2024.09.02 FXON流 マーケット分析(8/26~9/1)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替市場ではドル安の動きが一服し、再びドル買いが優勢となる局面が見られました。
週の初めにドル円は一時143円台半ばまで下落しましたが、その後はドル買いが進み、146円付近まで回復しました。ユーロドルも一時1.12ドル台に乗せたものの、1.10ドル台に押し戻される展開となりました。
週の終わりには、米経済指標の結果を受けてドル買いが強まっています。
8月26日(月)、ドル円は前週のパウエルFRB議長の発言を受け、143円台前半で取引を開始しました。パウエル氏の「金融政策を調整する時が来た」という発言が、利下げの可能性を示唆しており、市場はこれをドル売り材料として反応しました。
結果として、ドル円は週明けに一時143円台前半まで下押しされましたが、27日(火)には145円台まで回復しました。
28日(水)には、一時的にドル買いが強まり、ドル円は145円台を突破する場面もありましたが、大きな方向感は見られず、その後は144円台半ばへと押し戻されました。
29日(木)、米国の4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)が発表され、前期比年率で3.0%と予想の2.8%を上回る結果となりました。
これを受けてドル買いが一時的に強まり、ドル円は145円台半ばまで上昇しましたが、経済指標が強かったのにもかかわらず上昇幅は限定的で、週末に向けて再び144円台後半まで下落しました。
30日(金)には、米国の7月個人消費支出(PCE)デフレーターが発表されました。おおむね予想通りの結果となり、ドル円は146円台を回復しました。
ユーロドルに関しても、8月の消費者物価指数(HICP)が発表され、前年比2.2%と予想通りの結果となりました。これによりユーロ売りが進み、ドルの強さとあいまって下落しています。
また、ポンドドルも、週半ばの高値から反落しています。
今週の主要な経済指標、要人発言
9月3日(火)
23:00 米国 8月ISM製造業景況指数
9月5日(木)
21:15 米国 8月ADP雇用統計
23:00 米国 8月ISM非製造業景況指数(総合)
9月6日(金)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、確定値)
21:30 米国 8月非農業部門雇用者数変化
21:30 米国 8月失業率
21:30 米国 8月平均時給
今週は、米8月ISM製造業景況指数や8月の米雇用統計といった重要な経済指標の発表が控えています。FOMCでの利下げ観測が強まる中で、指標が相場に大きな影響を与える可能性が高いため、注意が必要です。
CMEのFedWatchツールによれば、9月18日のFOMCにおける利下げ幅の予想は、0.25%が70%、0.5%が30%となっており、1週間前よりわずかに0.25%派が増加しています。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
7月から8月前半にかけて大きく下落したドル円ですが、ここ最近は方向感がなく、新たな材料待ちといった感じの展開です。
今週は雇用統計があり、月が変わったこともあって、新しい流れが生まれるかに注目が集まります。
ドル円の日足を分析します。
下降バンドウォーク終了後、-1σをまたぐような値動きとなっています。また、高値が切り下がり、安値が切り上がる三角保ち合いに移行しており、どのタイミングで決壊するか注目が集まります。
フラッグやペナントといった相場の調整パターンでは、最終的にそれまでのトレンドが引き継がれる続伸や続落パターンを本筋として考えるのが基本です。再びボリンジャーバンドの-1σを割り込んでいけば、続落の可能性があります。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
-2σ付近の値動きが続いており、ミドルラインも右肩下がりであることから、週足では売り圧力が強いと考えられます。-1σ、あるいはミドルラインに引きつけて売りを狙う戦略も考えられます。
ユーロドル(EURUSD)
ドル円ほどのニュース性はないため、値動きが比較的小幅で安定しているユーロドルは、ドル関連の経済指標や要人発言といった材料の影響を受けることになります。
今週はユーロ圏のGDP、それと米雇用統計があるため、円絡みだけでなくユーロドルのようなドルストレート通貨ペアも監視対象に加えておきましょう。
ユーロドルの日足を分析します。
ボリンジャーバンドの+1σを終値で割り込んでいるため、調整局面に入ったと考えられます。ミドルラインを超えて、-2σ付近まで下落する可能性もあるでしょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
2023年の高値である1.11497を終値で上に抜けたものの、すぐに終値で割り込んでいます。この上昇がダマシになって、レンジ内を行き来する展開に戻るケースも想定されます。
ポンドドル(GBPUSD)
ユーロドルと似たような展開になりやすいですが、ユーロドルよりは買い圧力を保っているように見えるのがポンドドルです。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
上昇バンドウォーク後、金曜日の下落で+1σを割り込んでいます。このまま調整していく場合、まずはミドルラインまで到達するかどうかがポイントになります。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
ユーロドルと異なり、2023年高値よりまだ上にあるため、続伸の可能性があるチャート形状といえるでしょう。
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