりして、ルールを確認しておく必要があります。
海外FXで禁止されることが多いのは、トレーダー自身のみが有利になるような行為です。自分にとって利益があっても、FX業者による損失補填を逆手に取るような取引や、FX業者のシステムに負担をかける取引は避けて下さい。
禁止事項に該当するやや特殊な行為
海外FXでは、次のようなやや特殊な行為も禁止行為に該当することがあります。
サーバーに負荷をかける高速取引
海外FX業者は、サーバーに過度な負荷をかける高速取引を禁止しています。サーバーが正常に動作しなくなり、他のユーザーの注文処理に支障をきたすなどのリスクがあるためです。
高速取引には、1秒間に1,000回以上の取引を行う高頻度取引(HFT)や、そのようなロジックを採用したEA(自動売買)による取引が含まれます。
ただし、どれくらいの頻度で取引をすると違反になるのかを具体的に示している業者は少ないようです。そのため、高頻度で取引を行う場合などは、業者のカスタマーサポートへ確認しておくことをおすすめします。
レート配信の遅れを狙った取引
海外FXでは、レート配信の遅れを狙った取引も禁止となっています。
前提としてFX業者は、インターバンク市場に参加している「リクイディティ・プロバイダー」からプライスを取得し、そこにスプレッドを加えるなどしてユーザーにレートを提示しています。このレート配信のプロセスの中で何らかの問題が起こった場合、FX業者からユーザーへのレート提示が遅れることがあります。
レート提示が遅れた場合、そのFX業者から配信された価格は市場価格と異なることになります。また下図のように、その業者が配信している価格と、他の業者が配信している価格との間の差異が大きくなる可能性があります。
配信されているレートが業者間で異なる場合、トレーダーは割高なほうを売り、割安なほうを買うといった取引(アービトラージ)によって、損失リスクを抑えて利益を得ることを狙えます。
しかし海外FXでは、上記の取引がシステムの弱点を突いていると見なされることがあります。重大なペナルティが科せられる恐れもあるので避けましょう。
レート配信の遅れの原因として、リクイディティ・プロバイダーとFX業者の間で起こる通信の遅延が挙げられます。また、注文が集中しやすい経済指標発表時などに業者のサーバーに負荷がかかり、処理速度が落ちることも挙げられます。
ボーナスやポイントの不正取得
海外FXでは、口座開設後に一定の取引条件を満たすことで、証拠金として使えるボーナス(口座開設ボーナス)を受け取れることがあります。基本的に口座開設ボーナスがもらえる回数は1人あたり1回のみであり、複数回ボーナスを受け取ろうとする行為は禁止されています。
例えば、虚偽の情報を用いて複数の口座を開設することは規約違反にあたります。
また、ポイントの不正取得も禁止されています。一般的にポイントとは、現金やボーナスなどと交換できるもので、ポイントシステムを導入しているFX業者で一定量の取引をするたびに受け取れます。
例えば、両建てによって低リスクでポイントを獲得しようとする行為は、通常禁止されています。
他人の口座を利用した取引
海外FXでは、自分以外の名義となっている取引口座でトレードをすることは禁止されています。自分が保有している取引口座を家族や友人が使用することも禁止となっています。
他人の口座の利用が禁止されている理由は、マネーロンダリングや詐欺などの犯罪行為を防ぐためです。
同一Wi-Fi下で、自分と家族の誰かが同じFX業者を使っていると、規約違反とされる恐れがあります。通常、保有できるアカウント数は1人1つまでですが、上記の状況では1人が複数のアカウントを保有していると誤解されることがあるからです。
家族と同じWi-Fiを共有している場合、同じIPアドレスが割り当てられることがあります。このときに家族も同じ海外FX業者を利用している場合、1人が複数のアカウントを保有していると疑われることがあります。
自己アフィリエイトを目的にした取引
海外FXでは、基本的に自己アフィリエイトを目的とした取引が禁止されています。
そもそもアフィリエイトとは、第三者が運営するサービスの紹介者となり、他人にそのサービスを紹介することで報酬をもらう仕組みを指します。自己アフィリエイトとは、自分が自分自身の紹介を受けて報酬をもらう行為のことで、海外FXでは、招待リンクを自分自身で利用して報酬を得る行為を指します。
自己アフィリエイトが発覚した場合、アフィリエイト報酬の没収などのペナルティが科されます。
海外FXで許可されていることが多い取引
一部の禁止事項を公表していない海外FX業者もあるため、どのような取引が許可されており、何が禁止されているのか判断に迷うこともあるでしょう。ここでは、一見禁止されていると思われがちな取引の中でも、多くの業者で許可されている5つの取引を紹介します。
多くの海外FX業者で許可されている取引でも、一部の業者では禁止されていることがあります。
スキャルピング
多くの海外FX業者でスキャルピングは許可されています。数社にスキャルピングの可否を問い合わせたところ、以下のような結果となりました。
FX業者 | スキャルピング可否 |
XMTrading | 〇 |
Exness | 〇 |
ThreeTrader | 〇 |
BigBoss | 〇 |
FXGT | 〇 |
iFOREX | × |
FXON | 〇 |
FX業者 | スキャルピング可否 |
XMTrading | 〇 |
Exness | 〇 |
ThreeTrader | 〇 |
BigBoss | 〇 |
FXGT | 〇 |
iFOREX | × |
FXON | 〇 |
初めて利用する業者であれば、念のため規約を確認しておいたほうが安心かもしれませんが、上記の表にあるように、ほとんどの海外FX業者はスキャルピングを許可しています。
ほとんどの業者が許可しているため、海外FXでスキャルピングをする場合は、スプレッド・取引手数料などの条件で、業者を選ぶことになるでしょう。
なお、FXONでは有利なスプレッドでスキャルピングが行える環境を提供しております。約定環境にも力を入れており、日々発生する取引コストを抑え、快適にお取引頂ける環境をご用意しています。
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EAによる自動売買
多くの海外FX業者はEA(エキスパートアドバイザー)による自動売買を禁止していません。
EAの24時間稼働に欠かせないVPS(仮想専用サーバー)を提供する業者や、EAの無料配布を行っている業者もあり、むしろ、EAの利用を歓迎しているともいえるかもしれません。
ただし、高速取引のロジックを採用したEAを利用したい場合は、事前にカスタマーサポートに運用の可否を確認するようにしましょう。
同一業者の複数口座や、複数の業者の口座でEAを運用する際は、意図せずに両建てになる可能性があります。意図しない両建てであっても、違反と見なされ、ペナルティを科されるリスクがあります。
同一口座での両建て
多くの海外FX業者では、同一業者の複数口座間、または他業者間での両建ては禁止されています。しかし、同一口座内での両建ては許可されています。
適切に実行された両建ては、ポートフォリオの保護に役立つこともあります。市場の不確実性が増し、ボラティリティが高くなる相場において、潜在的な損失を軽減する手段として、同一口座での両建て取引を活用できることもあるでしょう。
大きなロット数での取引
FXONを含む多くの海外FX業者では、大きなロット数での取引に特別な承認を必要としません。多くの場合、数十ロットの注文も問題なく出せます。
ただし、IS6FXなどの一部の業者は、事前承認なしの大きな金額の取引に制限を設けています。数十ロットなどの大きなロット数で取引する場合、念のため確認しておいたほうが安心でしょう。
口座開設ボーナスのみを使用した取引
海外FX業者で新規に口座開設をした際に、特典として口座開設ボーナスを受け取れることがあります。
多くの場合、このボーナスはトレードの証拠金として使用可能で、自己資金を使わず、ボーナスだけで取引をすることは許可されています。
ただし、ボーナスを使った業者間両建てなど、公平性を欠いた取引は避けて下さい。
海外FXで禁止事項に該当した場合のペナルティ
海外FXで規約違反と見なされた場合、ペナルティが科される可能性があります。違反の程度や種類によって異なりますが、一般的には以下のような措置が取られています。
レバレッジが制限される
特定の場面でのみハイレバレッジを使った場合などに、レバレッジ制限の対象とされることがあります。レバレッジ制限の対象となると、その業者が提供している通常のレバレッジを使えなくなってしまいます。
レバレッジ制限は、トレーダーが過度なリスクを取ることを抑えるといった目的で実施されます。
取引利益を出金拒否される
海外FX業者は、不正な取引を行ったトレーダーが利益を得た場合、その利益の出金を拒否することがあります。
この措置は、トレーダーの不正行為を防ぎ、全てのトレーダーに対して公平な取引条件を保持するために必要です。出金拒否の対象にならないように、トレーダーはFX業者の利用規約を厳守しなければなりません。
ボーナスやポイントが没収される
規約違反と見なされると、ボーナスやポイントが没収されることがあります。
たった一度の違反行為により、長期にわたって獲得したボーナスやポイントが全て失われる可能性もあるので、海外FX業者を利用する際は利用規約を熟読しておきましょう。
口座凍結やアカウント停止になる
重大な規約違反が発覚した場合、海外FX業者はトレーダーの口座を凍結したり、アカウントを停止したりすることがあります。これにより、トレーダーは一時的または永続的に取引を行えなくなります。
違反行為をした自覚がない場合にペナルティを受けた際は、カスタマーサポートに問い合わせて下さい。ペナルティを受けた理由が確認でき、業者側で該当行為が悪質でないと判断された場合、利用が再開できるかもしれません。
第三の利害関係者に通知される
海外FX業者は状況によっては、違反をしたトレーダーについて、第三の利害関係者に通知することがあります。第三者には他の海外FX業者や銀行、クレジットカード会社などが含まれます。
このような対応は、海外FXの安全性や健全性を保つために行われます。業者が違反行為に対して厳しい対応を取ることで、トレーダーの自主規制が促され、海外FXの健全性が高まることが期待できます。
海外FX業者が一方的に不利になる取引をしない
禁止事項に抵触すると、業者から出金拒否や口座凍結、アカウント停止などのペナルティを受けることがあります。利用規約を守り、分からないことはカスタマーサポートへ問い合わせて、意図せず、規約違反にならないように注意しながら取引を行っていきましょう。
なお、FXONでは年中無休で日本語サポートを提供しております。取引のルールについてのご不明点も、何らかのトラブルの際のお困りごとも気軽にお問い合わせ下さい。安心してお取引頂ける環境をご用意しております。
年中無休の日本語サポート
どんな些細な疑問にも日本人スタッフが迅速丁寧に対応します
日本人スタッフが迅速丁寧に対応します
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