2024.02.05 FXON流 マーケット分析(1/29~2/4)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週はFOMC、そして雇用統計という米国の2大イベントをまとめて消化した1週間となりました。週初から木曜までは下降トレンドだったものの、金曜夜の上昇がそれまで下げた分を一撃で回復しました。この経緯を時系列で追っていきましょう。
週の前半の月曜日と火曜日には大きなイベントはありませんでしたが、ドル円は下落傾向でした。ユーロドル、ポンドドルはトレンドレスな動きとなりました。
まず、1月31日(水)には米国の雇用統計の前哨戦とされる、ADP雇用統計がありました。本家の雇用統計は政府発表ですが、こちらは民間企業が給与から計算して発表する経済指標です。今回のADPでは、前回16.4万人、予想14.5万人、結果10.7万人と悪い結果が出て、ドル円は147.32円から100pips以上の下落となりました。
この流れで注目度が高かったFOMCを迎えます。政策金利は据え置きで、これは事前の予想通り。ポイントはパウエルFRB議長の会見で、「3月に利下げされる可能性が高いとは考えていない」という発言があったように、早期の利下げに否定的な姿勢が見られたため、市場はドル買いに反応しています。
ただこの発言によるドル円の上昇は限定的で、147.44円まで上昇したものの、この日の始値すら超えることができませんでした。この時点では、そこまで市場はドルの強さを評価していなかったことが読み取れます。
なお、ユーロドルやポンドドルは、ADP雇用統計で上昇(ドル安)したものの、FOMCでは下降(ドル高)し、その日の安値を少し超えました。
2月1日(木)には、米国のISM製造業景況指数が発表され、前回47.4、予想47.0に対して結果は49.1と強い内容でしたが、ドル円の上昇にはつながらず、長い上ヒゲを伸ばして反落しました。
このようにドルの強さに懐疑的な展開が続いていたところで、2月2日(金)の米国雇用統計を迎えます。非農業部門雇用者数変化(前月比)は前回が21.6万人で予想が18.0万人、失業率が前回3.7%で予想が3.8%のように、全体的に弱い結果が予想されていました。また、ADP雇用統計の結果も予想を下回っていたため、市場がドル売りに傾いていました。
ところが蓋を開けてみれば、非農業部門雇用者数変化(前月比)は予想のほぼ倍の35.3万人、失業率は低下、平均時給は増加と、予想を完全に裏切る非常に強い結果になりました。この発表を受けてドル円は148.58円の高値をつける急騰を見せ、ユーロドルは1.0780、ポンドドルは1.2618までそれぞれ大きく下落しました。
なお今回は、ADP雇用統計と本番の雇用統計の結果が大きく食い違っています。既に述べた通り、民間のデータなのか、政府発表のデータなのかなど、計算方法の違いによるものなのかもしれません。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
今週のドル絡みの注目イベントでいえば、2月5日(月)にパウエルFRB議長の発言と、ISM非製造業景況指数(総合)が予定されていますが、火曜以降はこれといった大きなイベントがありません。
CMEのFedWatchツールでは、3月の据え置き確率は62%と多数派となっており、その次の5月に利下げがあるか、否かというフェーズに移行しつつあります。
それでは、ドル円の日足を分析してみます。
雇用統計の上げ一発で、今年の高値である148.80円に急接近しました。上昇バンドウォークから+1σを割り込んで調整の下げになりそうでしたが、そういったジリ下げはほぼ否定されています。
この高値水準を超えられるかどうかが、今週の一つのポイントになりそうです。
続いて、ドル円の週足も分析してみます。
ミドルラインより高い価格帯を、3週連続でキープしています。米国の利下げ、日本のマイナス金利解除(利上げ)が遠のき、日米金利差に基づいた上昇トレンドが続くようなら、最高値の151.94円へのトライもありうる展開です。
ユーロドル(EURUSD)
1月30日(火)に、ドイツとユーロ圏の四半期GDPが発表され、どちらもおおむね予想通りの結果となっています。相場の流れにはさほど影響を与えませんでした。また、2月1日はユーロの消費者物価指数が発表されましたが、これも予想から大きな乖離はなく、相場への影響は限定的でした。
今週は、ユーロ関連で目立った経済指標などのイベントはないので、強いトレンドが出る可能性は高くないといえます。
それでは、ユーロドルの日足を分析してみます。
ジリ下げの中、金曜日の雇用統計の結果ドルが買われ、ユーロドルは大きく下落しました。しかし、ボリンジャーバンドの-2σのほぼ範囲内なので、大きな流れを作るには至りませんでした。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみます。
1.0516~1.1139のレンジ相場です。週足レベルの長い時間軸で見ると、行ったり来たりのレンジ相場なので、上下限で小さく逆張りがセオリーです。もちろん抜けたら追従ですが、それまで距離があるため、ただちに強力な長期トレンドが発生する可能性は低いです。
ポンドドル(GBPUSD)
2月1日(木)にBOE(英中央銀行)が政策金利を発表し、大方の予想通り5.25%で据え置きになりました。ベイリー英中銀総裁の会見などで、早期利下げ期待も予想通り否定されています。
それでは、ポンドドルの日足を分析してみます。
1.2612~1.2794の狭いレンジ相場を推移しており、金曜日の下げでもレンジアウトはしませんでした。抜けた方向への追従、あるいはレジサポ転換を狙うのが鉄則です。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみます。
短いローソク足が、ボリンジャーバンドの+1σを何度もまたぐように出現していて、トレンドレスという見方で問題ないでしょう。
ミドルラインは上向きなので、どちらかといえば買い目線ですが、明確なトレンドとはいえない状況です。
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