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海外FXの税金に抜け道はない!脱税がバレる理由と節税対策について解説

海外FXの税金に抜け道はない!脱税がバレる理由と節税対策について解説

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海外FXユーザーの中には、「海外業者のサービスだから、税金の抜け道がありそう」と考える人もいるかもしれません。

しかし結論として、海外FXの税金に抜け道はなく、脱税をするとバレます。海外口座を介した入出金であっても、税務署はデータを得る術を持っています。

ただし、節税対策をして税金を抑えることは可能です。この記事では、海外FXにおける脱税がバレる原因や、節税対策を解説します。

海外FXにおける脱税がバレる理由

海外FXで上げた利益は、日本において税金の計算対象となります。したがって基本的には確定申告を行い、納税しなければいけません。

海外の事業者を利用するので、「抜け道がありそう」「利益を少なめに申告しても分からないだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、脱税行為はバレると考えておいたほうが良いでしょう。

海外FXの脱税がバレる理由として以下の3つが挙げられます。

入出金データは管理されている

海外FX業者でトレードするには取引口座へ入金し、トレードで利益を得れば個人の銀行口座へ出金することになります。このような海外FXに関する入出金の流れは、金融機関で管理されています。

金融機関による入出金データ管理の仕組み

特に国内の金融機関を経由して入出金を行う場合、税務署は比較的簡単に入出金データを調査可能です。もし利益が出ているように見えるのに申告が行われていなければ、すぐにマークされて調査されることになるでしょう。

国外送金等調書が税務署に提出される

国内の金融機関を経由させなければバレないのかというと、そう簡単な話ではありません。

国内の金融機関を通じて100万円超の資金を国外へ送金したり、国外から受け取ったりした場合、「国外送金等調書」という報告書が金融機関から税務署に提出されます。

国外送金等調書には、送り主の名前や住所、送金額などが記載されます。したがって、100万円超の資金を海外FX口座へ入金したり出金したりした際には、把握されると考えたほうが良いでしょう。

日本がCRSに参加している

日本はCRSに参加しているため、海外FXへの入出金に海外口座を経由したとしても、税務署は情報を確認できます。

knowledge
CRSとは?

CRS(共通報告基準)とは、外国の金融機関を利用した脱税など、不正な資金の流れを追うために設立された制度です。各国の金融口座情報を共有するための基準が定められています。

CRS参加国に所在する税務当局は、その国に滞在して脱税を試みているような人がいる場合、その人物の口座情報を関連国の税務当局に提供できます。したがって海外の口座を介した入出金であっても、税務署は口座名義や残高などを手に入れられるのです。

海外FXに関する脱税がバレたときの罰則

海外FXで得た利益の脱税がバレると、以下のような税金の支払いを求められます。

追加で課される税金
  • 延滞税
  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 重加算税

期日までに納付できなかった場合、「延滞税」が課されます。また、納める税金が少なかった場合は「過少申告加算税」、期日までに確定申告できなかった場合は「無申告加算税」が課せられます。

そして、悪質な脱税行為だと認められると、「重加算税」として最大40%の追加支払いを求められます。ペナルティを受けないためにも、申告内容をしっかりと確認して、期限内に申告を行うようにしましょう。

knowledge
確定申告が不要なケースも

一定の条件を満たすと、確定申告は不要となります。会社員であれば海外FXでの所得が20万円以下、主婦であれば海外FXでの所得が48万円以下の場合、基本的に確定申告は不要です。

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脱税はできないが節税対策は可能

海外FXの脱税は100%バレるものだと考えるのが賢明です。ただし、海外FXで発生する税金を抑える術が全くないわけではなく、節税対策を取ることができます。

違法な脱税で税金を抑えようとしても、最終的には罰金が発生し、本来の税額以上の支出が発生することにもなりかねません。したがって海外FXによる所得は正しく税務署に申告した上で、合法的な形で税金を抑えられる、節税対策を取れば良いわけです。

海外FXの節税対策については後ほど解説していきます。

海外FXでは収益が増えるほど節税が重要に!

実は海外FXの場合、利益の金額が大きくなればなるほど、節税の重要性が高まります。海外FXにかかる税率について、詳細を見ていきましょう。

税率は所得税・住民税合計で約15~55%

海外FXで得た利益に対してかかる税率は、以下の表の通りです。なお数値を分かりやすくするため、金額的影響の小さい「復興特別所得税」は省略して説明を進めていきます。

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海外FXの所得にかかる税率
課税所得金額 所得税率 住民税率
~195万円 5% 10%
195万~330万円 10%
330万~695万円 20%
695万~900万円 23%
900万~1,800万円 33%
1,800万~4,000万円 40%
4,000万円~ 45%
課税所得金額 所得税率 住民税率
~195万円 5% 10%
195万~330万円 10%
330万~695万円 20%
695万~900万円 23%
900万~1,800万円 33%
1,800万~4,000万円 40%
4,000万円~ 45%

この表は、例えば課税所得金額が200万円だった場合、195万円までの部分には「所得税率5% + 住民税率10% = 15%」が課税され、195万円~200万円の部分には「所得税率10% + 住民税率10% = 20%」が課税されるという見方をします。

なお「課税所得金額」は、給与収入や海外FXで得た利益などからさまざまな控除を差し引いた後の金額で、単純に給与収入や海外FXで得た利益などの単純な合計金額ではない点に留意して下さい。

表を見て意識したいのが、所得が増えれば増えるほど、適用される税率は上がるという点です。

所得税と住民税を合わせると、所得に応じて15〜55%とどんどん税率が高くなり、税負担も大きくなる仕組みとなっています。

課税所得金額が増えるほど節税効果がアップ

海外FXでの利益が大きくなるほど、節税に真剣に取り組む必要性が高まっていきます。

ここでは、給与所得だけで課税所得が500万円、海外FXでの所得が500万円のケースを考えてみましょう。節税対策をするかしないかでどの程度の差が生じるでしょうか。

節税対策をしないとき

給与所得にFXで得た所得がそのまま上乗せされるケースですと、FXで得た500万円には、以下のような税率が適用されます。

  • 195万円(課税所得500万~695万円の部分):30%
  • 205万円(課税所得695万~900万円の部分):33%
  • 100万円(課税所得900万~1,000万円の部分):43%

このケースでは海外FXで得た所得に、非常に高い税率が適用されることになります。特に、課税所得900万〜1,000万円にあたる100万円の部分については、43万円も税金で持って行かれてしまいます。

節税対策をするとき

続いて、海外FXで得た500万円を、節税対策によって450万円に圧縮できた場合を考えてみましょう。

  • 195万円(課税所得500万~695万円の部分):30%
  • 205万円(課税所得695万~900万円の部分):33%
  • 50万円(課税所得900万~950万円の部分):43%

43%の税率が適用された部分に注目して下さい。

節税対策をしないときは、100万円に対し43%の税率がかかり、税額は43万円でした。一方、50万円分を圧縮できたときは、50万円に対し43%の税率がかかり、税額は21.5万円です。

比較すると、21.5万円も税金を抑えられたことが分かります。

今年は利益が大きくなりそうだという方には、早めに節税について勉強したり、海外FXに強い税理士を探したりすることをおすすめします。

海外FXにおける節税対策

海外FXの場合、利益が大きくなれば税負担も重くなるので、節税に取り組む必要性が高いといえます。ここでは、海外FXにおける節税対策について紹介していきます。

関連費用を経費計上する

課税の対象となるのは、トレード等で得た利益全体ではなく、利益から関連経費を差し引いた後の金額です。したがって、経費を多く計上するほど税金を抑えられます。

しかし、計上できるのは通信機器や学習費用、ツールの購入費用など、海外FXに関連したものに限られることには注意しましょう。

海外FXで計上可能な費用の例

どの範囲までが経費として認められるか、個人での判断が難しいケースもあります。そのため、確定申告の際に税務署に相談してみるのもひとつの手です。

また、経費として計上する際には領収書など支払い情報が分かる書類が必要です。忘れずに保管しておきましょう。

point
家賃や光熱費を経費にできる可能性

家賃や光熱費を支払っている場合、その一部を経費計上できる可能性があります。例えば、24時間のうち10%を毎日トレードのために費やしている場合、家賃の10%を経費計上できます。

雑所得同士を合算する

海外FXの利益は、同じ「雑所得」に分類されるアフィリエイト収入や仮想通貨(暗号資産)の売買損益などと合算できます。雑所得に分類される収入の中で損失が発生している所得と合算することで、課税対象の所得を抑えられるのです。

例えば、海外FXの所得が400万円、仮想通貨の所得が-300万円、アフィリエイト収入が-90万円の場合、課税対象の所得は以下のように計算されます。

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課税対象の所得の計算例
4,000,000円 - 3,000,000円 - 900,000円 = 100,000円

合算しない場合、海外FXの所得の400万円に対して税金がかかります。一方で合算した場合、課税対象の所得が10万円まで減ります。

海外FX以外でも副収入がある人は、この仕組みを利用すると良いでしょう。

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損失を翌年に繰り越せない

個人口座の海外FX口座で発生した損失は、翌年以降に繰り越せません。したがって損失が発生した際は、1年間の損益のみで合算することになります。

含み益の決済タイミングを調整する

海外FXの利益はポジションを決済したタイミングで確定して、その年の税金計算の対象となります。つまり、ポジションを決済しなければ、どれだけ含み益が拡大しても税金は発生しないのです。

このことを利用して、海外FXで得た利益が課税されるタイミングを調整できることがあります。

例としてトレードの調子が良く、海外FXで得た利益が非常に大きい年の年末に、大きな含み益のポジションがあったという場合を考えてみて下さい。このとき、年内にポジションを決済すると高い税率が適用されることになります。一方、翌年までポジションを持ち越して決済をすれば、適用される税率を下げられる可能性があるでしょう。

相場の急変動によって含み益が減ってしまうことが心配であれば、両建てをして含み益を固定しておくのも手です。

knowledge
両建てとは?

両建てとは、FX取引において同じ通貨ペアの買い、売りのポジションを同時に保有することです。買いと売りそれぞれで同じロット数を保有することにより、損益を固定できます。

法人化する

海外FXで安定して利益を出している場合は、法人化により以下のようなメリットを受けられます。

  • 経費の範囲が広がる
  • 損失繰越ができる
  • 税率を下げられる

法人化によって、個人でトレードを行っている場合に比べて、経費として計上できる範囲が広がります。また、最大10年間損失を繰り越せるたり、個人よりも適用される税率が低くなったりするなどのメリットもあります。

法人化がうまくいけば節税効果が期待できるものの、法人の設立費用や運営コスト、複雑な手続きなども伴うため、長期的な目線を持って検討しなければいけません。

海外FXにおける法人化については、以下の記事でより詳しく解説しています。

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タックスヘイブンへ拠点を移す

番外編として、タックスヘイブンを利用する考え方を紹介します。

knowledge
タックスヘイブンとは?

タックスヘイブンとは、税金が免除されている国や地域、または税率が非常に低い国や地域を指します。代表的なタックスヘイブンとして、シンガポールやバハマなどが挙げられます。

考え方はシンプルで、日本でFXを行うと日本で税金が発生するので、税率の安いタックスヘイブンからFXを行い、税金をタックスヘイブンで納めようというものです。より具体的には、以下のような形が考えられます。

  • タックスヘイブンに移住する
  • タックスヘイブンに法人を設立する

上記を実行するには大きな労力とコストがかかる上に、高度な専門知識が必要となります。またこの手段は、海外FXで巨額の利益を得た人が、税理士などの専門家と細かく相談しながら進めるタイプの節税テクニックです。

あまり一般的に活用できるものではないので、あくまで豆知識として考え方を頭の片隅に入れておく程度で十分でしょう。

海外FXの税金は節税でしっかり抑える

海外FXでの利益は日本における税金の対象となり、脱税への抜け道はありません。したがって、納めるべき税金を隠すのではなく、節税対策により納税額を抑えることを考えて下さい。

海外FXの利益にかかる所得税は、所得が増えるほど高くなる仕組みです。そのため、利益が安定してきたら、特にしっかりと節税対策について考え始めてみると良いといえます。

海外FXの税金と正しく付き合いながら、無駄なく資金を増やしていって下さい。

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