2023.12.18 FXON流 マーケット分析(12/11~12/17)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場のハイライトは、12月13日(水)の米国の政策金利が発表されるFOMCでした。大方の予想通り、5.25~5.50%での据え置きとなりましたが、注目を集めたのは発表された内容です。
今回のFOMCでは、来年の2024年には、75bpの利下げをすることが示されました。これは、0.25%刻みであるなら3回の利下げとなります。また、パウエルFRB議長は、利下げ開始に関する議論を行ったことを表明しています。
フェドウォッチによれば、今のところ来年3月に最初の利下げが行われると予想されています。ただし、この予想は情勢により常に変化するため、定期的にチェックする必要があります。
この原稿を執筆時点では、2024年3月のFOMCで、利下げ予想が据え置きの予想より多くなります。このFOMCの予想外のハト派的スタンスにより、ドル円は翌日にかけて大きく下げ、一時140円台に突入しました。
逆にこのドル安により、ユーロドルは1.1009、ポンドドルは1.2794の高値をつけています。
今週は、19日に年内最後の日銀金融政策決定会合が予定されています。現在のマイナス金利がただちに解除される可能性はほぼありませんが、植田総裁によりマイナス金利解除に関する情報が出るかに注目が集まっています。
また、最近の日銀金融政策決定会合は、前夜や直前の早朝に内容がメディアにリークされることがあり、そのあとの発表や植田総裁の発言と合わせて、2回大きく値動きするケースも想定されます。
日銀のマイナス金利解除=円の久しぶりの利上げですので、それを補強するような情報があれば、現在のドル安の流れと合致して、強烈なドル下げにつながる可能性は否定できません。安易な値ごろ感トレードは、危険を伴うと考えましょう。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
今週は12月21日(木)の四半期GDP、12月22日(金)のPCE(個人消費支出)に注目です。特にPCEは、米国の消費の多くを占める個人の支出状況が分かる指標ですので、インフレが沈静化しているかどうかの判断につながります。
さらに、既に述べましたが、日銀金融政策決定会合において円の利上げ(マイナス金利解除)の可能性が高まるかもしれません。先週に続いて、大きく動く可能性を秘めた1週間になりそうです。
それでは、ドル円の日足を分析してみましょう。
ほぼボリンジャーバンドの-1σ~-2σ間を推移しており、典型的な下降バンドウォークといえます。また、ジリジリとした上昇に対し、下降はそれよりも明らかにペースが速いという、典型的な下降トレンドの動きといえるでしょう。
続いて、ドル円の週足も分析してみましょう。
週足を俯瞰的に見ると、いろいろな情報が見えてきます。
1つ目は、2023年高値が2022年高値を上回れなかった点です。このままいくとダブルトップを形成することになります。2つ目はボリンジャーバンドの-2σに早いペースで到達している点です。下降に勢いがある様子がうかがえます。
3つ目はダブルボトムのネックラインである137.91円に近づいている点です。ここを割り込むことで、上昇トレンドが終了し、下降トレンドが始まる可能性があります。ファンダメンタルズでもテクニカルでも、ドル円は転換期に近づいているといえます。
ユーロドル(EURUSD)
ドルについては利下げのタイミングを見極める時期に移行しているのに対し、ユーロはタカ派的姿勢をキープしています。ECB政策金利発表では金利据え置きで、なおかつ「インフレ目標達成には政策金利の維持が必要」というコメントがあり、ドル売りユーロ買いの流れが鮮明になりました。
12月14日(木)にユーロドルは大きく上げるものの、翌金曜日にはほぼ同じ分だけ下げています。
それでは、ユーロドルの日足を分析してみましょう。
毛抜き天井のような形で、木曜日から金曜日にかけて、行って来いの展開になりました。今後、この高値水準を抜けるか注目が集まります。続いて、ユーロドルの週足も分析してみましょう。
週足レベルで見ると、高値を切り下げています。このラインを抜けることで、上昇トレンドの道が開けると考えられます。
ポンドドル(GBPUSD)
ユーロ同様、ポンドもタカ派的なスタンスを取ったことで、ポンドドルが上昇しました。木曜に大きく上昇し、金曜には反落しているところもユーロドル同様です。
それでは、ポンドドルの日足を分析してみましょう。
こちらも毛抜き天井のような形が出現しています。高値を切り上げており、日足レベルでは上昇圧の方が強いと考えられます。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみましょう。
週足レベルでは、高値を切り下げています。このトレンドラインを上抜けするかどうかが、目先の注目ポイントです。
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