2023.10.23 FXON流 マーケット分析(10/16~10/22)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、あまり大きな動きがありませんでした。ドル円は動きが少ないレンジ相場、ユーロドル、ポンドドルにも明確な流れはありませんでした。
現在市場が注目しているのは、ドル円の150円トライのタイミングと、その後の結果です。長期的な最高値である151.94円まで近く、なおかつそのすぐ下の極めて意識されやすい150円の目前まで迫っています。
ドル円は2022年春から上昇基調ですが、これは大きく広がった日米金利差により、ドル買い円売りが進行したことによるもの。よって基本の流れは上昇なのですが、節目到達からの利確売り&新規売り、日銀の為替介入の警戒感への下落圧力があり、上下に挟まれて動きようがない状態が続いています。
ファンダメンタルズ的には、FRBによる利上げが終了するタイミングを示唆する情報があれば、この上昇に対する天井が形成されることにつながります。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
10月19日(木)の深夜にパウエルFRB議長の発言がありましたが、追加利上げを示唆するコメント、これ以上の利上げはないことを匂わせるコメントなどが入り交じった内容で、そのたびにドル買いとドル売りが繰り返されました。
ただ、トータルで見ると、明確に今後の方向性を示す内容でもなく、相場もそれを踏まえて上がりも下がりもしない膠着状態を維持しています。
今週は、10月25日(水)の新築住宅販売件数、10月26日(木)の7~9月期GDP、10月27日(金)の個人消費支出の注目度が高いです。特に個人消費支出は、米国のGDPの7割程度を占める個人消費の強さを計測するバロメーターです。インフレが収束する兆候が見られれば、ドル売りに傾くケースが考えられます。
チャートからもドル円を分析してみましょう。まずは日足からです。
10月3日に150円を短期間ブレイクして以降は、主に149円台での値動きが続いています。また高値を切り下げ、安値を切り上げるペナントの形になっており、上下どちらかのブレイクは近いと思われます。
さらにボリンジャーバンドの上下のバンド幅も狭くなっており、トレンドの一時的な収縮を確認できることから、ブレイクの力を貯めている状態といえます。
全体的なトレンドはどちらかというと上昇なので、その流れ通りなら上に抜けるはずですが、長期的な最高値がすぐ上にあるため、下降圧力は非常に強いです。よって、ペナントからの下落というシナリオも想定しなければなりません。
ドル円の週足も見てみましょう。
ここ最近ずっと引きっぱなしにしている、長期間の最高値である151.94円と、節目の150円の位置を確認しておきましょう。ボリンジャーバンドではバンドウォークになっているものの、強力な150円ラインに頭を押さえられている状態です。
ユーロドル(EURUSD)
現時点でユーロの政策金利は4.50%と、米ドルの5.50%ほどではありませんが、かなりの高金利です。ドル円やユーロ円は、高金利通貨と超低金利通貨の円との組み合わせであるため、金利差による方向感ははっきりしています。
それと比較すると、高金利同士の組み合わせであるユーロドルやポンドドルは、円絡みの通貨ペアほど値動きの勢いがないことも、金利差から説明ができます。今週のユーロに絡んだ経済指標でいえば、EUの政策金利が10月26日(木)に発表される予定で、市場は4.50%の据え置きを予想しています。
ユーロドルの日足を見てみましょう。
ずっと推移していた下降チャネルから外れ、ヨコヨコの値動きになっています。高値を切り下げ、安値を切り上げており、トレンドの勢いが減退していることが読み取れます。
ユーロドルの週足も見てみましょう。
ずっと引き続けている2本の支持線のうち、両者の中間付近で反発し、長い陽線となったのが先週の値動きです。
ボリンジャーバンドのミドルラインは下向き、-1σと-2σの間の値動きとなっており、大局的には下降トレンドです。流れに乗って、この2本のラインを突き抜けられるかに注目が集まります。
ポンドドル(GBPUSD)
英国の政策金利は5.25%と、米国とあまり変わらない水準です。ユーロドルとほぼ同じ理由で、ポンドドルもドル円ほどの強烈な値動きは見せていません。ポンドドルはドルとの関係で値動きしており、ユーロドルと似た形になっているため、両者をセットにして考えても問題ないでしょう。
今週は、英国関連で注目度が高い経済指標、要人発言はありません。ポンドドルの日足をチェックしてみます。
これまでずっとバンドウォークしてきましたが、高値を切り下げ、安値を切り上げるトレンドレスな状態に移行しています。
ここからどちらかにブレイクすることになりますが、これまでの流れに乗れば下です。ただし、金利差が縮まるなどのファンダメンタルズ要因があれば、反発するパターンも想定されます。
ポンドドルの週足も分析してみます。
ヒゲを伸ばしながらもバンドウォークになっており、大局的には下降トレンドであることが分かります。目先の安値である1.1803までは目立つ抵抗もなく、そのまますんなり到達するケースも考えられます。
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