2024.11.11 FXON流 マーケット分析(11/4~11/10)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の外国為替市場では、米大統領選やFOMC政策金利の決定を背景に、ドル円を中心とした大きな値動きが展開されました。トランプ氏の当選によりインフレ懸念が強まる中で、ドルが急騰する場面も見られましたが、週末には一部の利益確定売りなどによりやや落ち着きを取り戻しました。
11月4日(月)
この日は日本の祝日で東京市場が休場で、ドル円は151円台半ばから152円台で方向感のない取引が続きました。
市場参加者が米大統領選の結果を注視し、積極的な取引を控えている様子が伺えました。
11月5日(火)
米国での大統領選が本格的に開始される中、日経平均株価が上昇した影響でドル円は一時152円台半ばに上昇しました。しかし、選挙結果に対する警戒感が次第に高まり、NY時間には再び151円台前半に下落しました。
この日の米10月ISM非製造業景況指数が予想53.8を上回る56.0と発表されたことを受け、米国経済の底堅さが示されドル買いが一時的に優勢となりましたが、大統領選への懸念が依然として強い状況でした。
11月6日(水)
米大統領選の開票が進むにつれ、トランプ氏優勢の報道が相次ぎ、円売りドル買いが加速しました。ドル円は一時154円台に急伸し、約3カ月ぶりの高値を記録しました。
トランプ氏の当選が確実となると、同氏の政策への期待からドルがさらに買われ、ドル円は154円台後半にまで上昇しました。また、ユーロドルは1.06台に突入、ポンドドルは1.28台前半を一時つけています。
市場では、トランプ氏が掲げる関税引き上げや国内経済の拡張的政策がインフレ要因となり、米長期金利も上昇したため、ドルの買い圧力が強まりました。
11月7日(木)
トランプ氏当選後のドル買いが一服し、反動でドル売りが優勢となり、ドル円は152円台後半へと下落しました。
また、イギリスでは英中銀が政策金利を4.75%で据え置く決定を発表しましたが、予算案によるインフレ見通し上昇の影響もあり、ポンド買いが進みました。これによりポンドドルは節目の1.30付近まで上昇しました。
日本時間未明、FOMCが市場予想通り政策金利を0.25%引き下げ、4.50-4.75%としました。また、声明からインフレに関する「自信深めた」という文言が削除され、パウエル議長はこの文言削除について、利下げ開始に伴うものであり、今後も0.25%の通常ペースでの利下げを継続する方針に変わりはないと説明しました。
11月8日(金)
FOMCの影響でドル円は売り圧力が強く、一時152円台前半まで下落しています。
今週は米10月消費者物価指数(CPI)や米10月小売売上高の発表が予定されており、FRBの金利政策見通しに対する市場の注目が続く見込みです。
今週の主要な経済指標、要人発言
11月13日(水)
22:30 米国 10月消費者物価指数(CPI)
22:30 米国 10月消費者物価指数(CPIコア指数)
11月14日(木)
19:00 ユーロ 7-9月期四半期域内総生産(GDP、改定値)
21:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
29:00 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
11月15日(金)
8:50 日本 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
16:00 英国 7-9月期四半期国内総生産(GDP、速報値)
16:00 英国 9月月次国内総生産(GDP)
22:30 米国 10月小売売上高(前月比)
22:30 米国 10月小売売上高(除自動車)
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
米大統領選、FOMCという大きなイベントを通過しました。トランプ次期大統領の発言による相場の変動に注意が必要です。
ドル円の日足を分析します。
ミドルラインより上で推移しており、上目線は継続でよさそうですが、直近安値の151.28円を下抜けすると、トレンド転換となるかもしれません。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
高値、安値を切り上げながら上昇を続けていましたが、ミドルライン~+1σ間で上ヒゲが長く実体が短い陽線が出ています。ここから下落していく展開も視野に入れておきましょう。
ユーロドル(EURUSD)
米大統領選の結果を受けてのドル高が影響し、ユーロドルは再び下落しました。14日に発表される欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨の他、ドルの動向にも引き続き注意が必要です。
ユーロドルの日足を分析します。
リバウンド相場の上げを帳消しにして、下降トレンド継続の展開となっています。
-1σを超えるまでは下目線で良いでしょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
今年の夏から秋にかけてバンド幅が広がりつつあり、-1σを下抜けしてきました。6月26日安値の1.0665が次に意識される展開となりそうです。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルについても、引き続きドルの動向に警戒が必要です。価格が1.30の上にあるか、下にあるかで違う展開になりそうです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
節目の1.30より下で推移していますが、陰線と陽線が交互に出現しているように方向感がなく、この攻防はまだ続きそうです。
ボラティリティは依然として低く、ミドルラインは右肩下がりになっています。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
ここまで陰線が6週続いています。ミドルラインを明確に下抜けしていますが、ミドルライン自体は右上がりなので、この下げが押し目になって上がっていくケースも想定されます。
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