2024.12.09 FXON流 マーケット分析(12/2~12/8)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場は、米国とアジアの政治情勢、経済指標の影響を受け神経質な値動きを繰り返しました。
ドル円は週の初めに150円台後半まで上昇しましたが、その後リスク回避の円買いや米雇用統計の結果を受けて149円台へ下落する場面もありました。
ユーロドルやポンドドルは、それぞれの経済指標や地域の情勢を反映しつつ上昇しました。
12月2日(月)
週明けのドル円は、先週末の流れを引き継ぎ、149円台後半で取引を開始しました。しかし、発表された米11月ISM製造業景況指数が48.4(予想:47.6、前回:46.5)と予想を上回る改善を示したものの、米長期金利が上げ幅を縮小するとドル売りが進行し、ドル円は149円台前半まで下押しされました。
ユーロドルは1.0460、ポンドドルは1.2617の安値をつけますが、これが週の安値となり、以後は上昇しました。
12月3日(火)
この日は日本株(日経平均)の上昇を背景にドル円が一時150円台前半まで持ち直しました。しかし、韓国で尹大統領が非常戒厳を発令したとのニュースが伝わると、リスク回避の円買いが強まり、ドル円は148円台後半まで急落しました。
ユーロドルとポンドドルは小動きに終始し、明確な流れは現れませんでした。
12月4日(水)
韓国の非常戒厳が解除されたことや、日銀が今月の会合で利上げを見送る可能性が報じられたことで、ドル買い・円売りが優勢となりました。ドル円は一時151円台前半まで上昇しました。
しかし、米国で発表された11月ADP雇用統計が14.6万人(予想:15.0万人、前回:18.4万人)と市場予想を下回ったことや、11月ISM非製造業景況指数が52.1(予想:55.5、前回:56.0)と大幅に悪化したため、米景気減速への懸念が広がり、ドル円は再び150円円付近へ押し戻されました。
12月5日(木)
日銀の中村審議委員が「利上げに反対とは言っていない」と発言したことが伝わると、追加利上げへの期待が一時的に高まり、円買いが優勢となりました。この影響でドル円は一時149円台後半まで下落しましたが、再び150円台を回復しています。
12月6日(金)
この日発表された米11月非農業部門雇用者数は22.7万人(予想:20.0万人、前回:3.6万人)と予想を上回る一方で、失業率は4.2%(予想:4.2%、前回:4.1%)とやや上昇。平均時給は前年同月比で4.0%(予想:3.9%、前回:4.0%)と堅調な伸びを示しました。
雇用市場が底堅さを維持している一方で、米利下げ観測が市場に残っていたことからドル売りが進み、ドル円は150円を割り込んで一時149.40付近まで下落しました。
今週の主要な経済指標、要人発言
12月9日(月)
8:50 日本 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
12月11日(水)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPI)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPIコア指数)
12月12日(木)
22:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
12月13日(金)
8:50 日本 10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
16:00 英国 10月月次国内総生産(GDP)(前月比)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
150円付近での攻防が続いていますが、日銀の12月利上げ、米FOMC12月利下げの観測で、円高に傾きつつあります。ブラックアウト期間でFRB要人の発言はないものの、トランプ次期大統領の発言には引き続き注意が必要です。
ドル円の日足を分析します。
150円を挟んだ攻防が続き、-1σを上に抜けられない状況です。ミドルラインも下向きになりつつあり、目線を下に向けるのが良さそうです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
先週は実体が短く、上下にヒゲが伸びる陽線で引けています。節目の150円を終値で明確に超えられていないため、ミドルラインを下回ると下げが本格化するケースも考えられます。
ユーロドル(EURUSD)
6日の米雇用統計を受けたドル売りで一時1.06を超えましたが、フランスの政情不安によるユーロ売りや、12日のECB理事会で0.25%ポイントの利下げが確実視されているなど、上値の重い展開が続きそうです。
ユーロドルの日足を分析します。
じりじりと上昇してミドルラインを超え、一時的に+1σも上に抜けています。金曜高値の1.0629を超えると、トレンドが大きく変わる可能性も考えられます。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
-2σを割り込んだところから反転上昇が始まっています。当面は、-1σを超えられるかどうかがポイントになりそうです。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルは、11月につけた安値から6日には一時1.28を超えるまで戻してきています。12月FOMCに向けたドルの動向、特にドル安の継続に注目です。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
+1σを一時上抜けしたものの、上ヒゲを伸ばして陰線で引けています。ミドルラインも依然として右肩下がりで、ここから下落する展開もありえます。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
長期的に見ると、緩い角度で安値を切り上げていることが確認できます。今回もこのラインに跳ね返されていますが、ここを割り込むようだと年単位のトレンド転換も想定されます。
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