2023.07.24 FXON流 マーケット分析(7/17~7/23)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、日銀の金融政策変更の思惑が日本の要人発言や通信社の報道によって覆され、ドル高円安が目立った1週間でした。
それによって138円台だったドル円は142円付近まで上昇、ドル高につられてユーロドルやポンドドルは下落しました。
今週注目したいのはFOMCやECB理事会です。また、日銀金融政策決定会合も控え、週後半は政策発表や定例会見での要人発言で大きく動くことが予想されます。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
ドル円に関連するイベントとして、7月27日午前3時にFOMC、7月28日11時以降に日銀金融政策決定会合の政策発表が行われます。
市場予想では、米国の政策金利は今回25bp利上げされる見込みで、フェドウォッチでも25bpの利上げが織り込まれています。日銀金融政策決定会合については、政策の現状維持を思わせるような要人発言や通信社の報道があり、YCC修正の思惑は覆されたことが先週の値動きから読み取れます。
もし、どちらも市場予想通りであれば142円台を目指す動きとなりそうですが、米国政策金利の据え置きや日本のYCC修正といったサプライズがあれば、大きな下落となる可能性があります。
続いてチャートを見ていきます。まずは日足から分析していきます。
6連続で陰線が並び、それまでの上昇を一気に否定した7月上旬の値動きに対して、半分程度をカバーする上昇が先週金曜日に発生。ボリンジャーバンドの-1σを抜けてミドルラインにタッチして少し戻して引けています。
このチャートからも、7月に入ってからは陽線も陰線も非常に長いものが目立っていることが確認できるはずです。これは相場が神経質に材料に反応したり、たくさんの損切りを巻き込んで値動きが加速していることを表しています。
こういった相場では、損切りは浅めに設定しておかないと、これまでに得た数回分、数十回分の利益をまとめて吐き出す大敗を招きかねません。
続いてドル円の週足です。
先週のこのレポートでは、ダブルボトムのネックライン付近に差し掛かったところで反転したと述べましたが、その動きが継続。ネックラインを底に反転上昇しています。定石通りなら、このラインに近づいたらところでロング、損切りはラインの下、ということになりますが、既に述べたようにボラティリティが非常に高いので、突発的な値動きには注意が必要です。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルに関連するイベントは、7月27日に予定されているECB理事会で、市場では25bpの利上げが予想されています。
しかし、前回のECB理事会でのラガルドECB総裁の「7月も利上げを行う」といった発言から、市場では利上げがかなり織り込まれていることや、米国の経済が強いことからユーロに比べドル高となっているため、今週もドルの動き次第となりそうです。
ユーロドルの日足を分析してみましょう。
上昇が一服して反転し、ボリンジャーバンドの+1σを割り込んでいます。この形になると、ミドルライン、あるいは-1σ、場合によっては-2σまで下げるパターンがよく見られます。
ただし、少し前の高値の水準がすぐ下にあり、このラインがレジサポ転換して下降を支えるのも、これまたよくあるパターンです。
ドルが絡んだ経済指標で激しく動きやすい地合であることを考慮しつつ、目立つライン付近の攻防を狙っていくのもありでしょう。
続いて、俯瞰的に月足を見てみます。
ボリンジャーバンドの-1σと-2σの間を推移するバンドウォーク状態でしたが、-1σを上抜けすることで上昇に転じています。こうやって月足のような超長期チャートを見ると、ユーロドルは調整の色が濃い上昇トレンドであることが見て取れます。
調整の色が強い=押し目が深いということなので、十分に深く進んだところからの反転を狙う戦略がマッチしそうです。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルは、先週の英国消費者物価指数の結果が予想以上に悪かったため、下落基調となっています。
今週は注目されている経済指標がなく、米国の景気が強いことからドル高となっているため、今週もドルの値動き次第ではありますが、引き続き下落するかに注目です。
ポンドドルの日足チャートはどんな形状になっているでしょうか。
既に突破したレジスタンスラインが分かりやすくサポート転換。下降を押しとどめ、一度は下に抜けても戻ってきて、終値ベースではこのラインの上に価格がある状態を保っています。
今週の焦点は、このラインに対して下に抜けるパワーが相場に残っているかどうか。トレードの基準に使えるラインとして認識しておきましょう。
続いてポンドドルの週足です。
先々週に上げた分をほぼ戻す、行って来いの展開となりました。ボリンジャーバンドの+1σと+2σの間で値動きしながら高値を切り上げているため、長期的には上昇目線が本命で問題ないとは思います。
ただし、+1σを下抜けしたら、ある程度の調整を覚悟しなければなりません。
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