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2023.07.17 FXON流 マーケット分析(7/10~7/16)

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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

先週の為替相場は、日銀が近々YCC修正を行うだろうという市場参加者の思惑や、7月12日に発表があった米国消費者物価指数(CPI)の結果が悪かったことから、ドルが引き続き売られる1週間となりました。

今週注目したいのは日本の要人発言です。米国では、FOMC前のブラックアウト期間に入るため、要人発言はありません。しかし、現在多くの市場参加者が注目している日本の要人発言で日本円が買われ、ドル円やクロス円が大きく動く可能性はあります。

また、7月19日15時にイギリスで消費者物価指数(CPI)の発表があるため、ポンドをトレードしている場合は注意する必要がありそうです。

今週の予測

各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。

ドル円(USDJPY)

7月7日に発表された米国の雇用統計や非農業部門雇用者数は、市場の予想を下回る結果でした。また、7月12日の米国の消費者物価指数(CPI)も、予想よりは悪い結果でした。これら重要な経済指標の結果から、物価上昇圧力が弱まりつつあり、その結果として利上げがこれ以上行われないのではないか、という見方がかなり強まっています。

フェドウォッチを見ると、7月25日、26日のFOMCでは、現在より0.25%の利上げを予想するという意見が支配的ですが、この予想は現在の値動きにほぼ織り込まれていると見て良さそうです。そして、その次の9月のFOMCでは、利上げはせず、据え置きという予想が多くなっており、この予想通りなら年内の利上げはあと1回ということになります。

ドル円の強力な上昇は、日米の大きな金利差によってもたらされてきましたが、そろそろ潮目が変わるタイミングなのかもしれません。

FOMCまでに予定されている経済指標には、影響力が大きいものはそれほどありません。また、FOMCメンバーが金融政策に対する発言を控える(ブラックアウト)期間に入るため、今週のドル円がファンダメンタルズの情報で急変動する可能性はあまり高くなさそうです。

続いてチャートを見ていきます。まずは日足です。

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先々週は木曜にボリンジャーバンドの+1σを割込み、金曜日に大陰線という形で終えましたが、先週はその流れを引き継ぎ、6日連続で陰線が並びました。その結果、いとも簡単に逆サイドのボリンジャーバンド-2σに到達。ただし金曜日は久しぶりの陽線で引けました。

少し期間を長くして週足にすると、以下のチャートになっています。

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ダブルボトムのネックラインを割り込んだところで反発したことが確認できます。定石通りなら、ネックラインのサポレジ転換を狙ってここから押し目買いとなるのですが、明らかに下落の勢いが強いです。そのため、この下落が上昇中の一時的な調整ではなく、すでに下降トレンドの始まりであることに警戒はしたほうが良さそうです。

ユーロドル(EURUSD)

ユーロドルは大きく上昇しました。6月に行われたECB理事会でラガルドECB総裁が「7月も利上げを行う」と発言したことや、先週の極端なドル安で今まで意識されていたレジスタンスラインを上抜けたことが関係していると考えられます。

今週は、引き続きユーロの利上げが意識され、ドルに対しユーロ高となりそうですが、最近のインフレ指標が悪いことからユーロ単体で上昇するというより、ドルがどこまで売られるのかを意識しながらトレードしたいところです。

ここで、ユーロドルの日足を見てみたいと思います。

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レンジ相場からどちらに抜けるか注目していましたが、上方向へのブレイクとなりました。上昇の勢いは非常に強く、ボリンジャーバンドの一番上のバンドである、+2σをあっさりと突き破っています。

もちろん方向は上目線で問題ないのですが、あまりに上昇の勢いがありすぎるため、いったんの調整が入るケースは想定しておかないと少々危険かもしれません。

以下はユーロドルの4時間足です。

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ボリンジャーバンドの+1σと+2σの間を値動きする典型的なバンドウォーク状態ですが。この時間軸では上昇の勢いにかげりが見えます。ミドルライン、あるいは-1σまで引きつけるのもひとつの手です。

ポンドドル(GBPUSD)

ポンドドルもユーロドルと同様に大きく上昇しました。利上げが意識されていることや先週はドル安であったことから、レジスタンスラインであった1.2848を一気に上抜けて上昇していき、1.3142をつけました。

今週も引き続きドルに対してポンドが強くなる週となりそうですが、今週は7月19日にイギリスの消費者物価指数(CPI)の発表が控えています。その結果次第ではポンド安となる原因になり得ますので注意する必要があります。

続いて、チャートを見ていきます。まずは日足です。

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既にお伝えしたように、過去の高値に引けるレジスタンスライン(赤い水平線)をいとも簡単に突き抜けて、上昇トレンド入りしたと見るべきです。6連騰から、先週金曜は陰線が久しぶりに出現しました。

現在の価格はボリンジャーバンドの+2σを大きく上抜けしている位置にあるため、ここから高値をさらに追っていくのは少々勇気が必要かもしれません。+1σ~ミドルラインくらいまでの押し目を待つのも1つの選択となりそうです。

次に4時間足を見ていきます。

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既に調整の下げが始まっていると見られる形です。ボリンジャーバンドの+1σを終値ベースで割り込んでいるため、1.30を割り込む程度の調整下げはあるものと想定しておきたいところです。

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