FXONオフィシャルサイト

2023.11.06 FXON流 マーケット分析(10/30~11/5)

この記事は:

に公開されています

に更新されています

為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

先週は、日本、米国、英国と3か国の政策金利発表があり、さらに米国の雇用統計も発表されるなど、非常にイベントが多い1週間でした。

それぞれのイベントで何が起きたかを見ていきます。まず、10月31日(火)の日銀金融政策決定会合、政策金利発表、植田日銀総裁の記者会見では、基本的に従来の金融緩和政策の維持となりました。YCCの柔軟化が発表され、1%をある程度上回る水準を容認したものの、市場が考える円買い要因には物足りず、円売りが継続したという印象です。

ただ前夜のリークにより、現在の金融緩和への方針変更が匂わされたため、一時的にドル円は下落していました。当日にはこの下げた分もまとめて上昇する形となり、ドル円は節目の150円をあっさり突破した後、151.70円の高値をつけました。

今回のような直前のリークにより、相場が混乱するパターンは7月の日銀金融政策決定会合でもあったため、今後は気をつけた方が良いでしょう。次回の同イベントは12月19日です。

翌日の11月1日(水)深夜のFOMCでは、大方の予想通り米国の政策金利は据え置きになりました。パウエルFRB議長は、利上げの可能性を残しつつ、現在は利下げを考えていないというスタンスを見せましたが、長期金利の低下もあってドル売りの流れにつながりました。

11月2日(木)には、英国の政策金利発表がありましたが、特にサプライズはなく据え置きになりました。チャート上の値動きも限定的です。

そして11月3日(金)には、米国の雇用統計がありました。市場の予想に対し、非農業部門雇用者数は下回り、失業率は上回るというネガティブな結果となり、ドル円は150円を割り込みました。

このように、非常にイベントが多かった先週と比べると、今週はかなり静かな1週間となるかもしれません。11月9日(木)にパウエルFRB議長の発言、11月10日(金)にはイギリスのGDP発表がある程度です。

今週の予測

各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。

ドル円(USDJPY)

既に述べた通り、先週はドルと円に関連する重要なイベントが集中したため、ドル円は乱高下する1週間となりました。今週はそこまで多くのイベントはなく、従来のドル高円安の流れが引き継がれ、再び150円を巡る攻防になるかに注目が集まります。

日足から、ドル円のチャート分析をしていきましょう。

page_image page_image

日銀金融政策決定会合で150円を上に抜けたものの、FOMCと雇用統計でドルが売られ、最終的には150円より下、149.35円で先週の取引を終えました。

ボリンジャーバンドの形を見るに、火曜の上昇でバンド幅が拡大する気配があったものの、その後の反落でまた狭まっており、テクニカル的にも、トレンドの方向性に迷いがある状況といえます。

次にドル円の週足を見てみましょう。

page_image page_image

週足レベルでは、二度150円のブレイクに失敗しています。一時的には超えているものの、上ヒゲを伸ばしながら押し戻されています。

また、昨年の高値である151.94円を上回ることができませんでした。今週の高値が今年の頂点になるようなら、ダウ理論的には高値を切り上げられず、上昇トレンド継続の失敗と解釈できます。

さらにローソク足はまだボリンジャーバンドの+1σと+2σ間を推移していますが、一時的とはいえ+1σを割り込んでおり、上昇の勢いはかなり減退していると判断できます。

ユーロドル(EURUSD)

先週はユーロ関連で大きなニュースや材料はなく、最近の傾向通りドルの動きに引っ張られてユーロドルが変動しました。月~木はレンジ相場でしたが、金曜の米雇用統計からの上昇で1.0674の高値をブレイクしました。

今週もユーロ圏で大きな指標発表などは予定されていません。ユーロドルの日足を分析してみましょう。

page_image page_image

下降トレンドが一服してからは、押し目が深い上昇トレンドとなっています。ボリンジャーバンドの幅が広がっていないことからも、トレンドの勢いが弱いことが分かります。

金曜には米雇用統計の結果を受けて上昇したものの、上昇チャネルの上限付近がレジスタンスとなりました。続いてユーロドルの週足を分析します。

page_image page_image

週足では、ボリンジャーバンドの-1σを終値でブレイクしました。この形は下降トレンドが一段落したことを表すケースが多く、これまで継続的に下降していたユーロドルは、新しい展開に入ったと見ていいでしょう。

ポンドドル(GBPUSD)

先週のポンドドルは、政策金利の発表があったものの値動きにはあまり影響がなく、木曜日まではユーロドル同様にレンジ相場でした。しかし、金曜にはユーロドルと同様に米雇用統計が悪かったことからドル売りとなり、大きな上昇を見せています。

ポンドドルの日足を分析してみましょう。

page_image page_image

三角保ち合いから上辺を一気にブレイクしています。下降トレンド→もみ合い→上昇トレンドという教科書通りの値動きになる可能性は十分にありますが、ある程度引きつけてから買いエントリーした方が、高値掴みのリスク回避につながります。

ポンドドルの週足はどのような形になっているでしょうか。

page_image page_image

金曜の上昇の値幅が大きく、ボリンジャーバンドの-1σを突破しました。週足ベースでも、買い目線にシフトした可能性が考えられます。

この記事はお役に立ちましたか?

thumb_down いいえ
thumb_down はい

0人0人がこの記事が役に立ったと言っています

貴重な意見をいただきありがとうございます。

送信