先週の外国為替市場は、感謝祭休暇を控えて取引量が細る中、米12月利下げ観測の再燃と日本の金融・財政政策に関する思惑が交錯し、全体的に調整色の強い展開。ドル円は一時155円台半ば付近まで下落し、ユーロドル、ポンドドルは堅調に推移しました。

11月24日（月）

週明けのドル円は、一時157.1円台まで上昇しましたが、FRB高官の発言を受けて12月利下げ期待が再燃して伸び悩みました。ユーロドルは一時1.154台まで上昇し、ポンドドルは1.31台での小動きとなりました。

11月25日（火）

ドル円は上値が重い展開となり、政府・日銀による介入警戒感に加え、米12月利下げ観測も高まって円買いが進み、ドル円はこの日155.8円台まで下落しました。この動きを受けてユーロドルは1.158台まで上昇し、ポンドドルも1.32台まで上昇しました。

11月26日（水）

この日は、「日銀にタカ派姿勢が復活し、12月利上げが意識された」と報じられたことで急速に円買いが進み、ドル円は東京時間に155.65円まで下落しましたが、その後156.73円まで反発。ユーロドルは一時1.16台をつけ、ポンドドルは1.324台まで上昇しました。

11月27日（木）

感謝祭で米市場が休場となる中、ドル円の取引は限定的で、特にNY時間は156円台前半で横ばいとなりました。ユーロドルは1.1613の高値をつけて反落しましたが、1.16付近を維持。ポンドドルも1.3268をつけて反落しましたが、1.323台を守って1日の取引を終えています。

11月28日（金）

感謝祭休暇と週末に挟まれて全体的に動意が薄く、ドル円は156円台前半での小動き。ユーロドルは1.156台まで下落するも反発し、1.16台へ乗せました。ポンドドルは小さな上下こそありましたが1.32台で週の取引を終えています。

先週1週間について、ボラティリティの観点からも振り返ります。

先週のドル円は、週後半に向けて次第にボラティリティが縮小していきました。米国の感謝祭により、動意が薄かったことが影響していると考えられます。

なお、先週1週間の24時間平均ボラティリティは以下の通りで、主要FX通貨ペアは落ちついた値動きでした。ビットコインも平均的なボラティリティとなっています。

• ドル円：83.3 pips
• ユーロドル：44.4 pips
• ポンドドル：83.3 pips
• Gold：548.15 pips
• Bitcoin：28,776.6 pips

12月1日（月）

• 24:00 米国 11月ISM製造業景況指数

12月2日（火）

• 10:00 米国 パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長、発言
• 19:00 ユーロ 11月消費者物価指数（HICP、速報値）
• 19:00 ユーロ 11月消費者物価指数（HICPコア指数、速報値）

12月3日（水）

• 22:15 米国 11月ADP雇用統計
• 24:00 米国 11月ISM非製造業景況指数（総合）

12月5日（金）

• 19:00 ユーロ 7-9月期四半期域内総生産（GDP、確定値）
• 24:00 米国 9月個人消費支出（PCEデフレーター）
• 24:00 米国 9月個人消費支出（PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く）

各チャートにボリンジャーバンド（期間：20）の±1σ、±2σを表示して分析していきます。

米12月FOMCでは0.25ptの追加利下げが決定される可能性が高まっています。また、日銀も12月で追加利上げに踏み切るとの見方が浮上しており、金利差の行方を追うヘッドラインに市場が揺らされる展開が見込まれます。

ドル円の日足を分析します。

157.89円の高値をつけてから調整の下落が続いており、+1σを割り込みました。押し目買い狙いが有効な局面とは見られますが、155.65円の安値を更新すると、155.0円まで下値を広げそうです。

続いて、ドル円の週足も分析してみます。

ミドルラインは急角度の右肩上がりになっており、強い上昇トレンドは続いていますが、売り圧力がやや強くなっています。154.41円を実体で割り込むようなら、週足レベルで下落トレンド転換の目安となりそうです。

米12月利下げを見越したユーロ買いの動きは一服しつつあり、欧州の雇用情勢が注目されると見られます。12月2日発表のHICPが悪化した場合は、リスク回避的にユーロ売り・ドル買いの動きが強まりそうです。

ユーロドルの日足を分析します。

5日連続の陽線となり、下向きだったミドルラインが水平に近づいています。1.1656を上抜ければ、下落トレンドから流れが変わりそうです。1.1469を下抜けたら目線は下で。

続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。

上昇トレンドが終わってからはバンド幅も縮小し、週足ではもみ合いになっています。上は1.1656、下は1.1469を抜けたら、そちらの方向についていくのが良さそうです。

スターマー政権が取りまとめた予算案は市場から一定の評価を受け、財政懸念から来るポンド売りはいったん収束したと見られます。今週は大きな経済指標も控えておらず、ドルが主導する展開になりそうです。

それでは、ポンドドルの日足を分析します。

1.3268に到達後押し戻されましたが、陽線が連続しており、底を打って反発している局面と見られます。1.3369を上抜けるかどうかが、目先の焦点になりそうです。

続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。

1.30を目前に下落が一服し、-1σへ一時到達しています。目先は高値を更新していけるかどうかが注目されます。