2025.01.20 NEW FXON流 マーケット分析(1/13~1/19)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、ドル円は週前半に1月10日の米雇用統計の結果を背景に158円台まで上昇したものの、週後半にかけて日銀の利上げ観測の強まりや米国経済指標の弱い結果を受けて急速に円高ドル安が進行しました。その結果、週末には一時155円を割り込む展開となりました。
一方、ユーロドルは堅調に推移し、ポンドドルも英国のGDPや消費者物価指数に反応しつつ小幅な値動きとなりました。
1月13日(月)
週明けのドル円は、前々週末の米12月雇用統計の強い結果を受け、158円手前まで上昇しました。非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、FRBの追加利下げ期待が後退したことが背景です。
しかし、米国株の下落を受けてリスク回避の動きが広がり、ドル円は一時156.90円台まで下落しました。この日は米国の主要な経済指標発表がなく、相場はやや落ち着いた動きとなりました。
1月14日(火)
ドル円は東京市場では小動きでしたが、氷見野日銀副総裁が「来週の金融政策決定会合で利上げを議論する」と発言したことを受けて円買いが活発化しました。
この影響でドル円は一時157円台前半まで下落しましたが、同氏が「タイミングの判断は重要で慎重に行う必要がある」とも述べて追加利上げに慎重な見方が広がり、ドル円は再び一時158円台に持ち直し、157円台後半で取引を終えました。
一方、ユーロドルは方向感に欠けながらも一時1.03台へ上昇し、ポンドドルは1.22付近で小動きとなりました。
1月15日(水)
この日はドル円に大きな動きがありました。植田日銀総裁が「来週の会合で利上げを議論する」と発言したことで、日銀が金融政策の正常化に向けた動きを加速させるとの見方が強まり、円買いが進み、ドル円は午後に156円台半ばまで下落しました。
さらに、米12月消費者物価指数(CPI)が発表され、コア前年比が3.2%と予想の3.3%を若干下回る結果となったことで、米国のインフレ鈍化が確認され、ドル売りが一段と強まりました。この結果、ドル円は一時156円を割り込む水準まで下落しました。
ユーロドルは米ドル安の影響を受けて上昇し、1.035台まで値を伸ばしました。ポンドドルも堅調で、一時1.23台に到達しました。
1月16日(木)
ドル円は前日からさらに下落し、155円台前半を記録しました。これは、タカ派で知られるウォラーFRB理事が今年前半の追加利下げの可能性に言及したことが背景です。
また、この日発表された米12月小売売上高は前月比+0.4%(予想+0.6%)と弱い結果に終わり、米国経済の減速懸念がドル売りを加速させました。
一方で、ユーロドルは1.029付近で堅調に推移しました。ポンドドルは、英国の11月GDPが前月比で+0.1%(予想+0.2%)とやや弱めの結果となりましたが、市場への影響は限定的で、1.22付近を維持しました。
1月17日(金)
ウォラーFRB理事の発言や米12月小売売上高の結果を受けたドル売りが続き、ドル円は午前中に一時154.90円台まで下落しましたが、その後はドル買いが優勢となり、156円台前半へと戻しました。
ユーロドルは一時1.033をつけたものの、主に1.030台付近で推移し、ポンドドルは1.22付近で小動きに終始しました。
今週の主要な経済指標、要人発言
1月24日(金)
- 未定 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
- 未定 日本 日銀展望レポート
- 8:30 日本 12月全国消費者物価指数(CPI)
- 15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
本日20日にはトランプ氏が米大統領に就任します。その際に混乱がなければ日銀が利上げに踏み切る公算大と報道されており、24日の発表される日銀政策金利での利上げを前提に市場は動いていきそうです。
ドル円の日足を分析します。
158円台から大きく下落し、-2σを下抜けています。金曜日は陽線で引けていますが、155円を割り込んでさらに下落すると、150円を目指す展開もありえます。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
1月第1週から続いていたレンジを一時下に抜けましたが、まだ+1σ付近での推移であり、週足ではまだ上目線で良さそうです。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルは一時1.033近辺まで買い戻されましたが、1.02台に戻されています。上値が重くジリジリ下落する展開が続いており、今月30日のECB理事会では0.25%ポイントの追加利下げが見込まれています。
ユーロドルの日足を分析します。
1.02を下抜けてから1.03台まで戻してきてはいますが、ミドルラインは依然右肩下がりです。目線は下に向けたまま、1.02を割り込む展開に備えましょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
先週は陽線で引けていますが、三週連続で安値を更新しています。-1σと-2σの間で下落のバンドウォークは続いており、下目線継続でいいでしょう。
ポンドドル(GBPUSD)
17日発表の英個人消費の弱い結果は、来月英中銀の利下げの可能性をより高いものにしています。依然として下落傾向で、目先は心理的節目となる1.20を目指していきそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
-2σを上回ったものの、-1σを上抜けることはできずに押し戻されています。下落の流れはまだ続いており、下目線継続でよさそうです。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
三週連続で陰線となっており、下落傾向が続いています。2023年10月につけた1.2037が次のターゲットになりそうです。
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