2024.07.29 FXON流 マーケット分析(7/22~7/28)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、円高が進みました。ドル円は151円台に突入、ユーロ円、ポンド円など円絡みの通貨ペアも総じて下落しています。
トランプ前大統領の円安への否定的なコメント、バイデン大統領の次期大統領選撤退、河野デジタル相や自民党茂木幹事長の円安懸念発言などが、目先の円高相場の要因となっているようです。
また、米国株式市場では、これまで相場を牽引してきた半導体を中心とするハイテク銘柄が売り込まれ、日本でも日経平均が1,300円を超える下落を見せるなど、明らかにこれまでと潮目が変化したように見えます。
そんな1週間の流れを振り返っていきましょう。
7月22日(月)、23日(火)には、これといった有力な経済指標はありませんでした。22日はドル円、ユーロドル、ポンドドルともに目立ったトレンドは発生しませんでした。しかし、23日のドル円は大陰線が出現して157円台から155円台へ下落しています。ユーロドル、ポンドドルも安値を更新しました。
7月24日(水)には、米国の6月新築住宅販売数が発表され、年率換算件数は予想64.0万件に対して結果は61.7万件、前月比は予想3.4%に対して結果はー0.6%と、弱い数字となりました。この指標発表時点でドル円が大きく下げていたこともあり、発表された時間帯に153.10円の安値をつけて反発しています。
7月25日(木)には、ロンドン時間にドル円は151.93円の安値をつけました。この日には、注目度が高かった米国の4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)が発表されます。
前年同月比で予想2.0%に対して結果は2.8%となり、前回の1.4%も上回りました。その結果ドル円は上昇に転じ、その日のうちに一時154円台を回復しています。
7月26日(金)には、これまた注目度が高かった米国の6月個人消費支出(PCE)が発表されました。こちらは、コア・デフレーター(価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたもの)では、前月比、前年同月比ともに予想をわずかに上回りました。その結果、ドル円はもう一段階上昇し、一時154.73円の高値をつけています。
ユーロドルは週の後半にかけては深い押し目をつけながらゆっくり上昇し、1.08555で引けています。ポンドドルはドル高の影響を受け、週の後半に1.28489の安値をつけています。
今週の主要な経済指標、要人発言
7月30日(火)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前期比)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
7月31日(水)
日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
日本 日銀展望レポート
15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
18:00 ユーロ 7月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 7月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
21:15 米国 7月ADP雇用統計(前月比)
21:30 米国 4-6月期四半期雇用コスト指数(前期比)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
8月1日(木)
20:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
23:00 米国 7月ISM製造業景況指数
8月2日(金)
21:30 米国 7月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国 7月失業率
21:30 米国 7月平均時給(前月比)
21:30 米国 7月平均時給(前年同月比)
今週は重要な経済イベントが数多く予定されています。ユーロ圏のGDPを皮切りに、日銀の金融政策決定会合、英国の金利発表、FOMC、そして米雇用統計など、注目度の高いイベントがもりだくさんです。ひとつの材料で神経質に上下動することも多いので、無理なトレードは禁物です。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
8月1日早朝のFOMCでは、米国の政策金利は据え置きになる可能性が高いですが、7月31日の日銀金融政策決定会合で、日本の利上げがあるかもしれないという情報が日経にリークされています。
昨年の日銀の金融政策決定会合では、事前リークで相場が大きく動き、実際の発表では何も起きず、相場が激しく巻き戻るという展開もありました。
今週の金融政策決定会合で結局利上げがなかった場合、昨年と同様に利上げ報道を織り込んで円高になっている分が、まとめて巻き戻されて円安になるケースも考えられます。
ドル円の日足を分析します。
2023年末の安値を起点とするトレンドラインを割り込んでからは、ボリンジャーバンドの-1σを-2σ間で下落する下降バンドウォークになっています。陰線の出現比率も高く、チャート的には完全に下降トレンドです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
ボリンジャーバンドの+1σを割り込んでからは、3本陰線が続いて-1σにタッチしています。こちらも下降トレンドで、このまま-2σ付近まで下げる可能性もあるでしょう。
ユーロドル(EURUSD)
今週は、ユーロのGDPや消費者物価指数が発表されます。
ドル、次いで円が相場のテーマになっているため、ユーロドルは大きく動きにくい地合です。だからこそトレードしやすい環境ともいえるでしょう。
ユーロドルの日足を分析します。
下降トレンドラインを突破して上昇に転じたものの、反落して同ライン付近まで戻っています。
ボリンジャーバンドのミドルラインは右肩上がりになっているものの、このラインを割り込むことはできなかったため、もう一度上昇していく展開も考えられるでしょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
三角保ち合いの上辺付近でもみ合っています。内側に押し戻される展開も想定しておく必要があるでしょう。
ポンドドル(GBPUSD)
今週は木曜日にポンドの政策金利発表があり、0.25%の利下げが予想されています。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
トレンドラインを上抜いて上昇しましたが、ボリンジャーバンドの+1σを下に抜けてからは、調整と思しき下降を見せています。ミドルラインで止まるか、-1σ、-2σまで調整が進むか注目です。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
三角保ち合い上辺を上抜けしたものの、まだ上昇トレンドは始まっていないようにも見えます。ミドルラインが右肩上がりになるか注視する必要がありそうです。
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