2025.04.07 FXON流 マーケット分析(3/31~4/6)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、トランプ大統領が打ち出した「相互関税」を受け、リスク回避の動きが強まったことにより、ドル安・円高が進行しました。特に週末にかけては、中国による対抗措置の発表が重なり、市場の不安感が一段と強まる展開となりました。
3月31日(月)
週明けの為替市場は、トランプ氏が提案した「相互関税」政策を巡る報道が材料視され、リスク回避の円買いが優勢となりました。ドル円は東京時間で148.7円台まで下落しましたが、その後は150.2円まで戻しました。
ユーロドルは1.08台半ばまで伸びましたが1.07台後半まで下落し、ポンドドルは一時1.29台を割り込みました。
4月1日(火)
この日もトランプ関税に対する懸念が根強く、リスク回避の流れが継続。市場では、関税政策がインフレ圧力と同時に消費や投資を冷やす可能性があるとの見方が広がり、ドル売りが優勢となりました。ドル円は149円を割り込んで148.9円台をつけました。
ユーロドルは1.08を挟んでの小動きで、ポンドドルも1.29台前半で横這いでした。
4月2日(水)
トランプ大統領の関税に関する発表を控え、市場は慎重な動きでしたが、日本時間3日5時に発表されると、各国の対応や報復措置などへの警戒からリスク回避反応が強まりました。
ドル円は150.4円台からクローズまでの1時間で148.6円台まで下落。ユーロドルは一時1.09を超え、ポンドドルも一時1.30を超えました。
4月3日(木)
トランプ関税の発表を巡る報道に加え、世界経済への悪影響が意識され、リスクオフムードが継続しました。ドル円は一時145.1円台まで下落し、2日高値から5円超の円高ドル安となりました。
ドル安の流れを受け、ユーロドルは1.11台に到達し、年初来高値を試す動きとなりました。ポンドドルも一時1.32台へ上昇しました。
4月4日(金)
中国政府がすべての米国製品に対して34%の追加関税を課すと発表したほか、レアアースの輸出制限措置を講じる報復措置を発表し、リスク回避姿勢が強まりました。ドル円は144.5円台をつけてからは買い戻しが入り、147円台前半まで戻しました。
このドル買い戻しを受けてユーロドルは1.09台前半まで下落し、ポンドドルは1.285付近まで下落しました。
今週の主要な経済指標、要人発言
4月9日(水)
- 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
4月10日(木)
- 21:30 米国 3月消費者物価指数(CPI)
- 21:30 米国 3月消費者物価指数(CPIコア指数)
4月11日(金)
- 15:00 英国 2月月次国内総生産(GDP)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
ドル円は一時144円台半ばまで下落しましたが、買い戻しが入って147円台へ戻してきています。145円付近で下げ止まるのか、それともさらに下値を追うのか、10日発表の米CPIが与える影響が大きそうです。
ドル円の日足を分析します。


急落により145円も割り込み、一時的に買い戻しの動きからバンド内への回帰を試みています。短期的には反発しそうですが、基本的な目線は下でよさそうです。下値のターゲットとしては、次のサポートとなり得る140円付近が意識されます。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。


週足チャートでは、3月安値および節目の145円を下抜けています。下ヒゲがやや目立ち、一定の買い戻しも見られますが、流れとしては下目線のままで良いでしょう。下方向が意識されやすい形です。次のターゲットは、昨年9月水準の140円付近となりそうです。
ユーロドル(EURUSD)
先週のユーロドルは大きく上昇しましたが、調整が入って1.10台からは戻されています。トランプ関税で米ドルの信頼が揺らいでいる状況ですが、10日発表の米CPI次第では、ドル買いが強まる可能性があります。
ユーロドルの日足を分析します。


バンド上限を一時上抜けた後、現在はバンド内に戻ってきています。1.0733を実体で割り込むと下落加速の懸念がありますが、全体としては上昇トレンド中の押し目形成と見て、買いを検討する局面ともいえます。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。


ユーロドルは、2022年から続いていた長期レンジの上限付近に到達しつつあります。足元ではバンド上限に接近しており、短期的には反落や調整の動きが出る可能性もあるため、押し目の有無に注目です。
ポンドドル(GBPUSD)
ドル安からの買い戻しの影響がユーロドル以上に大きく、ポンドドルは先週末だけで急落しました。今週もドルの動向を窺う展開となりそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。


上昇トレンドの中で一時的にバンド上限を抜け、強い下落でバンド加減に一時到達しています。1.2853を割らない限りは上目線継続で、高値更新が意識されそうです。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。


昨年12月の反発から上昇傾向が続いていましたが、バンド上限付近に来て売り圧力が強くなっています。ここから週足が陽線に戻れば、1.3206を超えて上値追いの余地があります。
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