2025.03.17 FXON流 マーケット分析(3/10~3/16)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、ドル安・円高・ユーロ高の流れが続きましたが、ウクライナ停戦をめぐる対ロシア協議やトランプ米大統領の関税政策の報道に市場が左右され、方向感を欠く展開となりました。ウクライナ情勢やトランプ関税への警戒感はまだ続いています。
3月10日(月)
トランプ大統領が米国の景気後退を否定しなかったことが重石となり、東京市場でドル円は下に往って来い。その後NY時間にも146.6円台まで下落しました。関税、歳出削減策が先行きの不透明感を強めています。
ユーロドルは上昇が一服して1.08台で横這い。ポンドドルは一時1.294台をつけましたが、1.28台へ下落しました。
3月11日(火)
リスク警戒の動きが継続し、ドル円は昨年10月4日以来の水準となる146.5円台まで下落しましたが、その後は反発し、一時148円台を超えました。
ドイツ国債利回りの上昇と、ウクライナが米国の停戦案を受け入れる用意があるとの報道がユーロをサポートし、ユーロドルは1.09台を超え、ポンドドルも1.29台後半をつけました。
3月12日(水)
この日、ドル円は堅調に推移。米CPIが予想を下回ってドル売りが強まり、一時148円台前半まで急落しましたが、その後すぐに反発し、149.1円台まで上昇しました。
ユーロドルはやや軟調に推移して1.09を割り込み、ポンドドルは一時1.30目前まで迫りましたが、おおむね1.29台半ばで推移しました。
3月13日(木)
日銀追加利上げ観測の円買い、ウクライナ停戦期待によるドル買い、米経済の先行き不透明感を背景にしたドル売りと、一時147.4円台まで下落しましたが、ドル円はおおむね148.0円を跨いでの小動きとなりました。
直近で大きく上昇してきたユーロはこの日も軟調で、一時1.082台をつけ、ポンドドルは一時1.292台まで下落しました。
3月14日(金)
この日のドル円は円高ムードが一服して円売りがやや優勢。一時149円台に乗せましたが、大きな方向感が出るには至りませんでした。金相場が3,000ドルを上回り、最高値を更新しています。
ドイツCDUとSPDが金融パッケージについて緑の党と解決策で合意したとの報道を受けてユーロ買いが広がり、軟調だったユーロドルは一時1.09台へ乗せました。ポンドドルは1.29台前半まで緩やかに下落しました。
今週の主要な経済指標、要人発言
3月17日(月)
- 21:30 米国 2月小売売上高
- 21:30 米国 2月小売売上高(除自動車)
3月19日(水)
- 未定 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
- 15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
- 19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICP、改定値)
- 19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)
- 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
- 27:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
3月20日(木)
- 21:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
3月21日(金)
- 08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI)
- 08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
- 08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
19日に日銀金融政策決定会合とFOMCが控えています。日銀の3月利上げは見送りが濃厚と見られ、米国の3月利下げも見送られると予想されていますが、21日に日本2月CPIが控えており、日銀の利上げ観測の行方に注目です。
ドル円の日足を分析します。


-2σからミドルラインに近づいて上昇してはいますが、149.2円付近に抵抗があります。ここを上抜けていければ、150円を目指す展開になりそうです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。


陰線と陽線が交互に現れ、安値を切り下げる展開が続いていますが、先週は買いが優勢。ミドルラインが水平に近づき、方向感が読みにくくなっています。目先高値、目先安値を抜けた方向についていくのが良いでしょう。
ユーロドル(EURUSD)
米経済指標が弱ければドル売りが進み、ウクライナ停戦交渉が前向きに進めばユーロ買いの可能性がありますが、米国とEUの関税問題は依然として不透明です。今週はECBの追加利下げ観測と、FRBの金融政策のスタンスを見極める展開となりそうです。
ユーロドルの日足を分析します。


昨年10月高値の1.093を超えてきました。もう一度この水準を上抜ければ1.10を超えていきそうです。その場合はまだ上目線継続で良いでしょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。


長期で見ると、このまま上昇を続けた場合は1.114付近の抵抗線がレンジ上限と見られますが、過去2週間の陽線に売り圧力がかかっており、ここから下落に転じる可能性もあります。1.08を割り込むようなら下目線に切り替え、そうでなければ上目線継続で良いでしょう。
ポンドドル(GBPUSD)
20日にはBOEによる英政策金利の発表があり、今後の利下げ方針が注目されています。関税問題、ウクライナ情勢がドルを変動させており、今週はドル主導で動く展開となりそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。


ミドルラインが右肩上がりになっていますが、1.30を目前に足踏みしている状況です。もみ合いから上に抜けていく展開が続いていましたが、ここから目先安値を下抜けていくようだと、上目線から切り替えた方が良いでしょう。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。


長期目線で見ると、過去に1.30付近で跳ね返されており、2024年はここを割り込んでから下落の勢いが強まりました。ここを上抜けていければ、さらに上値を追う展開になりそうです。
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