2023.12.04 FXON流 マーケット分析(11/27~12/3)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の前半は、ドル円が下降、ユーロドルとポンドドルが上昇と、ドル売りの展開でした。CPI(消費者物価指数)など、インフレ関係の経済指標が低下傾向で、利下げのタイミングが早まるという見方が広がっていることから、ドル売りにつながっています。
また、タカ派として知られているFRB理事のウォラー氏が、インフレ低下が進展しているという認識を示したことも、ドル売りの流れを強めました。FOMCが近づいているので、FRB関係者が発言を差し控えるブラックアウト期間に今週末から入ります。そのため、いつも以上に関係者のコメントに反応した可能性も考えられます。
ドル円は、11月27日(月)には149.36円で週の取引を開始したものの、11月29日(水)には146.66円の安値をつけています。同様に、ユーロドルは1.1014、ポンドドルは1.2732の高値をつけています。
しかし11月30日(木)にこの反動でドルが買い戻され、ドル円は上昇して148.50円の高値をつけています。また、ユーロドルとポンドドルは反落しています。
12月1日(金)はまちまちの展開で、ドル円は再度安値を目指し、週の安値である146.66円を再度つけています。
今週は12月8日(金)に米国の雇用統計が発表されます。
11月3日に発表された10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数がもともと前回を下回る予想だったところ、それよりもさらに悪い結果となりました。また、前回、前々回の数値が下方修正されました。これにより、米経済の鈍化が広く懸念されています。
今回の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前回の+15万人に対し、+18万人に改善される見込みです。その通りの結果なら、景気鈍化懸念はいったん落ち着きますが、予想を下回る結果になれば利下げ時期の前倒しが意識されて、ドルが売り込まれるケースが考えられます。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
今週のドル円は、12月5日(火)にISM非製造業景況指数が発表されます。前回の51.8に対して、市場は52.5と改善の予想をしています。先月の51.8は5か月ぶりの低水準でしたが、前回の値を下回り50に近づくようだと、雇用統計の悪い結果への警戒感が高まると考えられます。
同じく12月5日に発表されるJOLTS(雇用動態調査)求人件数も注目度が高いです。企業側の求人意欲の程度を推し量る基準になります。
それでは、ドル円の日足を分析してみましょう。
10月の安値である148.80円をブレイク後、さらに下落してつけた直近安値の147.15円を、金曜日の終値で下に抜けました。水曜、木曜と一時的に下抜けするも、ヒゲを伸ばして元に戻っていましたが、ついにブレイクに成功したという感じです。
またボリンジャーバンドの-1σと-2σ間の値動きに移行しており、下降バンドウォークの初期段階という解釈もできるでしょう。
さらに、上下のバンドが明らかに拡大傾向です。これはボラティリティが上がっていることを表しており、これまでのジリ上げから急落へと、値動きがシフトしていることを示唆しています。
価格がボリンジャーバンドの-1σより上に抜けるまでは、下目線でチャンスを探していきましょう。
続いて、ドル円の週足も分析してみましょう。
今年の高値は昨年の高値を僅かに超えられず、そこから下落開始。節目の150円を終値で下に抜け、同時にボリンジャーバンドの+1σもブレイクしています。その後に一時上昇した局面でも節目の150円は超えられず、先週の終値はミドルラインを下抜けしています。
これらの情報を総合すると、週足は下降トレンドの初動である可能性が考えられます。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルは11月29日(水)に1.1016の高値をつけてから下落に転じ、12月1日(金)には1.0828の安値をつけています。
12月7日(木)には、ユーロ圏における7~9月期のGDP確定値が発表されます。前期比、前年同期比ともに前回と同じ予想になっています。
それでは、ユーロドルの日足を分析してみましょう。
木曜日の下落でボリンジャーバンドの+1σを下に抜け、金曜日には一時的にミドルラインまで到達しています。上昇バンドウォークは一段落しており、もう一段階の下落も十分に考えられます。
続いて、ユーロドルの週足も分析してみましょう。
+1σを一時的に超えたところで上ヒゲを伸ばして反落しています。また、上下のバンド幅も急速に収縮しており、週足レベルで見ると依然として明確なトレンドはないと考えられます。
ポンドドル(GBPUSD)
今週は、ポンド絡みで重要な経済指標や要人発言は予定されていません。
ユーロドルにも同様の傾向がありますが、ドル円のように値動きがイベントに過敏に反応するわけではなく、ある程度チャート通りに変動しているように思えます。日足の値動きがその典型で、下降時、上昇時ともに、綺麗な形状をしていることが読み取れます。
どの通貨ペアだろうと値幅を取れれば同じことなので、自分がトレードしやすい銘柄を選ぶことは大切です。
それでは、ポンドドルの日足を分析してみましょう。
ボリンジャーバンドの+1σと+2σ間の値動きが続いています。上昇トレンド時によく見られるバンドウォークの形態なので、買い場を探してみるのも良いでしょう。
続いて、ポンドドルの週足も分析してみましょう。
週足レベルでは、明確にトレンドが出ているとまではいえない状況です。この時間軸では、バンドウォークが始まるまで待機するのが良いでしょう。
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