2023.07.10 FXON流 マーケット分析(7/3~7/9)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週の為替相場は、米国の雇用関係の指標に振り回される1週間となりました。通貨ペアの中でも一番注目されたのはドル円で、週前半は144.70円から144.00円のレンジを続けていましたが、YCC修正関連の発言や株価指数の崩れで一気にリスクオフの日本円買いとなり、7月7日の正午に144.00円を割り込みました。
下落を続けていたドル円は、7月7日17時ごろから米国雇用統計発表直前までショートカバーが発生し143.40円まで上昇、しかし、米国雇用統計で弱い数字が発表されるとまた下落を始め、NY市場引けでは144.10円で終えました。
今週は、ドル円のロングポジションの利益確定やストップロスの巻き込みなどで続落するか、ここから押し目買いとなるかが注目されています。週明けは、金曜日に急落した分の買い戻しが起こる可能性もありますので、十分注意が必要です。
今週の予測
各チャートにボリンジャーバンド(期間:20)の±1σ、±2σを表示して分析していきます。
ドル円(USDJPY)
ドル円は今週、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が発表される週です。消費者物価指数に関しては今回予想が3.1%、前回結果が4.0%でしたので、予想値を下回った場合は上昇トレンドが終了する可能性があり注目すべきポイントです。
ドル円の日足チャートです。金曜日の大陰線が否が応でも目立ちます。その前日の陰線がボリンジャーバンドの+1σを下抜けしており、日足レベルの上昇トレンドは否定された形になりました。
前日の陰線でミドルラインまで一気に達しており、反対側の-1σ、-2σまで到達するまで押すのか、このあたりで一度もみ合うのかは、今週の値動きを見ていきましょう。
ドル円の週足です。この時間軸で見ると、ダブルボトムのネックラインをブレイクしてから、ボリンジャーバンドの+1σと+2σの間を順調にバンドウォークしており、綺麗な上昇トレンドといえそうです。長期目線で買いを入れるのなら、ネックラインにあたる137円台まで引きつけるのもありではないでしょうか。
とはいえ、本格的な上昇トレンドを継続するためには、前回高値である152円台を終値ベースで明確に上抜けする必要があります。その水準まではかなりの距離があるため、買いを入れる場合でも、必ず撤退する水準の目星はつけておいてください。
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドルは今週、ECB理事会の議事要旨以外に大きな指標がありませんので、今週も米ドルの強弱に振り回される1週間となりそうです。最近は1.099から1.083のレンジが続いていますので、上限と下限のどちらにブレイクするかが注目されます。
ユーロドルの日足を見てみましょう。同じような水準を行き来しているレンジ相場にあって、レンジ上限付近までの上昇が金曜日に発生しました。
ボリンジャーバンドの幅も収縮していることから、トレンドレス相場への移行が進行していると判断できます。
ファンダメンタルズ的にも、テクニカル的にも、現在はドル円に関する情報や値動きが相場のテーマになっており、ユーロドル、この次に解説するポンドドルへの関心は相対的に低いといえます。
4時間足を見ると、さらにレンジ相場であることが分かりやすいです。上下どちらか、ブレイクした方向についていくのが基本となります。
ただし、ブレイクするまではレンジ相場ですから、上下限からは内側へ反発するかどうか観察する必要があるでしょう。現時点では、レンジ上限付近に位置しています。
ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドルは、1.2750から1.2650のレンジで値動きしていましたが、米ドルの弱さが目立ち始めると一気に買われNY市場引けでは1.2840で終えており、日足の前回の高値なのでここをブレイクして上昇していくか、レジスタンスとなって落ちていくか注目のポイントです。
ポンドドルの日足です。金曜日の急上昇で、それまでのレンジ上限に到達しました。ボリンジャーバンドの2σも、おおむねこの水準付近にあります。
今週はレジスタンスラインになっているこの高値に対して、突破、そしてサポート転換するような動きに注目です。
週足で全体の動きを見てみると、高値をジリジリ切り上げるような形状になっていることが分かります。
長い下ヒゲをつける下落となった2022年9月からの回復期のようにも見え、その場合は現在のようなジリ上げが今しばらく続くパターンもありえます。
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