2024.03.11 FXON流 マーケット分析(3/4~3/10)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、円高ドル安が明確な1週間で、週足を見るとドル円は長い陰線、ユーロドルとポンドドルは陽線が立っています。また、ユーロ円やポンド円などのクロス円も売りが先行しました。
この週には日銀に関する報道が多く、政府関係者がマイナス金利解除に向けて前向きな姿勢を示したことで、円買いが進行しました。一部では3月にマイナス金利が解除されるという報道もありました。
3月5日(火)には、米国の2月ISM非製造業景況指数(総合)が発表され、前回53.4、予想53.0に対して、結果は52.6と予想を下回っています。
3月6日(水)には、ADP雇用統計(前月比)が発表され、前回10.7万人(改定値11.1万人)、予想15.0万人に対して、結果は14.0万人と予想を下回りました。
またこの日には、パウエルFRB議長の議会証言があり、「年内いずれかの時点での利下げ開始が適切」と利下げについてコメントしたものの、「2%目標の確信が深まるまで利下げは適切ではない」とも述べています。
3月7日(木)には、欧州中央銀行(ECB)の政策金利が発表されましたが、大方の予想通り4.5%で据え置きになりました。ただし、2025年のインフレ予想を2%にするなど、関係者がインフレの見通しを下方修正したことで、ユーロは売りが先行しました。
またこの日にもパウエルFRB議長の発言が続き、「利下げに踏み切るほどの確信はまだない」というコメントがあったものの、明確なドル買いの材料にはなりませんでした。
3月8日(金)には、ユーロの10-12月期四半期域内総生産(GDP、確定値)が発表され、前期比、前年同月比ともに、予想通りの結果でした。
そして日本時間夜には米国雇用統計が発表されました。2月非農業部門雇用者数変化(前月比)は予想の20.0万人に対して結果は27.5万人と予想以上となりましたが、失業率は予想3.7%から3.9%に悪化しています。平均時給も前月比が予想0.3%に対して結果が0.1%、前年同月比が予想4.4%から結果が4.3%と、どちらも予想を下回りました。
CMEのFedWatchツールによれば、3月FOMCでの政策金利据え置き確率は96%と、大多数が利下げが行われないことを予想しています。5月FOMCの据え置き確率は75.9%、6月FOMCで26.6%と、市場が予想する利下げ開始タイミングは今のところ6月となっています。
・今週の主要な経済指標、要人発言
3月11日(月)
8:50 日本 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
8:50 日本 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(年率換算)
3月12日(火)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
3月13日(水)
16:00 英国 1月月次国内総生産(GDP)(前月比)
3月14日(木)
21:30 米国 2月小売売上高(前月比)
21:30 米国 2月小売売上高(除自動車)(前月比)
先週とは打って変わって、一気に市場は円高ドル安に傾きました。今週は消費者物価指数(CPI)の注目度が高いです。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
今年に入ってしばらくドル円は上昇基調でしたが、先週の1週間で150円台から146円台へと大きく下落しました。
金曜までで日足の陰線が4本連続出現しています。陰線が3日以上連続で形成されたのは、2024年になって初めてです。相場の潮目が変わった可能性も考えられます。
ドル円の日足の分析です。
4陰連中で、今年の高値の起点である145.89円に迫っています。また、昨年の12月安値を起点とするトレンドラインも割りこんでおり、テクニカル的には下目線と考えられます。ボリンジャーバンドの-2σに到達し、そこからもう一段階下げている状態です。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
週足で見ると、大きく下げていることが分かります。先週の下落で最高値151.94円までの距離が広がりました。ボリンジャーバンドのミドルラインはわずかに下向きになっています。
ユーロドル(EURUSD)
予想通り、政策金利は据え置きとなりました。今週はユーロに関する大きな経済指標はありません。
ユーロドルの日足の分析です。
ドル安の影響でボリンジャーバンドの+1σと+2σ間を推移する上昇バンドウォークに移行しています。+1σを割り込むまでは、上昇目線で良いでしょう。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
週足で見ると、600pips程度のレンジに収まっています。ボリンジャーバンドの上下のバンドも収縮しつつあり、長期的なトレンドは発生していないと考えられます。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンド関連では13日に国内総生産(GDP)が発表されます。ポンドドルの日足の分析です。
先週の上昇で、レンジ上限を終値でブレイクしました。セオリー通りならここから買い目線で、ブレイク済みの1.2827がサポート転換する可能性も考えられます。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
週足では三角保ち合いを上に抜けました。この時間軸でも、買い優勢と考えて良いでしょう。
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