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2023.12.25 FXON流 マーケット分析(12/18~12/24)

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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

先週の外国為替市場は、主に日本円の金利動向による値動きが主導しました。

日銀植田総裁が、12月7日の国会で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と発言したことで、いよいよマイナス金利が解除されるのではという観測が強まり、ドル売り円買いが一気に加速してドル円は141.63円の安値をつけました。

しかしながら、12月19日(火)に開催された日銀金融政策決定会合では、政策金利は据え置き、従来の大規模な金融緩和策をキープすることが発表されたことで、ドル円は144.95円まで上昇しました。なお、植田総裁はチャレンジング発言について、仕事への意気込みを表現しただけだとコメントしています。

その後ドル円は週末にかけて下降し、12月22日(金)には141.85円の安値をつけています。日銀には一時的に肩透かしを食らったものの、依然として市場が日本円のマイナス金利解除(=円の利上げ)に期待していることは間違いありません。

実際、日本の消費者物価指数(生鮮除く・前年比)は、2022年4月以降はインフレのターゲットである2%を超えています。

今週は、12月25日(月)に植田総裁の講演があります。また、12月26日(火)には「基調的なインフレ率を補足するための指標」が日銀から公表されます。12月27日(水)には、今月の日銀金融政策決定会合における、主な意見が発表されます。

こういったイベントから、日銀の緩和政策の出口につながる情報があれば、円買いの燃料となるケースは大いにありえます。

現状では、米ドルの利下げ開始時期は、2024年3月と予想されています。これに日銀の緩和終了が連動すると、日米金利差が一気に縮小することになり、ドル円の爆発的な下落につながる可能性が高まります。

今週の予測

各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。

ドル円(USDJPY)

先ほど述べたように、円絡みでは相場を動かす可能性がある指標やイベントがいくつか予定されているものの、ドル絡みでは年内の主要な経済指標や要人発言は終了しています。

欧米の主だった機関投資家は、既にクリスマス休暇に入っているため、年始にかけて取引量が少ない相場が続きます。市場参加者が少ないと、いつもなら機能するテクニカルが効かなかったり、伸びるべきトレンドが伸びなかったりといったことがあります。

また、ドルは売られ、円は買われるファンダメンタルズ的地合ができつつあるため、ドル円をこれといった戦略もなく値ごろ感で買うと、もう一段の下落に巻き込まれて深手を負う可能性が考えられます。

それでは、ドル円の日足を分析してみましょう。

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チャート的には、チャレンジング発言時につけた141.63円の安値に対して、何度か下抜けしようとトライするも、このラインがサポートになりヒゲを伸ばして反発しています。

ただし、ボリンジャーバンドの-1σと-2σの間でほぼ値動きが続いており、日足の流れは売り圧力が強いと考えられます。このままいけば、141.63円をブレイクする日も近そうですが、そのタイミングが年内か年明けかは、まだ分かりません。

続いて、ドル円の週足も分析してみましょう。

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週足では、上昇バンドウォーク状態から短時間で一気に下降して、ボリンジャーバンドの-2σを終値で下回っています。その後反発するも、上ヒゲを伸ばして再度下落しており、テクニカル的にも売り圧力が強いといえるでしょう。

次のターゲットは、ダブルボトムのネックラインであり、押し目買いの起点になった137.91円でしょうか。

ユーロドル(EURUSD)

利下げの開始時期が見えている米ドルに対し、ユーロは金利引き下げの議論がまだ開始前で、ドルより遅れて利下げが始まると思われます。

現在の市場のテーマは米ドルと円の金利であり、ユーロ、それとポンドはそこまで主要なテーマと考えられておらず、欧州関連のニュースで価格が激変する可能性は低いともいえます。つまりはトレンドがほどほどの速度で続きやすい面もあり、それがトレードのしやすさにつながります。

相場のテーマを追いかけて、俯瞰的な相場観を磨くのは重要ですが、トレードはやりやすい銘柄を選ぶのが一番です。ドルや円のファンダメンタルズ要因を追いかけつつ、ユーロドルやポンドドルの分かりやすいトレンドを狙うのも一つの手です。

それでは、ユーロドルの日足を分析してみましょう。

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レジスタンスとして機能している1.1016の水平線を、終値ベースで超えそうで超えられないまま先週の取引を終えました。ただし安値は切り上がっており、買い圧力の強さが蓄積されれば、いずれこのラインを突破する可能性が十分にあります。

逆にこの水準で反落すればダブルトップになりますが、そうならないということは、売りの圧力はそれほど強くないということでしょう。続いて、ユーロドルの週足も分析してみましょう。

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週足ベースで見ると、昨年から続くレンジに収まっており、この時間軸ではトレンドレスと考えて良いでしょう。

ポンドドル(GBPUSD)

既に述べた通り、ポンドドルはユーロドル同様、そこまで注目度は高くありません。一方でニュースや経済指標、要人発言で右往左往しない安定した環境であるともいえます。

先週は流れが生まれませんでしたが、今週も強力な経済イベントは予定されていないため、大きく値幅を狙うトレードというよりは、目先の小さな波を拾う方が現実的です。

それでは、ポンドドルの日足を分析してみましょう。

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ボリンジャーバンドのミドルラインが右肩上がりなので、上昇傾向といえますが、同じラインと何度も交差しており、あまりはっきりした波を描いていないともいえます。

続いて、ポンドドルの週足も分析してみましょう。

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ボリンジャーバンドの+1σを超えたあたりで失速しています。ミドルラインに角度がなく、全体的な方向感は失われています。

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