2025.01.13 FXON流 マーケット分析(1/6~1/12)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、ドル高が優勢となる中、トランプ次期大統領の関税関連報道や米経済指標の結果を受けて神経質な値動きが続きました。
ドル円は一時158円台後半まで上昇しましたが、米雇用統計後の利益確定の売りやリスク回避の動きが見られ、結果的に戻り売りが優勢となる展開となりました。
ユーロドルやポンドドルは比較的安定した下降トレンドが続き、ポンドは英国債利回りの上昇と市場の不安感から売りが強まりました。
1月6日(月)
週明けのドル円は157円台前半でスタートしました。その後、「トランプ次期大統領の側近が関税の対象を重要な輸入品のみに限定する案を検討」との報道が伝わり、ドル安が進行しドル円は156円台前半まで下落しました。
しかし、トランプ氏が報道内容を否定する発言を行ったことでドル買いが再燃し、ドル円は157円台半ばまで反発しました。
1月7日(火)
この日、ユーロ圏の12月消費者物価指数(HICP)が前年同月比2.4%、コア指数の前年同月比が2.7%と予想通りの結果となり、ユーロドルは下降トレンドに転じました。
一方、ドル円は加藤財務大臣の「行き過ぎた動きに対応する」との発言を受けて157円台前半まで下落する場面がありました。しかし、その後発表された米12月ISM非製造業景況指数が予想53.3を上回る54.1となり、ドル買いが進行して158円台を一時回復しました。
1月8日(水)
米長期金利の上昇を背景にドル高地合いが続き、ドル円は158円台半ばまで上昇しました。ただし、米12月ADP雇用統計が12.2万人と予想の14万人を下回る弱い結果となり、上昇の勢いは限定的でした。同日公表されたFOMC議事要旨には、大きなサプライズはありませんでした。
1月9日(木)
この日は主要な経済指標の発表がなく、米長期金利の上昇が一服したことでドル売りがやや優勢となりました。ドル円は157円台中盤まで下落しましたが、大きな値動きはなく安定した推移となりました。
1月10日(金)
米12月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は25.6万人と予想(16.0万人)を大幅に上回る強い結果となりました。失業率も4.1%と予想を下回り、労働市場の力強さが再確認されたことでドル買いが強まり、ドル円は一時158円台後半まで上昇しました。
しかし、米株式市場でダウ平均が一時700ドル以上下落するなどリスク回避の動きが強まると、円買いが進行しドル円は反落しました。
米雇用統計の結果により、ユーロドル、ポンドドルはもう一段階の強い下げとなっています。
今週の主要な経済指標、要人発言
1月15日(水)
- 22:30 米国 12月消費者物価指数(CPI)
- 22:30 米国 12月消費者物価指数(CPIコア指数)
1月16日(木)
- 16:00 英国 11月月次国内総生産(GDP)(前月比)
- 21:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
- 22:30 米国 12月小売売上高
1月17日(金)
- 19:00 ユーロ 12月消費者物価指数(HICP、改定値)
- 19:00 ユーロ 12月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
10日発表の米雇用統計が強い結果になったことを受けてFRBの利下げ期待が後退し、ドル高を後押ししています。円安の流れは続きそうですが、日銀早期利上げ観測報道もあり、一時的に円高になる展開もありえるでしょう。
ドル円の日足を分析します。
急激な変動こそありませんが、+1σ付近をジリジリ上昇した末に高値を更新しました。ミドルラインも右肩上がりで、まだ上昇トレンドは続きそうです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
上昇のバンドウォークが続いており、ミドルラインも依然として右肩上がりです。160円の大台を目指す展開は続きそうで、目線も上のままで良いでしょう。
ユーロドル(EURUSD)
米国の強い経済指標の結果から、ドル堅調の流れが続いています。米欧への成長期待の違いから、トランプ氏が大統領に就任する20日以後にさらにドル高が進み、パリティ(1.00ドル)に到達するのではないか、という見方も出ています。
ユーロドルの日足を分析します。
1.02を目前に一時上昇に転じましたが、ミドルラインを上抜けて流れを変えるには至らず、再び下落して先週の安値を更新しました。下落基調はまだ続きそうです。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
5週連続で陰線となっており、下落のバンドウォークが続いています。このまま1.02を下抜けていく展開になりそうです。下目線継続でいいでしょう。
ポンドドル(GBPUSD)
英国では財政不安が広がり、英国債の売りと利回りの上昇に伴って、ポンドが売られている状況です。ユーロドルと同じく、米経済指標の強い結果から、ドル高に押される流れが続きそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
一時ミドルラインに到達しましたが、下落に勢いがついて-2σを下抜けしています。下落トレンドはまだ続きそうです。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
下落傾向は依然として続いており、2024年安値の1.2299を下抜けていきました。次のターゲットは2023年10月安値の1.2037になりそうです。目線は下に向けたままで良いでしょう。
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