2022.10.31 FXON流 マーケット分析(10/24~10/30)
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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント
先週は米長期金利の下落もあり、ドルの下落が続いた一週間となりました。そして11月最初の週となる今週はイベント盛りだくさんの週です。主な為替関連のイベントは下記となります。
- 31日(月)月末
- 2日(水)FOMC、FRBパウエル議長会見
- 3日(木)国内祝日(文化の日)
- 4日(金)米雇用統計
イベントなく通常の取引環境にあるのは1日(水)のみです。イベント多数の1週間ですが、特に2日のFOMCに注目。オーストラリア、カナダなど利上げ先行組が相次いで利上げペースの鈍化を発表しています。2番手グループの米国も12月以降の利上げペース鈍化を示唆するのか、FOMC後のFRBパウエル議長の発言などが注目されます。
ドルについて、本年はドルの他通貨に対する相対的な強さを示すドルインデックスの上昇が継続中です。しかし先週26日の下落で直近安値を割れており、下落トレンド入りの可能性も生じています。今週のドルストレート通貨の行方は、FOMCに加えドルインデックスの行方も鍵を握るといえるでしょう。
今週の予測
ドル円(USDJPY)
米長期金利もピークアウト、143.7円台を目指す下落なるか。
8月から続いたドル円の上昇は、10月21日の151.94円が天井となる形で一旦終了しました。週足で見ると、先週まで2週間続けて陰線です。米・イエレン財務長官が、聞いてない、と発言した21日及び24日の日本政府・日銀の為替介入ですが、先週の値動きを見ると一定の効果があったといえます。また、ドル円を引き上げてきた米長期金利の上昇も、21日を天井にピークアウトしました。
今後のドル円は下落が更に進むか、先週までの下落は戻しに留まり再反発するか、という点がポイントです。再反発の場合は、年初来高値151.94円を目指すことになります。逆に更に下落が続く場合は、8月安値と年初来高値で引いたフィボナッチ・リトレースメント38.2%のある143.7円台が目標値となります。
ドル円の行方は2日のFOMC次第といえるものの、大枠では上昇トレンドが継続中です。ただしFOMCなどで直近安値の145.10円を割れて、更にリトレースメント143.7円台も割れると、これまでの上昇トレンドが転換する可能性も生じます。
また下落の場合は、一足先に下落トレンド入りしつつあるドルインデックスにドル円も追随することになるのか、という点も注目されます。
ユーロドル(EURUSD)
節目価格1.0000ドルを回復し上昇続くか
為先週のユーロドルは陽線を形成して、上昇しました。本年は下落トレンドの続くユーロドルですが、9月28日の0.9535ドルが年初来安値となった後は反発が継続中です。そして先週26日は、9月以来の節目価格1.0000ドルを一時的に回復しました。
ユーロドルは1.0000ドルを巡る攻防の行方が注目されます。26日に一旦1.0000ドルを回復したものの、回復は一時的であり、1.0000ドルからの売り圧力は強い状態にあります。なお、1.0000ドル割れはECBラガルド総裁のハト派的発言が背景にあるため、ファンダメンタル的にユーロは弱い状態です。
ただし、今週はFOMCに加え米雇用統計が控えておりドル主導の値動きが予想されます。ユーロドルとは逆相関の関係にあるドルインデックスが下落トレンド入りつつあり、ドル安が加速すればユーロドルは1.0000ドル回復及び1.0000ドルの上方ブレイクに向かう可能性も。
ユーロドルは、8月後半から続く節目価格1.0000ドルの攻防の行方が注目されます。
ポンドドル(GBPUSD)
スナク首相誕生のご祝儀相場は終了し反落か。
先週イギリスでは新首相にスナク元財務大臣が就任。トラス政権の後任選びは混乱する可能性もありましたが、ジョンソン元首相は早々に不出馬を表明し、保守党内の選挙もなくスナク氏の首相就任は予想以上にスムーズに進みました。
スナク政権のスムーズな誕生を受けポンドは上昇しており、ポンドドルは10月4日の直近高値を更新し、27日の1.1645ドルが直近高値です。トラス前政権の経済対策発表で1.0356ドルまで急落したポンドドルですが、その時の急落は26日までの上昇で全て取り返しました。ポンドドルの観点では、スナク首相はトラス前政権の影響に関係なくスタートを切りました。
しかし英経済の10%を超えるインフレなど、スナク政権の前途は多難です。よって、ポンドはファンダメンタル的には弱い状態が継続中です。またトラス前政権の混乱を受け、格付各社がイギリスの信用格付を相次いで引き下げており、今後格付けの引き下げが英金融市場にボディブローのように効いてくる可能性もあります。
また、ポンドドルの値動きに影響を与える英米長期金利差は縮小が続いており(10年債金利差はマイナス幅が拡大)、24日には8月来の水準に到達しました。金利面からはポンドドルに下落圧力がかかっています。
3週間続けての上昇や英米長期金利差の縮小もあり、今週のポンドドルは反落する可能性があります。先週の上昇でペナントパターンを上に抜け始めていますが、今週下落するとペナントブレイクのダマシパターン入りする可能性が生じます。
トラス首相に対するご祝儀相場的に上昇したポンドドルですが、英経済の弱いファンダメンタルを背景に下落が進み、更にペナントブレイクのダマシパターンが生じることになるのか、という点が注目されます。
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