2025.04.14 NEW FXON流 マーケット分析(4/7~4/13)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、トランプ政権による関税政策をめぐる混乱が市場全体を包み、ヘッドライン一つで激しく上下し、全体的にはドル売りが強まる1週間となりました。株安・債券安・ドル安の3つが同時に起こる「トリプル安」となり、リスク回避の動きが広がりました。
4月7日(月)
週明けの市場は、世界的な貿易戦争激化を懸念する円買いが起こり、144.8円台をつけましたが、買い戻しの動きがあり、148.1円台まで上昇しました。
ユーロドルは一時1.105台をつけましたが、総じて1.09台後半での小動き。ポンドドルは1.293台まで伸びましたが、先週からの下落の流れが続き、1.271台をつけました。
4月8日(火)
トランプ政権による関税発動を翌日に控え、リスク回避の円買いで米経済に与える影響が意識される一日でした。重い上値に押されるようにドル円は軟調で、一時146円を割り込みました。
ユーロドルは1.09台後半をほぼ横ばいに推移し、ポンドドルは下げが一服。やや堅調に推移して一時1.28台をつけました。
4月9日(水)
米国の相互関税が発動し、ドル円は下げが続いて143.9円台をつけましたが、NY時間にトランプ大統領が一部関税措置を90日間停止すると発表して急激なドル買いが入り、148.27円まで上昇しました。
ユーロドルは堅調に推移して一時1.109台をつけましたが、前述の発表を受けて1.09台前半まで戻されました。ポンドドルは乱高下しましたが、おおむね1.28台で推移しました。
4月10日(木)
市場の不安定さが続く中、米国からの資金流出懸念が高まり、米ドルは前日の急騰からの調整も入って軟調。144.0円台まで下げ、上昇分が帳消しになりました。
ユーロドルは大きく上昇して1.12台へ乗せ、ポンドドルも堅調に推移して1.30台へ迫りました。
4月11日(金)
米中で報復関税の応酬が続き、先の見えない貿易戦争激化がドル売りを招きました。ドル円は一時142.0円台まで下落しましたがそこで下げ止まり、一時144円台を回復。
ユーロドルはドル売りを受けて1.15に迫る水準まで上昇し、ポンドドルも1.30台を超え、先週の高値圏まで戻してきました。
今週の主要な経済指標、要人発言
4月16日(水)
- 18:00 ユーロ 3月消費者物価指数(HICP、改定値)
- 18:00 ユーロ 3月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)
- 21:30 米国 3月小売売上高
- 21:30 米国 3月小売売上高(除自動車)
- 26:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
4月17日(木)
- 21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 21:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
4月18日(金)
- 08:30 日本 3月全国消費者物価指数(CPI)
- 08:30 日本 3月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
- 08:30 日本 3月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
世界的な貿易戦争への懸念から、市場は非常に不安定な状況が続き、投資家の資産が米ドルから移りつつあります。142円割れ目前まで迫った今、下値は140円の節目が意識されそうです。
ドル円の日足を分析します。


下落トレンドが明確に継続しており、142.0円が目前に迫っています。ここを明確に下抜けると、次のターゲットは昨年9月安値付近の140円になりそうです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。


週足でも下落トレンドが継続しており、142.0円は重要な分水嶺となりそうです。ここを明確に下抜ければ、140円が次の注目ポイントです。下落の勢いによっては140円割れの展開もありえます。
ユーロドル(EURUSD)
ドル売りの加速を受け、ユーロドルは3年ぶりの高値更新となりました。17日にはECBの政策金利発表があり、0.25%の利下げがされると見られています。
ユーロドルの日足を分析します。


2022年から続いていたレンジの上限である1.12を明確に上抜けして、上昇トレンドがバンドウォークの形で継続しています。短期的な調整が入る可能性はありますが、押し目を拾っていく上目線を継続してよさそうです。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。


週足でも上昇トレンドへ本格的に転換したと見られます。特に、1.12という重要な節目を明確に上抜けて、レジスタンスがサポートに転換した形です。短期的には調整による下落が入る可能性もありますが、全体としては引き続き上値を追う展開が想定されます。
ポンドドル(GBPUSD)
2月の英GDPが強い内容となり、英国経済の成長を遂げる可能性が指摘されている一方、トランプ関税による貿易赤字拡大と不確実性の高まりから、現在の成長ペースが続く見通しは薄いともされています。まだ不安定なドルの動きに左右される展開が続きそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。


大きな下落が押し目となり、再び上昇トレンドへの回帰が意識される局面です。目先では先週高値の1.3206がレジスタンスになり、そこを上抜ければさらに上値を追う展開が続きそうです。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。


週足でも中期的な上昇トレンドへの戻りつつあります。目先は1.3206をブレイクするかどうかが上昇継続のポイントになります。バンド上限に到達しており、調整が入る余地がありますが、上目線継続で良さそうです。
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