2024.05.06 FXON流 マーケット分析(4/29~5/5)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
GWまっただ中の先週の為替相場は、日本の通貨当局による為替介入と思しき円買いが複数回あり、160台をつける場面もあったドル円は、一時151円台まで暴落しました。1週間の高低差が800pips以上となる、歴史的な変動となっています。その値動きを振り返っていきましょう。
4月29日(月)は、日本は祝日(昭和の日)で東京市場が薄商いとなる中で、ドル円は午前中から激しく上昇。午前10時30分過ぎには160.21円の高値をつけ、34年ぶりに160円を超えました。
しかし午後になってからドル円は急落し、午後1時からの1時間ほどで155.04円の安値をつけています。この後も下落の圧力は強く、午後4時台には154円台に突入しました。この急激な円買いの背景には、日本政府・日銀による5.5兆円規模の為替介入があった可能性が高いとの見方が広まっています。
4月30日(火)は、ユーロの4月消費者物価指数の速報値が発表され、前年同月比で予想2.4%に対して、結果も2.4%でした。また、コア指数は前年同月比で予想2.6%に対して結果2.7%でした。さらに同じタイミングでGDP速報値も発表され、前期比が予想0.2%に対して結果0.3%、前年同月比が予想0.2%に対して結果0.4%でした。
また、米国の1-3月期四半期雇用コスト指数(前期比)が発表され、予想1.0%に対して結果1.2%でした。FRBは雇用コストを重視しているといわれており、今回の結果はドル買い要因となって、ドル円は一時的に上昇しています。
5月1日(水)は、米国の4月ADP雇用統計、4月ISM製造業景況指数が発表されました。前者は予想を上回り、後者は予想を下回る結果となりました。
日付が変わって5月2日(木)の明け方にはFOMC終了後の政策金利発表があり、政策金利は予想通り据え置き。その後のパウエルFRB議長の会見では、現在の金利水準をしばらく保つスタンスが見られるも、年内利下げの可能性は残されました。
このFOMC後に再び、日本政府・日銀による為替介入とみられる円買いの動きが観測され、ドル円は153.01円の安値をつけています。日銀のデータによれば、3.5兆円規模の為替介入が行われた可能性があります。
5月3日(金)は、米国の4月雇用統計の発表がありました。非農業部門雇用者数変化は、予想24.3万人に対して結果17.5万人、失業率は予想3.8%に対して結果3.9%、平均時給の前月比は予想0.3%に対して結果0.2%、平均時給の前年同月比は予想4.0%に対して結果3.9%と、全体的に予想より悪い結果となりました。これによりドル円は下落、151.85円の安値をつけています。
このようにドル円が大荒れとなった1週間でしたが、ユーロドルは水曜につけた安値の1.0649を底として反転上昇し、金曜日には1.0812の高値をつけています。またポンドドルも、ユーロドルほどではないにせよ、上昇の傾向が見られました。どちらもドル売りが進んだ結果と考えられます。
今週の主要な経済指標、要人発言
5月9日(木)
20:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
5月10日(金)
15:00 英国 1-3月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
15:00 英国 1-3月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
15:00 英国 3月月次国内総生産(GDP)(前月比)
20:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
イベントが多かった先週と打って変わって、今週は大きなイベントが少ない1週間となります。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
為替介入と思われる円買いの動きや経済指標により、ドル円は1週間のうちに160円台から153円台まで下落しました。こういった展開に追従するのは難しいため、大勢が決するまで無理せず見に回るのも立派な戦略です。
少なくとも、為替介入を当て込むようなトレードは、非常にリスクが高いといえます。
ドル円の日足を分析します。
1週間以上頭を押さえられた、152円手前の高値を突破すると、一気に上昇トレンドに傾き、ほぼ陽線が続く上昇バンドウォークに。先々週金曜日(26日)に大陽線で引け、その週明けとなる先週月曜日(29日)に160円に達してからはほぼ下げ続けています。
最終的に、すでに突破されている152円手前のレジスタンスラインが、サポート転換していることも確認できます。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
152円手前のラインには、昨年の10月から11月にかけても頭を押さえられています。
このラインを終値ベースで下回っていけるかが、トレンドの分かれ目になるかもしれません。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロ関連では、5月10日(金)に欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が発表されます。利下げが始まるタイミングに関するヒントがあるかに注目が集まります。
ユーロドルの日足を分析します。
先週金曜日には、ボリンジャーバンドの+2σに迫ったところから、上ヒゲを伸ばして反落しています。ミドルラインは右下がりなので、全体は下降トレンドと判断できます。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
週足で見ると、今もまだ大きなレンジ内にあると判断できます。
どちらにせよ、ドル円ほど極端な変動は発生していません。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンド絡みでは、5月10日(金)に英国の1-3月期四半期国内総生産、3月月次国内総生産が発表されます。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
ユーロドルと似た動きで、長い上ヒゲを伸ばして反落しています。直近では、ボリンジャーバンドの-1σを上に抜けていることもあり、上昇の傾向を示しています。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
週足ではユーロドル同様にレンジ相場であると考えられます。
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