海外FXの早朝スプレッドは広がる?原因やその他注意すべき時間帯を解説
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海外FXを始めたい人、すでに始めている人の中には「仕事に行く前の早朝の時間に取引したい」と考えている人もいるかもしれません。しかし、早朝のスプレッドは広いといわれています。
この点は早朝に取引したい人にとっては気になるところでしょう。
そこで海外FX業者5社のスプレッドを調査し、通常時と早朝で比較しました。本記事では、その比較結果やスプレッドが広がる理由について解説します。
海外FXの通常のスプレッド
まずは基準となる通常時のスプレッドを確認します。主要市場のスプレッドをそれぞれ見てみましょう。
なお、主要な海外FX業者のデモ口座(スタンダード口座)の数値を記載していきます。また時刻は全て日本時間としています。
東京市場のスプレッド
東京市場が動き出している時間帯(午前11時〜午前11時30分)のスプレッドの実測値をまとめると、以下のようになります。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 2.1〜2.2 | 2.0〜2.4 | 2.1〜2.4 |
B社 | 0.1〜0.2 | 0.3〜0.7 | 0.4〜0.7 |
C社 | 1.2〜1.3 | 1.3〜1.6 | 1.1〜1.6 |
D社 | 0〜0.1 | 0.2〜0.6 | 0.2〜0.4 |
E社 | 0.8〜1.0 | 1.1 | 1.2 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 2.1〜2.2 | 2.0〜2.4 | 2.1〜2.4 |
B社 | 0.1〜0.2 | 0.3〜0.7 | 0.4〜0.7 |
C社 | 1.2〜1.3 | 1.3〜1.6 | 1.1〜1.6 |
D社 | 0〜0.1 | 0.2〜0.6 | 0.2〜0.4 |
E社 | 0.8〜1.0 | 1.1 | 1.2 |
ロンドン市場のスプレッド
市場が活発化する時間帯のスプレッドも見てみましょう。ロンドン市場が開いた午後4時〜午後4時30分の実測値です。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.8〜2.1 | 2.3〜2.5 | 1.9〜2.0 |
B社 | 0.1〜0.2 | 0.5〜0.8 | 0.5〜0.7 |
C社 | 1.2〜1.3 | 1.3〜1.5 | 1.4〜1.8 |
D社 | 0.3〜0.4 | 0.3〜0.8 | 0.5〜0.7 |
E社 | 0.8〜1.0 | 1.1 | 0.8〜1.2 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.8〜2.1 | 2.3〜2.5 | 1.9〜2.0 |
B社 | 0.1〜0.2 | 0.5〜0.8 | 0.5〜0.7 |
C社 | 1.2〜1.3 | 1.3〜1.5 | 1.4〜1.8 |
D社 | 0.3〜0.4 | 0.3〜0.8 | 0.5〜0.7 |
E社 | 0.8〜1.0 | 1.1 | 0.8〜1.2 |
このように若干の違いはあるものの、市場が開いてからは各社ほぼ同じスプレッドで推移していることが分かります。
ニューヨーク市場のスプレッド
さらにニューヨーク市場(午後9時~午後9時30分)のスプレッドも見てみましょう。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.9 | 2.2〜2.3 | 1.9〜2.2 |
B社 | 0.2 | 0.6〜0.7 | 0.5〜0.6 |
C社 | 1.1〜1.3 | 1.6〜1.8 | 1.4〜1.5 |
D社 | 0〜0.1 | 0.5〜0.8 | 0.2〜0.4 |
E社 | 1.0 | 1.1 | 0.8〜1.2 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.9 | 2.2〜2.3 | 1.9〜2.2 |
B社 | 0.2 | 0.6〜0.7 | 0.5〜0.6 |
C社 | 1.1〜1.3 | 1.6〜1.8 | 1.4〜1.5 |
D社 | 0〜0.1 | 0.5〜0.8 | 0.2〜0.4 |
E社 | 1.0 | 1.1 | 0.8〜1.2 |
こちらもスプレッドに大きな変動がありません。
東京市場とロンドン市場、ニューヨーク市場と見ましたが、各社ほぼ同じスプレッドで推移していることが分かります。このように主要市場の主要な時間帯はスプレッドが安定しているため、安心して取引を行えます。
スプレッドは取引量が多いほど狭くなる傾向にあります。そのためユーロドルやドル円、ポンドドルといったメジャー通貨ペアのスプレッドは、マイナーな通貨ペアのスプレッドよりも狭いケースが多いです。
海外FXの早朝スプレッド
次にスプレッドが広がるといわれる早朝のスプレッドを確認してみましょう。ニューヨーク市場の閉場前と、ニューヨーク市場の閉場後に分けて記載します。
ここでも主要なFX業者のデモ口座(スタンダード口座)で計測した数値を記載していきます。また時刻は全て日本時間としています。
早朝スプレッド(市場閉場前)
以下の表は、ニューヨーク市場の終了間際(午前5時20分頃)のスプレッドを比較したものです。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 2.0 | 2.0 | 1.9 |
B社 | 0.2 | 0.7 | 0.6 |
C社 | 1.4 | 1.7 | 1.5 |
D社 | 0.2 | 0.5 | 0.3 |
E社 | 0.8 | 4.3 | 0.8 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 2.0 | 2.0 | 1.9 |
B社 | 0.2 | 0.7 | 0.6 |
C社 | 1.4 | 1.7 | 1.5 |
D社 | 0.2 | 0.5 | 0.3 |
E社 | 0.8 | 4.3 | 0.8 |
ニューヨーク市場の終了間際のスプレッドは、通常時とあまり変わらないという結果となりました。ただしE社では、ドル円やクロス円のスプレッドが通常よりも広くなっていました。
早朝スプレッド(市場閉場後)
次に、ニューヨーク市場閉場後(午前6時〜午前6時15分)のスプレッドを確認しましょう。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 5.9〜9.7 | 4.7〜6.0 | 10.2〜15.7 |
B社 | 2.3〜5.8 | 3.2〜7.3 | 8.8〜8.9 |
C社 | 1.6〜3.2 | 4.0〜6.5 | 3.4〜12.0 |
D社 | 1.5〜5.1 | 3.0〜7.6 | 4.7〜13.1 |
E社 | 4.0〜6.2 | 6.9〜10.6 | 3.7〜21.7 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 5.9〜9.7 | 4.7〜6.0 | 10.2〜15.7 |
B社 | 2.3〜5.8 | 3.2〜7.3 | 8.8〜8.9 |
C社 | 1.6〜3.2 | 4.0〜6.5 | 3.4〜12.0 |
D社 | 1.5〜5.1 | 3.0〜7.6 | 4.7〜13.1 |
E社 | 4.0〜6.2 | 6.9〜10.6 | 3.7〜21.7 |
ニューヨーク市場の閉場後の午前6時頃は、スプレッドが通常時よりも拡大しています。ニューヨーク市場閉場前(午前5時20分頃)のスプレッドはほぼ通常通りでしたが、その40分後の午前6時頃となると、スプレッドが大きく広がってしまうようです。
スプレッドの変動幅が2桁を超えている業者もあります。取引をすることになった場合、タイミングによっていきなり10pips以上の含み損を抱える可能性も大きいです。リスクが大きい取引になることを覚悟をしなくてはなりません。
早朝にスプレッドが広がる理由
同じ海外FX業者を利用したとしても、早朝の時間帯(午前6時すぎ)はスプレッドの広がりが大きく、変動幅が大きいことも分かりました。なぜこのようにスプレッドは広がるのでしょうか。
何よりも市場が開いていないことが大きな理由でしょう。日本時間の午前6時すぎに開いているのはオーストラリアなどオセアニアの一部の市場だけです。
市場が開いていなければ取引に参加するトレーダーも当然少なくなります。そのため流動性が低下してスプレッドも広くなるのです。
流動性とは、通貨ペアの売買の活発さや、適正レートでの取引の成立しやすさを表します。流動性が高ければその通貨ペアの取引が活発であり、適正レートですぐに取引できるということになります。
海外FXの取引は平日であれば24時間可能です。しかし時間帯によっては不利な状況になってしまうため、注意が必要といえます。
早朝以外のスプレッドの広がりやすい時間帯
早朝以外のスプレッドが広がりやすい時間帯として、以下の3つが挙げられます。
経済指標発表や要人発言の前後
経済指標の発表や中央銀行総裁、各国政府高官などによる要人発言の前後もスプレッドが広がる傾向にあります。
その前後は価格が急激に動く可能性があり、取引を控えるトレーダーが多くなります。市場参加者が減ることで流動性が低くなり、スプレッドが広がるというわけです。
例として、2023年8月10日の午後9時30分頃のスプレッドを見てみましょう。この時間には、アメリカの経済指標である消費者物価指数(CPI)と新規失業保険申請件数の発表がありました。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 4.7 | 4.4 | 10.8 |
B社 | 1.1 | 2.6 | 1.4 |
C社 | 1.2 | 1.7 | 1.4 |
D社 | 0.8 | 1.0 | 1.2 |
E社 | 4.0 | 6.2 | 5.0 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 4.7 | 4.4 | 10.8 |
B社 | 1.1 | 2.6 | 1.4 |
C社 | 1.2 | 1.7 | 1.4 |
D社 | 0.8 | 1.0 | 1.2 |
E社 | 4.0 | 6.2 | 5.0 |
業者や通貨ペアによってまちまちですが、通常時よりもスプレッドが広くなっている感覚を持つ人が多いのではないでしょうか。比較しやすくするため、発表直前(午後9時25分頃)のスプレッドも確認してみましょう。
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.9 | 2.0 | 2.0 |
B社 | 0.1 | 0.4 | 0.6 |
C社 | 1.3 | 1.7 | 1.5 |
D社 | 0.4 | 0.3 | 0.3 |
E社 | 1.0 | 1.1 | 1.2 |
FX業者 | EURUSD | USDJPY | GBPUSD |
A社 | 1.9 | 2.0 | 2.0 |
B社 | 0.1 | 0.4 | 0.6 |
C社 | 1.3 | 1.7 | 1.5 |
D社 | 0.4 | 0.3 | 0.3 |
E社 | 1.0 | 1.1 | 1.2 |
午後9時25分頃のスプレッドは、通常の市場開場時のスプレッドとあまり変わらないことが分かります。ポジションを保有している場合、重要な経済指標発表や要人発言前に全てのポジションをクローズすることが必要かもしれません。
経済指標発表前後の大きな価格変動を狙ったトレードを繰り返している場合、ゼロカットシステムの悪用とみなされてペナルティを受ける可能性もあります。なおブローカーによって対応は異なります。
窓開けが発生したとき
窓開けが発生するときもスプレッドが広がる傾向にあります。
FXでは、ローソク足とローソク足の間に発生する空白を「窓」と呼びます。そして、窓が出現することを窓開けと呼びます。
週明けに発生することが多いのが窓開けです。相場に大きな影響を与える自然災害や経済の事件が発生した場合、値幅が大きく変動して窓開けが発生することもあります。
窓開けが発生するときもスプレッドが広がる傾向がありますので注意が必要です。
突発的なイベントがあったとき
予測していなかった大きな自然災害や紛争などが発生した場合、関係する国の通貨のスプレッドが広がることがあります。
その国の通貨が一斉に売られることになり、買い手が不足して売買が成立しにくくなるのです。その結果として通常よりもスプレッドが広がります。
早朝などの流動性の低い時間帯は避けよう
海外FXでのスプレッドは、ニューヨーク市場が閉場した午前6時前後から大きく広がります。スプレッドが拡大した状況では不利な条件での取引を強いられることになるため、午前6時から東京市場が開く午前9時までの取引は避けるようにしましょう。
突然の価格変動やスリッページによる損失を避けるためにも、スプレッドが安定している流動性が高い時間帯に取引するのが無難といえます。
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