2024.03.25 FXON流 マーケット分析(3/18~3/24)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週は日米の政策金利発表があるなど、重要な経済指標発表や要人発言が相次ぎました。今週以降の相場展開を読み解いていく材料にするために、先週の動きをまとめました。
3月18日(月)には、ユーロの2月消費者物価指数が発表されましたが、市場予想通りの結果でした。この発表の少し後、ユーロドルは1.0906の高値をつけてから下落し、1.0866の安値をつけています。
3月19日(火)には、日本の政策金利発表となる、日銀金融政策決定会合の結果が発表され、大方の予想通り、マイナス金利が17年ぶりに解除されました。また、YCC撤廃、ETF購入停止などの措置も発表されています。この結果は数週間前からニュースなどで小出しに報じられており、市場の値動きにはほぼ完全に織り込まれていたと考えられます。
ドル円は、この発表があった正午過ぎから上昇トレンドに入り、150円台を回復しました。この日はこの後も、深い押し目を作らずに上がり続けて150.96円の高値をつけます。
3月20日(水)の27:00には注目度が高いFOMC政策金利発表があり、金利は市場の予想通り5.25-5.50%で据え置きされました。
ただし、2024年末時点の金利見通しは、一部で2回に減るという見方もありましたが、これまでに予想されていた通り3回の利下げが維持されました。ただしこれは中央値で、19名の委員のうち9名は2回以下を予想しており、あまり差がなかったことが分かっています。
ただその後のパウエルFRB議長の会見では、今年のある時点での緩和開始が適切であると繰り返し、また保有資産の縮小ペースをかなり早期に緩めることが適切としたことで、ドル安が強まりました。
3月21日(木)には、イングランド銀行(BOE)の政策金利発表があり、こちらも予想通り5.25%に据え置きとなりました。投票割合を見ると、前回まで利上げを主張していた2名の委員が据え置きに転じたことで、市場の利下げ期待を高める結果となりました。
・今週の主要な経済指標、要人発言
3月25日(月)
8:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
23:00 米国 2月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 米国 2月新築住宅販売件数(前月比)
3月28日(木)
16:00 英国 10-12月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
16:00 英国 10-12月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
21:30 米国 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)(前期比年率)
3月29日(金)
21:30 米国 2月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
21:30 米国 2月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国 2月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
今週、注目度が高いのは、29日に発表される米国の個人消費支出(PCE)です。この国のインフレターゲットになっている経済指標のため、利下げ時期や回数に影響を与えると考えられます。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
円、ドルの政策金利発表イベントを先週通過し、ドル円は再び150円台に乗せてきました。今のところ最初の利下げは、6月に行われると市場は予想しています。
日本が利上げする具体的なタイミングはまだはっきりしていません。そのため、大きく開いている日米金利差に基づいた、ドル円上昇シナリオがまだしばらく続くケースも想定されます。
ドル円の日足を分析します。
年初来高値の150.88円に対し、火曜の上昇で肉薄し、水曜にブレイクしました。木曜、金曜も終値ベースでそれより高い価格をキープしています。このまま底堅い展開が続く場合、2022年の高値である151.94円を試す展開も見えてきます。
続いて、ドル円の週足も分析していきましょう。
昨年は超えられなかった2022年高値のすぐ手前まで来ていることが分かります。ここを上に抜けていくと、2000年以降は一度も到達していない価格帯となるため、サポートやレジスタンスの判断が難しくなります。
ユーロドル(EURUSD)
今週はユーロ関連で注目度が高い経済指標は予定されていません。FOMC通過でドル高の流れが再確認された可能性が高く、ユーロドルは下降トレンドとなっています。
ユーロドルの日足を分析します。
昨年の12月の高値、1.1139から引いたトレンドラインに沿って下落しています。長い陰線が連続出現して、ボリンジャーバンドのミドルラインを割り込んでいます。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみましょう。
大きく見て600pipsほどのレンジに収まっており、なおかつ高値が切り下がり、安値を切り上げる三角保ち合いになっています。直近は三角保ち合いの下辺付近まで下げており、このままブレイクしていくか注目です。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンド関連では、28日に四半期GDPの改定値が発表されます。予想はどちらも前回同様の-0.3%(前期比)、-0.2%(前年同期比)なっています。
それでは、ポンドドルの日足を分析してみましょう。
直近高値の1.2827を上に抜けたものの、ダマシとなって反落しました。ユーロドル同様、ドル買いの勢いが強く、長い陰線が続けて出現しています。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
三角保ち合いの上辺を上に抜けたものの、結果としてダマシとなり内側に戻ってきました。長期的な方向感は、出ていないと考えた方が自然といえるでしょう。
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