海外FXの詐欺業者の手口と見分け方|トラブルの相談先と事例も紹介
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海外FXを悪用する詐欺業者はスマホアプリやSNSを使い分け、ターゲットの興味・関心、ときには異性への下心を刺激しながら、巧みに罠を仕掛けてきます。「まさか自分が」というケースも多く、誰もが注意すべきでしょう。
この記事では、そんな詐欺業者が使うよくある手口を解説します。また詐欺の見分け方や予防方法、万が一トラブルに遭った場合の相談先も紹介します。
海外FX関連の詐欺業者が多い理由
まずは海外FX関連の詐欺業者が多い理由を解説します。
「海外FX」という特別な業種が悪用されていることを確認しましょう。
警察に逮捕されづらい
詐欺案件の捜査を行い、犯人を逮捕できるのが警察です。しかし被疑者(詐欺をしているであろう者)が海外にいる場合、警察は捜査権を行使できません。
また海外FXの詐欺の多くでは個人が対象となっており、被害額が比較的小さくなっています。そのため他の国内事件の捜査よりも優先度が下がりやすくなります。
このような理由から日本の居住者に対して詐欺をするには、「海外に拠点がある」としておくほうが詐欺業者にとって都合が良いのです。
金融庁の監督下にない
詐欺業者に関わらず、全ての海外FX業者は日本の金融庁の監督下にありません。そのため、提供するサービスが日本の法律に反していても営業停止とはなりません。
例えば、日本の法律では最大レバレッジが25倍に制限されていますが、海外FX業者は数百倍や数千倍の最大レバレッジを提供しています。これに対して金融庁が行うことは、警告書を発出し、日本の居住者には無登録業者の利用をしないように注意喚起をする程度です。
無登録業者とは、金融商品取引法で規定される金融商品取引業を行うための登録をしていない業者のことです。日本の金融庁の公式ページで一覧が公表されています。
無登録業者の中には、多くの日本居住者に利用されている大手業者をはじめ、国際事業会社として問題のないであろう海外FX業者が多く含まれます。しかし、詐欺業者が紛れ込んでいることも事実であり、真っ当な業者との見分けがつかないという人も少なくないでしょう。
詐欺業者は上記のような法的に罰則を受けにくい仕組みを悪用し、日本の居住者をターゲットに詐欺をしているのです。
金融商品取引法では、海外FXの利用に関する違法性は問われていません。サービスを利用したというだけで海外FXユーザーが罰則を受けた事例はありません。
海外FX業者という架空業者を作りやすい
海外FXはオンラインの金融サービスなので、大きなコストをかけることなく以下のような架空業者を作れます。
- 完全偽造型
- ペーパーカンパニー型
完全偽造型は公式サイトを偽りの情報で完成させる架空業者、ペーパーカンパニー型はオフィスなどの物理的な実態がない架空業者を意味します。
手の込んだ詐欺業者はペーパーカンパニーを設立している模様です。規制の緩い地域であれば、そうした会社は比較的簡単に設立できます。また物理的な実態がないため、状況が悪化してもユーザーからの連絡を断てば逃げ切れる可能性が高くなり、業者にとっては好都合なのです。
一方で日本を拠点にして詐欺活動をすると、現場調査や商業・法人登記簿、信用調査会社の利用により実態が把握されます。加えて、ユーチューバーがオフィス等を調査するケースも見られます。調査のしづらさという点でも、海外FX業者という立場が有利であると分かります。
海外FXの詐欺の首謀者が外国人とは限りません。日本人の特性や市場状況に精通した日本人が黒幕であることも多いようです。
海外FXの詐欺業者の手口
海外FXを悪用した詐欺業者の手口を紹介します。
電話・アプリ・メールなどさまざまな連絡手段に詐欺が仕込まれています。被害防止のためにも参考にして下さい。
マッチングアプリを使った国際ロマンス詐欺
国際ロマンス詐欺とは、海外在住の異性という体裁で連絡を取り、相手に恋人と思い込ませた後に、もっともらしい理由をつけて現金等を送らせる詐欺手法です。マッチングアプリやSNSなどを通じて行われます。
コロナ禍での外出控えをきっかけにオンライン上の交流が盛んになり、国際ロマンス詐欺の被害が増加しています。国民生活センターによると、2021年度におけるロマンス詐欺に関する相談件数は187件でした。これは2020年度の1.7倍、2019年度の7.5倍です。
具体的な詐欺手口として、海外FXの取引アプリで現金が奪われた事例を紹介します。
マッチングアプリで中国人の女性と知り合った。アプリ内で会話をしていたが、仲良くなったので無料通話アプリを交換し頻繁にやり取りを始めた。彼女はFXの取引でもうかっており、「叔父がプロの投資家で教えてもらっているので、ほとんど負け知らずだ」という。投資経験は全くなかったが、彼女が言うのであれば本当だろうと思い、言われるままにスマホに外国のFX取引のアプリをインストールした。彼女からアドバイザーと呼ばれる人を紹介され、無料通話アプリでやり取りをした。FX口座を開設するために運転免許証の写真を送付し、投資金として、国内の銀行の外国人名義の口座に10万円を振り込んだ。毎晩女性と連絡を取り、女性から「ここを押して」等と指示を受け売買をしていた。アプリ内ではもうかったので、数日後さらに200万円を振り込んだ。しかし、さらに投資しようとすると振り込みできなかった。もうけ分の出金を依頼したが、既読になっているのに返信が来ない。どうしたらよいか。(2021 年8月受付 50 歳代男性)
詐欺師は相手に恋愛感情を抱かせるために、あらゆる手段を尽くします。そして好意を持たせ、警戒されることなく詐欺案件を伝えます。
ちなみに日本の警察は「インターポール(国際刑事警察機構)」を通じて加盟各国等と情報交換や捜査協力を得ながら国際ロマンス詐欺の犯人を追跡しています。被害者が騙されていく様子やインターポールの役割が分かる動画(読売テレビニュースのYouTube)を参考情報として記載します。
コピートレードを悪用した詐欺
詐欺業者がコピートレードを悪用する事例も数多く見られます。昨今よく見られる手口のため、5つの段階に分けて細かく解説します。
コピートレードとは、成績の良いトレーダーに取引タイミングや取引戦略を提供してもらい、それを基にほぼ自動で取引ができるサービスです。コピーさせてもらった人は、利益の一部を見返りとして支払うなどします。
偽インフルエンサーで集客する
詐欺業者は偽インフルエンサーによる宣伝などで、コピートレードの利用者(コピーさせてもらう人)を集めます。
具体的にはX(旧Twitter)やInstagram上に、稼いでいるように見える成績やリッチな私生活を公開し、さらに保有ポジションを公開します。ポジションを公開することで現実味を持たせ、「真似をすれば自分も華やかな生活が送れる」とユーザーに勘違いさせるわけです。
「お金配り」などの企画によって注目を集めようとするケースも見られます。
LINEグループなどに案内する
続いて偽インフルエンサーは、クローズドなやりとりができるLINEグループなどを紹介し、興味を持った一部のユーザーを誘導します。
偽インフルエンサーがユーザーに直接アプローチすることもあります。FXに関する発信をしているユーザーに目を付け、フォローしたりDMを送ったりし、最終的にはLINEグループなどへ誘導します。
誘導先のグループでは以下のように、稼げたとの報告で盛り上がっておりますが、それはサクラなどによって作ったものです。
出典:NHK
なおLINEを悪用した詐欺は今日よく見られるため、別の項目でも取り上げています。
海外FX業者で口座を開設させる
偽インフルエンサーは信頼獲得するために、各種SNSで口座残高や資産グラフの推移、ときにはブランド品や札束の画像を投稿し続けます。
また「初心者でも簡単に稼げる」といったセリフで誘惑したり、「元本保証」や「最大損失は10%以内」などと語ったりして損をしないと思い込ませます。
そうした内容を信じたユーザーから口座を開設していきます。
儲かることを体験させる
ユーザーがサービスを使い始めた直後は、勝ち負けをほどよく織り交ぜながら大きな利益で1日を終わらせます。そしてSNSではサクラたちが、「今日も稼げました!ありがとうございます!」と偽りの利益報告を繰り返します。
ユーザーに儲かると思わせれば詐欺業者の思う壺で、引き続きモチベーションを高めさせて入金を促します。
ユーザーのお金を持ち逃げする
コピートレード詐欺は突然終わりを迎えます。
詐欺業者は一定額を集め終えると、経済指標発表後の暴騰・暴落によるロスカットで資金を失ったと説明します。そして資金を自らの懐に入れます。
ユーザーは口座に残ったわずかな口座残高さえも出金拒否されてしまいます。入金したお金の全てを失うケースも多いようです。
自動売買を悪用した詐欺
「全くの初心者でも稼げるという」イメージを抱かせやすいためか、自動売買を絡めた詐欺手口もよく見られます。そういったケースにおいて詐欺師は、以下のような触れ込みでユーザーを誘惑します。
- 初心者でも簡単に儲かる
- ほったらかしたまま毎日稼げる
- 資産1億円を誰でも難なく達成できる
- 完全フルオートなので年齢・経験は関係ない
- 完全保証付き!万が一稼げなければ全額返金
上記のような煽り文句を見つけたら、そのサービスとは関わらないようにするのが得策でしょう。自動売買ソフトを使う条件として、マイナーな海外FX業者への登録と入金を求められる可能性があります。
話に乗って自動売買を始めると、いずれどこかで損失が膨らみ出します。そのタイミングで出金を申請しても、「自動売買ソフトが取引途中だ」との理由で拒否される事例が複数報告されています。
過去に使っていた自動売買ソフトを元とする手口も
そのほか、過去に自動売買で利用した海外FX業者が「口座残高がマイナスになっている」として追加証拠金を請求してきたという事例がありました。「自動売買ソフトの誤作動があったのかもしれない」とユーザーを心配させ、入金させるのが目的でしょう。
こうした手口は主流ではないため、警戒している人が比較的少ないと考えられます。そういった点でも要注意な手口です。
詐欺業者は接触方法・取引手段・売込商材を巧妙に組み合わせています。例えば簡単なFX取引に始まり、利益が乗った頃に仮想通貨(暗号資産)投資へ勧誘するなどします。
SNS広告を悪用した詐欺
毎日目にするSNS広告の中に、詐欺業者が作った広告が入り込む可能性があります。全てのSNS運営が一つ一つの広告案件を細かく審査しているわけではなく、悪質な広告が表示されることもあるのです。
ここでは広告を悪用した詐欺の例として、青森県内に住む40代の男性が130万円もの被害に遭った事例を紹介します。なおこの事例は、ABA青森朝日放送のサイトで紹介されているものです。
2023年2月、SNSでFXに関する広告をタップしたことから詐欺は始まります。興味を持った男性が個人情報を入力すると、5分後に海外から電話がかかってきました。相手は片言の日本語を話す外国人でしたが、当時の男性は案内されるがままクレジットカードの番号を入力しました。
初期投資の費用とされる3万5千円を支払った直後、取引アプリ上ですぐにお金が増えていき、1週間程度でアプリ上の利益は16万円(約4.6倍)となります。
後日、さらなる入金を促す電話がかかってきます。内容は1日1,500ドル稼げるという仮想通貨投資の話で、担当者は「今しかない!」と急かす様子です。結局、男性は話に乗せられ、130万円を入金してしまいました。
上記の被害後に男性は「今思えば、胡散臭かった」「自分が詐欺に遭うとは思わなかった」といったことを語っています。ちょっとした気分の浮き沈みや疲れにより、誰しもが冷静な判断ができなくなる可能性があります。自分事として注意する必要があるといえます。
個人情報から電話勧誘
電話勧誘は昔からある詐欺手口で、詐欺師は何らかの方法で集めた個人の電話番号を使って勧誘します。投資セミナーの参加者名簿などから個人情報が漏れている可能性があります。
勧誘の電話は「FXの自動売買ツールのモニターに当選しました」といった具合で突然かかってきます。専用口座を開設して証拠金を預けることを求め「元本は減りません。必ず儲かります。」といった100%稼げることを印象づける内容です。
インターネット上には詐欺業者の公式HPがあらかじめ用意されており、そこから口座開設させ、入金させれば、詐欺業者の仕事はほぼ完了となります。
以下は、YouTube(TOKYO MX news FLAG)で公開された電話勧誘詐欺に関するニュースです。FX取引業者を装い「海外の証券会社に投資すれば利益が出る」と嘘を伝え、60代の男性に40万円を振り込ませています。
なお、上記のように電話やメールなどで証券投資を勧誘する行為は「コールド・コーリング」と呼ばれ、世界的に問題視されています。日本の金融庁に寄せられた報告によると、日本に所在があると称する者が海外の投資家を勧誘している事例もあるようです。
各国の金融監督当局は協力して対策を進める方針ですが、個人レベルでも注意したい手口といえるでしょう。
詐欺商材は時流に合わせて移り変わります。FXの自動売買の受けが良いときもあれば、仮想通貨投資のほうが反応を得られるときもあるはずです。古くある手法による詐欺でも、流行りの商材と組み合わせることで騙すことができるのでしょう。
悪質な海外FX業者による不正行為
詐欺と断定はできないものの、海外FX業者による不正行為らしき事例も確認されています。その具体例として以下の3つを挙げることができます。
- 注文ボタンをタップしても反応しない
- 数秒間の待ち時間の後に約定拒否される
- スリッページとリクオートの回数が多い
いずれもシステムを操作してユーザーの利益を削り、業者側の利益を増やすという内容です。
スリッページとは、注文価格と約定価格の差額です。リクオートとは、最初の注文価格での約定が業者に拒否され、新たに注文可能な価格が提示されることです。
こうした不正があったとしても、詐欺だと言い切ることは簡単ではありません。
例えばスリッページやリクオートは、健全に運営されている海外FX業者でも起こります。またシステムの不具合により発生頻度が高まることもあり得ます。したがってスリッページやリクオートが頻発しても、悪意のあるシステム操作が原因なのか、意図しない不具合によるものなのかを判別しづらいのです。
ユーザーが判断するための簡易的な方法は、疑わしい業者と異なる業者の取引画面を立ち上げ、同じタイミングで両方の画面で注文・決済をして比較することです。しかしこの方法はややハードルが高く、後述する方法により、最初の段階で怪しい業者かどうかを判別してしまうほうが簡単でしょう。
LINEを悪用した海外FX詐欺の手口
LINEを悪用した海外FX詐欺も数多く報告されています。その種類はさまざまですが、代表的な以下3つの手口を紹介します。
詐欺業者のLINEグループに勝手に追加する
LINEを悪用した詐欺手口に、ターゲットを勝手にグループに追加するというものがあります。
2023年9月時点では、LINEグループ作成者が「友だちをグループに自動で追加」をONにしていると、相手の承認なしでグループに追加することができてしまいます。詐欺師はこの仕様を使って、ユーザーを勝手にグループに追加します。
出典:LINE
自分をグループに招待できるのは、自分を友だちとして登録しているユーザーのみです。そのため、知らない相手から勝手にグループに追加されることはないように感じるかもしれません。
しかし「友だち自動追加」などの機能をONにしていると、知らないうちに相手の友だちに追加され、グループに追加される恐れがあります。
勝手に追加されたグループを覗くと、自動売買などにより利益を上げたとの報告で盛り上がっています。興味を持って他のメンバーに質問すると、取引アプリのダウンロードの仕方、海外FX口座の開設方法、指定された銀行口座への入金方法などを丁寧に説明されます。
詐欺業者がLINEを通じて手配したアプリでは取引もできます。売買指示を受けながらトレードをすれば必ず大きな利益が得られる仕様のため、ユーザーは気分を良くして大金を入金し始めます。
そして資金が増えた口座から利益を引き出そうとしたとき、出金を拒否されます。
以下の読売新聞オンラインの記事では、上記のような手口で2,010万円が騙し取られた事例が確認できます。
LINEグループに追加された際の対策
投資関連のLINEグループに勝手に追加された場合、通知オフにするか非表示にして下さい。
LINEグループから退会するとトークルームに「〇〇がグループを退会しました」の表示が残って詐欺のメンバーにバレてしまいます。その後、詐欺グループのメンバーから連絡される可能性を考慮すると、退会は避けたほうが良いかもしれません。
SNSからLINEグループへ誘導する
SNSの偽インフルエンサーなどがLINEグループに誘導し、詐欺案件を紹介するケースもあります。
この手口は先に紹介した「コピートレードを悪用した詐欺」と同じもので、誘導先のLINEグループではサクラが詐欺商材*1で儲かっていることを報告し合い、いっしょに稼げるように思い込ませていきます。
YouTube(ANNnewsCH)に公開された以下のニュースからは、何とかしてクローズドな場所へ持ち込みたいという詐欺師の意志が見て取れます。詐欺師はユーザーを欺くために細かく計画を練ってくるため注意が必要です。
*1EAの自動売買、コピートレード、売買シグナル、自称プロトレーダーによる売買指示などさまざまです。
オープンチャットで商材を売り込む
オープンチャットとは、LINE内で作ったり参加したりできるコミュニティです。さまざまなチャットルームがあり、活発にメッセージのやり取りがされているものもあります。
出典:LINE
匿名で参加できることから、グループよりも気軽に使えるコミュニティとなっています。
このオープンチャット内で怪しいサービスに誘導する、という手口も存在します。そういったケースでは、オープンチャットは「投資相談グループ」「FX業者名 + 情報共有」などとされているものの、真の目的は勧誘です。
その他の事例と比べるとマイルドな誘導となっている傾向にありますが、マイナーな自動売買ソフトやFX業者の宣伝が度々行われるようなら怪しむべきでしょう。
海外FXの詐欺業者の見分け方と対策
海外FXの詐欺業者の見分け方と対策を以下のポイントごとに紹介します。
- SNSで出金拒否が報告されている
- インターネット上で悪判が見られる
- 信用不安が噂された後に過剰ボーナスで勧誘する
- 海外で金融ライセンスを取得していない
- 会社の所在地が偽装されている
- 金融庁から警告されている
より多くのポイントを確認することで、詐欺業者と判断できる確率が高まるでしょう。
SNSで出金拒否が報告されている
X(旧Twitter)などのSNSで「業者名 + 出金拒否」と検索するだけでも、その海外FX業者が出金拒否をしているかがある程度分かります。投稿の中で出金拒否に至る過程が確認できれば、その業者が悪質な出金拒否をしている可能性が高まります。
ただし、この時点で詐欺をしていると決めつけないで下さい。正当な理由により出金拒否を行っている可能性もあるためです。
また出金拒否の噂が大きくなると、XやLINEのオープンチャット等で「業者名 + 被害者の会」といったチャンネルが立ち上げられることがあります。
そういったチャンネルの有無やチャンネル内での投稿も、詐欺かどうかの見極めに利用できます。
インターネット上で悪評が見られる
インターネットで「業者名 + 評判」「業者名 + 口コミ」で検索すると、その海外FX業者が過去に不正行為をしていたかどうかが分かります。レビューサイトや個人ブログ、Yahoo!知恵袋での相談などが参考になります。
例えば悪質なスリッページやストップ狩りなど、他業者のと比較して明らかにおかしな挙動があれば、画像付きの記事などが上がっているかもしれません。
また「サイトURL + scam」「サイトURL + fraud」と検索し、海外ユーザーの評判を確認してみるのも良いでしょう。
信用不安が噂された後に過剰ボーナスで勧誘する
信用不安が噂された業者が、豪華なキャンペーンで入金を促し始めたら注意して下さい。
そのキャンペーンをきっかけに詐欺業者に変わる可能性があります。特に、出金拒否が解消しない状況でキャンペーンを開催していたら、危険度が高いと考えられるため入金せずに様子見して下さい。
また業者側が、「小口の出金にのみ対応し、額の大きい出金を拒否する」といった対応をしていると疑われるケースもあります。残り少ない資金を維持しながらインターネット上の評判を高め、事態を鎮静化させることが狙いです。こうした手口にも注意して下さい。
米国のシリコンバレーバンク(SVB)は2023年3月10日、48時間以内に預金残高の約85%が引き出されて経営破綻しました。多額の評価損を抱えていたSVBについてのネガティブな情報が広がり、預金者が一斉に出金したためです。海外FXもユーザーの信用が前提のビジネスのため、不安の火種が生じた後の挙動には注意が必要です。
海外で金融ライセンスを取得していない
金融ライセンスがない事業者は誰からも監督されない状態で金融サービスを提供しています。ユーザーの資金を私的に使え、さらにオフィスがないのでいつでも逃げられる状態です。
真っ当な海外FX業者であれば海外の金融ライセンスを保有し、取得した国の金融監督当局の規制を受けています。悪質な業者をフィルタリングするために、金融ライセンスの保有状況はぜひ確認しておきましょう。
金融ライセンスの保有状況を調べる際は、業者の公式サイトだけでなく発行国の監督当局のサイトも確認して下さい。業者が金融ライセンスを捏造している恐れもあります。
金融ライセンスの種類や保有状況の調べ方は、以下の記事で解説しています。
会社の所在地が偽装されている
自らが実在することを信じ込ませるために、偽の住所を表記している業者があるかもしれません。そのため所在地を確認することでも、業者の安全性を確かめられます。
業者の公式サイトで住所を調べ、Googleのストリートビューなどで確認してみて下さい。別の事業者が入るビルや明らかに小さすぎる物件が表示されたら怪しいと判断できます。
Googleのストリートビューでは写真の右下に撮影日が表記されます。そこで、その撮影日の情報が業者の設立日以降になっているかといった確認も可能です。
拠点が海外にある場合は確認が難しくなりますが、その業者が金融ライセンスを保有していれば、ライセンス発行機関のサイト上から住所確認ができる可能性があります。
金融庁から警告されている
金融庁の公式サイトにアクセスし、上部にある検索欄に業者名を入力すると、金融庁が警告書を発出した業者が分かります。
出典:金融庁
金融庁は、投資者保護の観点から問題がある業者に対して警告をし、そうした事業者の商号や名称等を公開しています。警告書には違反内容等が記載されているため、詐欺業者に該当するかを調べる上での参考となります。
なお金融庁は、日本居住者向けにサービスを提供したという理由で海外FX業者などを警告し、「警告書の発出を行った無登録の海外所在業者」に掲載しています。このような理由のみで警告を受けた業者には、国際事業会社として実績を残している業者も含まれており、詐欺業者とは断定できません。
海外FXで詐欺業者とのトラブルに関する相談先
海外FXで詐欺業者とトラブルになった場合の相談先を紹介します。
納得できる解決策が見つかるとは限りませんが、相談することで現状を整理することができるでしょう。
消費者ホットライン
消費者ホットラインは国民生活センターが設置している電話窓口です。特定の商品やサービスについてなど、消費生活全般に関する相談ができます。
公式サイトには過去に寄せられた相談事例が紹介されているので、事前に目を通しておくだけで、同じ詐欺に遭いそうになったときに冷静に対応できるでしょう。
なお消費者ホットラインに電話がつながらない場合は、「平日バックアップ相談」へ問い合わせてみて下さい。
電話番号 | 受付時間 |
消費者ホットライン:188 |
平日:午前9時~午後5時など
土日祝:午前10時~午後4時など
|
平日バックアップ相談:03-3446-1623 | 平日:午前10時~午後0時、午後1時~午後4時*1 |
電話番号 | 受付時間 |
消費者ホットライン
188
|
【平日】
午前9時~午後5時など
【土日祝】
午前10時~午後4時など
|
平日バックアップ相談
03-3446-1623
|
【平日】
午前10時~午後0時、
午後1時~午後4時*1
|
*1相談できるのは平日のみです。
金融サービス利用者相談室
金融サービス利用者相談室は、金融庁が設置している窓口の1つです。金融機関との間に起こったトラブルについて相談し、アドバイスをもらうことができます。
出典:金融庁
海外FXに関するトラブルの相談もできます。
電話番号 | 受付時間 |
0570-016811
03-5251-6811*1
|
平日:午前10時~午後5時*2 |
電話番号 | 受付時間 |
0570-016811
03-5251-6811*1
|
【平日】
午前10時~午後5時*2
|
*1IP電話を利用する場合は「03」から始まる番号にかけて下さい。
*2電話の受け付けは平日のみです。ウェブサイト受付窓口を利用すれば24時間いつでも相談ができます。
みんなの法律相談や法テラス
近年では、弁護士への相談がインターネットから気軽にできるようになっています。
そうしたサービスの1つが「みんなの法律相談」です。弁護士ドットコム株式会社が提供するサービスで、弁護士に相談したり類似の相談を閲覧したり、さらには有益な回答をしている弁護士を探したりもできます。
出典:弁護士ドットコム
相談は無料、弁護士の回答を確認するには月額330円(税込み)という料金体系で利用しやすくなっています。また海外FXに関する相談も複数寄せられており、参考情報が見つかるかもしれません。
トラブルは「法テラス」に相談することもできます。法テラスは国によって設立された法的トラブルに関する総合案内所です。電話やメールでトラブルの内容を伝えると、関連する法制度や相談窓口を教えてもらえます。
出典:法テラス
トラブルの相談先である電話窓口の情報は以下の通りです。
電話番号 | 受付時間 |
0570-078374
03-6745-5600*1
|
平日:午前9時~午後9時
土曜:午前9時~午後5時*2
|
電話番号 | 受付時間 |
0570-078374
03-6745-5600*1
|
【平日】
午前9時~午後9時
【土曜】
午前9時~午後5時*2
|
*1IP電話を利用する場合は「03」から始まる番号にかけて下さい。
*2日曜日・祝日は電話で相談することができません。メールでの相談はいつでも可能です。
法テラスは経済的に余裕がない水準の相談者に対して、電話や面談形式での無料法律相談も提供しています。なお法テラスが定める水準は、以下のようなものです。
世帯 | 収入基準 | 資産基準 |
単身者 | 18.2万円以下 | 180万円以下 |
2人家族 | 25.1万円以下 | 250万円以下 |
3人家族 | 27.2万円以下 | 270万円以下 |
世帯 | 収入基準 | 資産基準 |
単身者 | 18.2万円以下 | 180万円以下 |
2人家族 | 25.1万円以下 | 250万円以下 |
3人家族 | 27.2万円以下 | 270万円以下 |
弁護士への相談にかかる費用等の援助を受けることもできます。費用援助も該当者のみが利用できるサービスですが、利用できれば法的な手続きを行いやすくなります。
中小企業向けのデータのためあくまで参考程度となりますが、日本弁護士連合会によると、特殊専門分野の相談料金は1時間あたり5千~5万円程度です。
出典:日本弁護士連合会
弁護士への相談料金は安くはないと考えられます。そのためまずは、みんなの法律相談や法テラスを利用してみるのが良いかもしれません。
悪質な法律事務所や弁護士事務所による二次被害も発生しています。詐欺の被害金を取り返せないと分かっているにもかかわらず、偽りの実績で被害者を集め、高額な着手金を請求するという手口です。
サイバー警察局
サイバー警察局は、サイバー犯罪対策を目的とする警察庁内の組織です。重大なサイバー事件については海外の捜査機関と連携しながら解析を行います。
出典:警察庁
各都道府県の警察本部はサイバー犯罪に関する相談窓口を設けており、インターネット関連の犯罪についてはそこへ相談することができます。
海外FX業者による詐欺と誤解されやすい出金拒否
海外FX業者は以下のようなケースに、業務における適切な対応として出金拒否をすることがあります。
出金拒否された際、詐欺業者と誤解することがないように具体例を確認しましょう。
禁止されている取引を行った
ユーザーが禁止されている手法を用いた際も、出金拒否は起こり得ます。禁止されている手法は業者によって異なりますが、一般的に以下のような取引が該当します。
- HFT(高頻度取引)
- 週明けの窓埋め狙い
- サーバーエラー狙い
- 複数口座による両建て
- ボーナスアービトラージ
- 指標発表前後のみのトレード
禁止となっている手法で得た利益は、出金対象外となります。また違反が繰り返されると、口座凍結やアカウント停止といった措置が取られることが一般的であり、これらは海外FX業者による詐欺行為ではありません。
自らの違反で出金拒否をされたユーザーが業者を逆恨みし、いかにも被害者であるかのような投稿を執拗に行っていることがあります。そのため一部の投稿を見て、怪しいと判断しないようにしましょう。詐欺業者である場合は、複数のユーザーが出金拒否などを報告しているはずです。
出金不可のボーナスを引き出そうとした
口座開設や入金によってもらえるボーナスの多くは、受け取った直後に現金として引き出せません。多くの場合、ボーナスには以下のような制限が掛かっています。
- 証拠金にのみ使用でき、ボーナス自体の出金はできない
- 一定の取引をして初めて、ボーナスを引き出せる
また自己資金とボーナスが取引口座にある場合、損失は自己資金から差し引かれていきます。つまりボーナスがあったとしても、トレードに負ければ自己資金は減っていく仕様です。
ボーナス自体は魅力的ではありますが、上記のような条件が付いていることには留意しましょう。
適切な出金方法を選択していない
海外FX業者はさまざまな出金方法に対応していますが、出金時は適切な方法を選ぶ必要があります。真っ当な業者はマネーロンダリングに加担しないために、出金に制限を設けているためです。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、犯罪行為で得たお金を、正当な手段で得たものと見せるための行為です。捜査機関による差し押さえを避けるために、資金を個人口座や海外FX業者の口座など、さまざまな口座を経由させるなどします。
各海外FX業者はマネーロンダリング対策の一環として、以下のようなルールを定めています。
- 入金方法と出金方法は同じでなければいけない
- 登録した個人情報と出金者情報が一致しなければいけない
例えば国内銀行送金によって入金した場合、その分の出金は国内銀行送金で行う必要があります。また、出金先の口座名義が業者に登録した氏名と一致しなければ出金はできません。
そのほか利益額の出金方法を定めている業者も存在します。
ルールは業者ごとに確認しておき、利用する入出金方法はなるべく統一してしまうのが良いでしょう。
詐欺業者を知って安全な業者を見極めよう
現代社会はマッチングアプリやSNSの発達により、詐欺業者にとっては好都合な環境です。LINEなどの身近なアプリが詐欺の入り口になっています。誰もが被害に遭う可能性があるため、代表的な手口は把握しておきましょう。
そして口座を開設したくなった業者に疑わしい点があれば、一呼吸おいて、本記事で紹介した手口と照らし合わせてみて下さい。
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