2024.04.29 FXON流 マーケット分析(4/22~4/28)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、さらに円安が進行した1週間となりました。
もともと先週は26日(金)の日銀金融政策決定会合が注目されており、この日には米国の個人消費支出(PCE)も予定されていたため、週の前半は様子見的な雰囲気が強かったと考えられます。にもかかわらず、ドル円はじわじわと高値を更新していました。
4月23日(火)には、米国の3月新築住宅販売件数が発表されました。年率換算件数は予想67.0万件に対して結果69.3万件、前月比は予想1.2%に対して結果8.8%となりました。
4月25日(木)には、米国の1-3月期四半期実質国内総生産(GDP・速報値)の前期比年率が発表され、予想2.4%に対して結果1.6%でした。
そして4月26日(金)、2日目の日銀金融政策決定会合の終了後、政策金利が発表されました。今回は追加利上げは見送られ、金融政策は現状維持となりました。
この結果は市場の予想通りでしたが、大きく開いている日米金利差が当面縮小することはないと確認されました。ドル円は午後0時20分ごろから急激に上昇しはじめ、午後0時40分ごろには156円台に突入しています。
午後3時30分からの会見で植田日銀総裁は、「基調的な物価に、円安は今のところ大きな影響は出ていない」と述べました。ドル円はこの会見をきっかけに再度急上昇を始め、午後4時台には156.82円の高値をつけました。
それ以降は、一時的に154円台に急落する局面もありましたが、すぐに上昇をしてV字反転しています。最終的には、取引時間終了直前に158.44円の高値をつけ、34年ぶりの円安水準に到達しています。
また、この日に発表された米国の3月の個人消費支出(PCE)は、予想を結果がやや上回りました。
今週の主要な経済指標、要人発言
4月30日(火)
18:00 ユーロ 4月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 4月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 1-3月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前期比)
18:00 ユーロ 1-3月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
21:30 米国 1-3月期四半期雇用コスト指数(前期比)
5月1日(水)
21:15 米国 4月ADP雇用統計(前月比)
23:00 米国 4月ISM製造業景況指数
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
27:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
5月2日(木)
8:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
5月3日(金)
21:30 米国 4月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国 4月失業率
21:30 米国 4月平均時給(前月比)
21:30 米国 4月平均時給(前年同月比)
23:00 米国 4月ISM非製造業景況指数(総合)
来週も重要な経済指標が目白押しで、その筆頭は5月3日(金)の米国雇用統計です。日本は祝日ですがFX相場は動いているため、ポジションを持ったままお休みに入るのは危険かもしれません。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
ドル円はすでに述べた通り、歴史的な高値といっていい158円台に突入しています。またユーロ円、ポンド円といったクロス円も同様に急騰していますが、ユーロドル、ポンドドルにはここまで明確なトレンドは見られません。これはつまり、円だけが圧倒的に売り込まれている状況を表しています。
5月1日にはFOMCが予定されていますが、CMEのFedWatchツールによればここでの据え置き確率は97.6%とほぼ確定的です。6月FOMCでの据え置き確率も88.9%。7月も68.7%と、市場の利下げ観測はかなり後退していることが分かります。
ドル円の日足を分析します。
一番右の金曜日の日足が、圧倒的に長く伸びていることが分かります。ボリンジャーバンドにおいて、すでに開始している上昇バンドウォークの状態から、+2σを一気に突き抜けました。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
これまでの高値だった151.97円を上抜けしてからは、3連騰しています。ボリンジャーバンドのミドルラインも右上がりで、上昇バンドウォークが始まったと考えられる形状です。
ユーロドル(EURUSD)
今週のユーロドルは、4月30日(火)に4月の消費者物価指数(HICP)、1-3月期の四半期域内総生産(GDP)の発表が予定されています。
利下げ時期の手がかりになる情報が出るかに注目が集まります。
ユーロドルの日足を分析します。
一度割り込んだ安値である1.0694を上抜けし、その後の下落でもこのラインがサポートの役割を果たしました。ここから上昇する可能性もあります。
続いて、ユーロドルの週足分析です。
三角保ち合いの下辺を下に抜けてからは、陽線が2本続いているものの、上がり切れていない状況に見えます。
ポンドドル(GBPUSD)
先週のポンドドルは、月曜に1.2299の安値をつけてから反転上昇を開始し高値も安値もおおむね切り上げていきました。金曜日に1.2541の高値をつけています。
それでは、ポンドドルの日足を分析します。
すでにブレイクしている安値の1.2532がレジスタンス転換しています。ボリンジャーバンドのミドルラインも右下がりであるため、このまま続落するかに注目が集まります。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
三角保ち合いの下辺を下抜けしたものの、反転して内側に戻ってきています。
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