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2023.12.11 FXON流 マーケット分析(12/4~12/10)

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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

先週後半のドル円は大荒れの展開でした。12月7日(木)には、フラッシュクラッシュレベルの大暴落があり、147.30円からスタートしたドル円は東京~ロンドン~NYと3つの市場をまたいで下がり続け、27時前には141.63円の安値をつけています。実に約570pipsの大暴落となりました。なお、その後のドル円は長い下ヒゲを伸ばして反発しました。

この暴落には、日銀植田総裁の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になると思っています」というコメント内容が、大きく影響したと思われます。日本はずっとマイナス金利を続けていますが、このコメントは現在の金融緩和の解除を匂わせるものだったため、主に円買い要因となりドル円が暴落しました。

同じタイミングのユーロドルやポンドドルは、ドル円ほどの激しい反応を見せていませんし、米株も動いていないことから、ほぼ円に対する市場の反応だったと見て良いでしょう。

翌日の12月8日(金)は、午前中に一時下げるものの、そこからは上昇傾向でした。日本時間夜には米国の雇用統計が発表され、予想を上回る良い結果だったこともあり、ドル円は144.90円まで戻して週の取引を終えています。

ドル円については木曜の大暴落で、市場に入っていた指値や逆指値の注文が一掃され、ポジションも軽くなったので、まったく違う展開が始まったと思った方が良いでしょう。今週は、12日(火)に米国のCPI(消費者物価指数)、13日(水)に米国のFOMC、14日(木)にユーロと英国の政策金利発表があります。

今週の予測

各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。

ドル円(USDJPY)

火曜日に発表されるCPI(消費者物価指数)は、前回とおおむね同じ結果が予想されています。米国のインフレ進行度を測る指標として非常に注目度が高いため、発表される結果と発表後の値動きはチェック必須です。

フェドウォッチによれば、水曜日のFOMCで金利の据え置きになる確率は週末時点で97.1%で、まずこの日には利上げも利下げも行われないでしょう。むしろ、FRBが発するコメント内容が重要で、来年のどの時期に利下げが行われるかを読み解くヒントが出るかに注目が集まります。

それでは、ドル円の日足を分析してみましょう。

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木曜日の暴落はチャートで見てもすさまじく、直近では見られなかった長い陰線がボリンジャーバンド-2σを簡単に突き破り、141.63円の安値をつけてから反発しています。ボリンジャーバンド的には、-1σよりはるかに下に価格があり、大局は下降トレンドと考えられます。

続いて、ドル円の週足も分析してみましょう。

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先週の下げで一気にボリンジャーバンドの-2σまで到達し、そこから反転して下ヒゲを伸ばしています。少し前の上昇バンドウォークからの下落も、おそらく一段落したのではないかと思われます。

ユーロドル(EURUSD)

木曜日にはECBの政策金利が発表されますが、市場の予想では4.5%で据え置きです。現状では、ユーロの利下げ開始は米国より遅い時期になるという予想が根強く、来年後半から利下げ開始という見方もあります。木曜日の22時45分に予定されている、ラガルドECB総裁の定例記者会見も注目です。

それでは、ユーロドルの日足を分析してみましょう。

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直近高値から陰線の方が陽線より多く出ている明らかな下降トレンドで、金曜日のヒゲの先は、ほぼボリンジャーバンド-2σまで達しました。一連の下降は一服したと見られます。

続いて、ユーロドルの4時間足も分析してみましょう。

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短期的な流れを見るために4時間足を確認すると、ミドルラインが右肩下がりの下降トレンドであることは明白です。ただし直近は、バンド幅が縮小しているため、下げの勢いはやや減退しているともいえます。

ポンドドル(GBPUSD)

木曜日にはBOE(イングランド銀行)の政策金利発表があります。こちらも予想は据え置きの5.25%なので、利上げ、利下げはまず行われないでしょう。同じタイミングで議事要旨発表があるため、その内容に相場の方向感を示すヒントがあるかをチェックした方が良いでしょう。

米ドルとポンドが同じようなタイミングで利下げをしていくなら、両者のパワーバランスが均衡して、明確なトレンドが現れないケースも考えられます。それでは、ポンドドルの日足を分析してみましょう。

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金曜日の日足は、一時的にボリンジャーバンドのミドルラインを割り込んだものの、下ヒゲを伸ばしてミドルラインより上で引けています。

上昇バンドウォークからの調整下げは、短期的にはミドルラインまで、長期的には-2σがターゲットになります。そのため、まだ下降の余地があると考えることもできます。続いて、ポンドドルの4時間足も分析してみましょう。

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全体としては下落傾向ですが、ユーロドルほど綺麗に下がっていないことが確認できます。どちらにせよ、-1σより下にあるなら売り目線で見るべきでしょう。

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