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2022.11.21 FXON流 マーケット分析(11/14~11/20)

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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

大きなイベントのない先週の為替市場は、比較的静かな値動きの1週間となりました。過去の5週間平均で週に約5円動いていたドル円は約3円、約3ドル動いていたユーロドルは約2ドル、約4.5ドル動いていたポンドドルは約3ドルの値動きに留まりました。

今週は20日にサッカー・ワールドカップが開幕します。ワールドカップの開催中は欧州がお祭り状態となるため、為替市場の値動きは少なくなるのが毎回のパターンです。

また24日は米・感謝祭の祝日です。例年、感謝祭で年内の取引を終える投資家も少なくありません。よって今週はワールドカップが予選で本格的に盛り上がる前、通常の市場環境で取引できる年内最後の週となりそうです。

今週の予測

ドル円(USDJPY)

遅れながらも米10月CPI発表後の急落に対する反発生じるか。

先週のドル円は週足が陽線を形成して、4週間続いた陰線からようやく反発を見せました。しかし10日の米10月CPI発表後に始まった下落は約8円であり、その下落に対する反発は限定的です。

週を通じて見ると、138~140円台でのレンジ取引が続いており、値動きは停滞しています。15日に一時137円台に突入しましたが、早期に138円台に戻しており、138円台には強い買い圧力の存在がうかがえます。

ドル円の値動きに影響を与える日米長期金利差は、11月8日から始まった縮小が17日に拡大に転じました。10年債金利差は、11月8日の4.2%台から16日には3.7%台まで縮小したものの、17~18日の拡大で3.8%台を回復しました。日米長期金利差の拡大はドル円の上昇圧力となるため、今後のドル円は上昇しやすい状態にあるといえます。

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本状況を受けて今週のドル円は、先週のレンジ突破の反発を見せられるかが見所となります。反発する場合、高値151.94円と直近安値137.65円間のフィボナッチ・リトレースメント23.6%141.0円台が最初の目標値です。更に上昇の場合は、38.2%の143.1円台が次の目標値となります。

値動きが停滞後は、比較的大きな値動きが生じるケースも少なくありません。米感謝祭に向けどの程度の値動きが生じるか、という点も注目されます。

ユーロドル(EURUSD)

フィボナッチ・リトレースメント38.2%の1.019ドル付近に向かい下落が進むか。

先々週のユーロドルは、10日の米10月CPI発表後からの上昇で大幅上昇を果たしました。そして先週は、上ヒゲの長い実体の短い陰線となっています。

米10月CPI後の値動きについて、ドル円は先週で収束しています。しかしユーロドルは、上昇が15日まで継続することに。15日の1.0481ドルが天井となり下落を始める形となりました。ただし15日の日足は上ヒゲの長い陽線でした。米10月CPI後の値動きがドル円などでは収束する動きを見て、早めにショート(売り)ポジションを持った投資家が、多数損切りに見舞われた姿が想像できます。その後17~18日にかけて下落したものの、上昇に対する下落としては限定的です。

ユーロドルの11月安値0.9730ドルと急騰後の高値1.0481ドルの間にフィボナッチ・リトレースメントを引くと、23.6%の1.030ドル付近は15日と17日にタッチ済みです。両日ともそのタッチの後に反発しており、本フィボナッチ・リトレースメントが効いている、と見ることができます。

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また、フィボナッチ・リトレースメント23.6%タッチ後の反発は限定的であり、次の目標値はリトレースメント38.2%の1.019ドル付近となります。

17日から続落して下落の動きをスタートしたユーロドルですが、そのままフィボナッチ・リトレースメント38.2%の1.019ドル付近に向かうのか、今週の値動きが注目されます。

ポンドドル(GBPUSD)

ファンダメンタル悪化の中でジリ高続き200EMAタッチなるか。

先週のポンドドルのローソク足は、上下にヒゲのある陽線を形成しました。先々週の急騰後、上昇がゆるやかに続く形となっています。

ポンドドルは、トラス前政権の経済政策発表後に急落しましたが、経済政策撤回を機に"往って来い"となり回復しました。その後は緩やかに、高値と安値を切り上げながらの上昇が継続中です。

上昇の続くポンドドルですが、イギリスの足元の経済状態はかなり厳しい状態です。16日に発表された英10月CPIは前月比、対前年同月比いずれも市場予想を上回る上昇となり、イギリスはアメリカ以上に厳しいインフレが継続中です。よってポンドドルは、ファンダメンタルと値動きに乖離が生じている状態といえます。

今週及び今後のポンドドルは、緩やかに続く上昇の継続性が焦点です。先週の終値1.1887ドルは過去のサポート&レジスタンスにタッチした状態であり、ここから先は反落の可能性があります。ただし200日移動平均線も1.2200ドル近くに控えており、反落する場合は200日移動平均線にタッチ後の可能性も否定出来ません。

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ジリ高の続くポンドドルですが、英国のファンダメンタル悪化が市場に再認識され反落することになるのか、今週の行方が注目されます。

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