2023.11.13 FXON流 マーケット分析(11/6~11/12)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週はこれといった大きなイベントがない1週間で、従来の流れが引き継がれた値動きとなりました。ドル円は上昇、ユーロドルはやや下げともいえる横ばい、ポンドドルは下降しました。
よくいわれることですが、現在の為替相場は金利差が主な変動要因になっています。この記事で扱っている通貨を金利順に並べると、ドル>ポンド>ユーロ>円となります。先週の値動きは、ドル円は上昇(ドル買い、円売り)、ポンドドルとユーロドルは下降(ユーロ&ポンド売り、ドル買い)という、まさに金利差通りの方向感となりました。
また、金利差が拡大したり、縮小につながる情報もなかったため、おおむね一定ペースで動き続ける巡航状態でした。
今週はいくつか金利に関係する経済指標が予定されています。11月14日(火)には米国のCPI(消費者物価指数)、11月15日(水)には米国の小売売上高が発表されます。金利が高い状態のままである一番の要因は、インフレ率が高いことです。これら経済指標は、消費者の消費行動を通じて、インフレ度合いを判断できます。それだけに発表直後の大きな値動きが警戒されます。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
先週のドル円は、149.30円から取引開始。これは11月3日(金)の米雇用統計の結果が悪く、ドル円が大きく下げた流れを引き継いでいます。そこから金曜日まで、一定のペースでジリジリ上げ続け、151.52円で週の取引を終えています。
5営業日をかけて220pipsほど上昇した分かりやすい上昇トレンドだったわけですが、今週もそうなるとは限りません。既に述べた通り、CPIと小売売上高が発表されるため、今の時点で織り込まれている値動きとの乖離があれば、大きな値幅が出ることが予想されます。
また、昨年の高値である151.94円に近づくほど、日銀による為替介入の実施可能性が高まっていきます。ただし、公表されているデータから、10月には為替介入が実施されなかったことが分かっています。
記憶に新しい方も多いと思いますが、先月には爆発的な円高が数回発生しています。しかしそれらは人為的な操作ではなく、あくまで相場参加者による自律的な反落ということになります。日銀が何もしなくても、マーケットに蓄積された注文と投資家心理がかみ合えば、暴落が起こりうることを示しています。
それではドル円の日足を見てみましょう。
年初来高値である151.70円をつけたあと、3陰連でかなり戻しましたが、先週は5連騰でこの高値に迫ってます。
目先の注目ポイントは、もちろんこの高値を超えられるかどうかです。この高値を更新できれば、ダウ理論的にも上昇トレンドですし、昨年高値の151.94円到達も見えてきます。重要な経済指標の発表がある今週のドル円相場は、非常に重要な鍵を握る可能性があります。
続いて、ドル円の週足を見てみましょう。
これまで二度上ヒゲを伸ばして反落している節目の150円を、週足レベルで初めて終値でブレイクしました。また陽線となったことで、ボリンジャーバンドのバンドウォークも再開しました。
この時間軸で見ると、昨年高値までほぼ距離がないことが分かります。ここにタッチ後、相場がどういった反応を見せるかに注目が集まります。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルは、緩やかな下降トレンドを形成しています。先週は1.0717で寄り付き、1.0684で取引を終えました。相変わらずユーロ圏のニュースへの反応はさほど強くなく、米ドルに絡んだ重要なニュースがなかった先週は、必然的にまったりした値動きに終始しました。
今週は11月14日(火)に四半期GDPの発表、11月17日(金)に消費者物価指数の発表がありますが、かなりのサプライズでなければ、大きく値動きする要因にはならないと思われます。
ユーロドルの日足を見てみましょう。
角度が緩やかで、押し目が深い上昇チャネル内の値動きが継続しています。高値を結んだラインに、先週月曜の高値がタッチしたものの、ここを頂点に1週間を通じて下落傾向となりました。このチャネルは比較的機能しているため、もう少し下げの余地があると考えられます。
ユーロドルの週足も見てみましょう。
多少は下げたものの、-1σより上の価格帯をキープしました。週足の時間軸でも、買い目線であることが分かります。ボリンジャーバンドのミドルラインを超えても、なお上がり続けるパワーがあるかがポイントになりそうです。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルも、1週間を通じて下落しました。月曜日の朝に1.2366で寄り付き、土曜日の朝方には1.2225で取引を終えました。先週はずっとドル高が続いていたことが分かります。
米国のインフレ対策・金融政策の影響で値動きする地合は、おそらく今週も変わらないでしょう。
ポンドドルの日足を見てみましょう。
先週にブレイクした高値のラインがサポート転換し、下ヒゲを伸ばしてこのラインを割り込んで下がる動きが阻止されました。また、ボリンジャーバンドのミドルラインでも支えられています。上昇と下降が交互に訪れており、大局でいえば明確なトレンドはないといえます。
ポンドドルの週足を見てみましょう。
先々週に-1σを上に抜けたものの、先週は下落。しかし、-1σがサポートになり反発し、終値でのブレイクは回避した格好です。
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