2025.01.27 FXON流 マーケット分析(1/20~1/26)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場はドル安と円安が進行し、全体的にドル売りが優勢な1週間となりました。
大きなイベントがいくつかあったものの、ドル円は方向感のない値動きで、154円台から156円台の間で推移しました。ユーロドルはドル安基調を反映して上昇し、ポンドドルも同じく上昇に転じました。
1月20日(月)
この日、トランプ米大統領の就任式が行われ、「トランプ2.0」が正式に始動しました。ドル円は156円台後半まで上昇していましたが、就任式の前に「トランプ氏は就任初日に関税を課さない」と報じられ、一時155.4円台まで下落しました。
ユーロドルはドル安の影響で1.02台から1.04台へ、ポンドドルも1.21台から1.23台へ上昇しました。
1月21日(火)
トランプ大統領がカナダやメキシコに2月1日から関税を課す計画であると発言し、ドル円は156.20円付近まで上昇しましたが、その後リスク回避の円買いが進み、一時154.70円付近まで押し戻されました。
このドル安の動きを受けて、ユーロドルは一時1.04台に上昇し、ポンドドルも一時1.236台を記録しました。
1月22日(水)
トランプ大統領が就任初日に見送っていた中国への10%追加関税を行う意向を示し、一時ドル買いの動きが出ました。程なく反落しましたが、買い戻しや株高、円安の影響もあり、NY時間に156.70円台まで上昇しました。
この日、ユーロドルは1.045台を、ポンドドルも1.237台をつけたものの、そこから上値を伸ばすことはことはできませんでした。
1月23日(木)
トランプ政権の政策リスクに対する市場の警戒感が後退し、株高が継続しました。
この日はドル売り、円売りの流れが継続。ドル円は156円台後半まで上昇してからは1日を通じて下降トレンドで、155.7円台まで下落しました。ユーロドルは1.037台まで下落しましたが、1.043台まで戻しました。ポンドドルは1.23を割り込んで下げ止まり、前日高値の1.237付近に戻しました。
1月24日(金)
日銀の金融政策決定会合が行われ、予想通り政策金利が25bp引き上げられ、誘導目標は17年ぶりの0.50%になりました。植田総裁の「経済・物価見通しが実現すれば利上げを継続する」という発言を受け、一時的に円買いが進行。
ドル円は154円台後半まで下落しましたが、「利上げのペースやタイミングは未定」と述べられたことで円高は一服し、ドル円は最終的に155円台後半で週の取引を終えました。
ユーロドルは堅調に推移して1.05台を超え、ポンドドルは一時1.25台をつけました。
今週の主要な経済指標、要人発言
1月27日(月)
- 24:00 米国 12月新築住宅販売件数
1月29日(水)
- 8:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 28:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
- 28:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
1月30日(木)
- 19:00 ユーロ 10-12月期四半期域内総生産(GDP、速報値)
- 22:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 22:30 米国 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
- 22:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
1月31日(金)
- 22:30 米国 12月個人消費支出(PCEデフレーター)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
トランプ大統領の発言や政策が与える影響は見通せない状況が続きますが、FOMCや米12月PCEなどの重要イベントも予定されています。日銀が利上げした今、次は米国の金融政策に注目が集まります。
ドル円の日足を分析します。
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-1σ付近で交錯しており、156.75円から154.77円でのレンジになっています。ミドルラインは右肩下がりですが、レンジを抜けた方向についていくのが良いでしょう。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
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天井をつけて下落しているように見えますが、過去2回のトレンドラインで跳ね返されて上昇していく展開もありえます。そうなると、高値を更新して160円を目指すかもしれません。
ユーロドル(EURUSD)
ドル安の影響で、パリティ(1.00)から遠ざかり、ユーロはリバウンド相場の兆しを見せています。しかし、欧州の経済問題や、米国と比較した低成長な見通しを踏まえると、楽観視はできないでしょう。
ユーロドルの日足を分析します。
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大きく上昇して+2σを上抜けましたが、ミドルラインはようやく水平になろうかというところです。このまま堅調ならば、次のターゲットは1.06になりそうです。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
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下落のバンドウォークを脱し、-1σを上抜けました。1.06を超えられると、2022年から続いていたレンジ内に戻る展開もありえます。
ポンドドル(GBPUSD)
ドル安の影響でポンドは堅調ですが、英財政問題への懸念は根強いままです。今週は目立った英国の指標もなく、ドルの動向を追う展開になりそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
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1月8日からの下げ分を戻し、+1σに到達しています。まだミドルラインは下向きですが、このまま上昇していく場合、1.26が次のターゲットになりそうです。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
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三週連続で陰線でしたが、ここで実体の長い陽線をつけました。ただ、ミドルラインは急角度の右肩下がりのままであるため、目線はまだ下のままで良いでしょう。
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