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2022.09.12 FXON流マーケット分析(8/29~9/4)

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為替市場の先週の振り返りと今週のポイント

先週は急速な円安が進み、ドル/円が7日に145円目前まで上昇。しかし財務省・金融庁・日銀の三者会談による牽制効果で、145円目前が天井となり反落しました。

ただし円安要因でドル/円は上昇しており、ドルインデックス(ドルの他通貨に対する相対的な強弱を表す)で見ると、ドルは7日をピークに下落が進みました。ドルの値動きに影響を与える米長期金利も、8月からの上昇がストップしており、10年債金利は3.2~3.3%台を上下する状態です。これらから、今週もドルの下落は続く可能性があります。

今週は、13日(火)の米8月消費者物価指数(CPI)が注目を集めています。米国では長期化する物価高の一方で、利上げの効果などもあり、物価高のピークアウトを示す経済指標も出始めています。13日の米8月CPIが市場予想を下回る結果になれば、今後の利上げ減速などを織り込む形でドルの下落が進む可能性も。逆に市場予想を上回る数字となれば、利上げ継続を織り込む形でドルは再び上昇を開始する可能性があります。

14日(水)8月卸売物価指数(PPI)、15日(木)8月小売売上高の指標発表もありますが、一番手前の13日(火)8月CPIの結果及び発表後の為替市場の値動きが注目される週となりそうです。

今週の予測

ドル円(USDJPY)

145円目前で反落、戻しのステージ入りで6月高値139.38円や137.7円台までの下落も。

9月2日(金)に米雇用統計の発表が行われ、先週は米雇用統計明けの週となりました。米雇用統計明けのドル/円は相場付きに変化の生じることが多い中で、先週のドル/円はそれまで進んでいた円安に勢いが付く結果となりました。また、先週のドル/円は1日2円以上動く日が続き、本来は値動きが静かなドル/円としては値動きが激しい週となっています。

ドル/円は先週、140円台前半から145円目前まで上昇しています。ただし財務省・金融庁・日銀の三者会談による牽制効果で、145円目前で反落しました。そして最終的に142.62円で取引を終了。

145円目前まで上昇したドル/円ですが、ドルの他通貨に対する相対的な強さを表すドルインデックスで見ると、ドルは9月7日をピークに下落が続いています。チャート的にドル/円は上昇トレンドが続いているものの、節目価格145円は政府の介入が意識される価格帯です。また、円売りは進んだもののドルは買われておらず、推進力に欠けています。よって、先週でドル/円の上昇は一旦収束し戻しのステージ入りした可能性があります。

ドル/円の8月2日の安値と9月7日の高値でフィボナッチ・リトレースメントを引くと、トレンド方向に対し戻しのゴールとなりやすい23.6%が142.6円付近、38.2%が6月高値139.38円と同水準です。今週のドル/円は、上昇に対する戻しが先週後半の下落で終わり、再度上昇を始める可能性もあります。しかし、戻しのステージが続き6月高値139.38円付近や、更に下落が進み半値戻しの137.7円台も視野に入る点も注意が必要といえるでしょう。

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ユーロドル(EURUSD)

反発の可能性あるも引き続き1.0000ドルの攻防の行方を注視。

ユーロ/ドルは8月22日に節目価格1.0000ドルを割れた後、1.0000ドルを前後する取引が継続中です。先週は0.99ドルを割れる場面もありましたが、1.0000ドルを回復して週の取引を終えました。

今週のユーロ/ドルは、引き続き1.0000ドルの攻防の行方が注目されます。ユーロ圏はロシアからの天然ガス輸出が現在ストップしており、ファンダメンタル的には非常に弱い状態です。ウクライナ危機が長期化する中で、ユーロ圏のファンダメンタル悪化は長期化を余儀なくされており、長期スパンではユーロの弱い状態が続くと予想されます。

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ただし、ユーロの他通貨に対する相対的な強さを表すユーロインデックスは、9月6日の安値更新後の翌日7日に比較的大きな反発を見せています。また9月8日にECBは利上げを発表しており、ユーロの上昇要因が一つ加わった形となりました。よって、今週のユーロ/ドルは下落トレンドの中で反発局面入りする可能性があります。

なお、ドルインデックスは先週ピークアウトしており、これまで上昇が続きユーロ/ドルの下落圧力となっていたドル高に収束が見られます。よって、ドルの要因からも一旦ユーロ/ドルは反発する可能性が生じています。

今後のユーロ/ドルは1.0000ドルの攻防の行方次第です。よって、1.0000ドルの攻防の決着後に生じる方向へ素直について行く、という選択が現状ではベターといえます。ただし、攻防決着後の第一波はユーロ/ドル特有のダマシの値動きとなる可能性もあるため、第一波の値動きは要注意です。

短期的な反発が進む可能性はありますが、上下いずれも値動きの理由付けはできるため、まずは1.0000ドルの攻防の行方を注視すべきといえるでしょう。

ポンドドル(GBPUSD)

近年の安値1.1400ドル付近の攻防の行方を注視、ただし先週のエリザベス女王逝去もあり今週は様子見判断も。

2022年のポンド/ドルは、安値更新を伴う下落トレンドが継続中です。7月以降は1.18ドル台でサポートされる展開が続きましたが、8月末に1.18ドルを割れて下落トレンドを再開。先週9月7日の1.1404ドルが年初来安値となりました。

ポンド/ドルの近年の最安値は2020年3月の1.1409ドルであり、先週7日に一時的に最安値を更新しています。ただし最安値更新後に反発しており、1.1585ドルで週の取引を終えました。

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ポンド/ドルは、近年の最安値水準である1.1400ドル付近を巡る攻防の行方が注目されます。先週反発したものの反発力は弱く、今週から再度下落に向かう可能性があります。イギリス経済はエネルギー価格の高騰で疲弊するなど、ポンドには下落圧力がかかっています。

しかし、ポンド/ドルの値動きに影響を与える英長期金利は上昇を続けています。英10年債金利は8月当初2%を割れていましたが、先週は3.1%台で取引を終えました。8月から戻しを入れずにポンド/ドルは下落が続いており、英長期金利の上昇もあり一旦反発が生じてもおかしくない状態です。

ただしイギリスは先週、エリザベス女王の逝去とチャールズ新国王の誕生があり、歴史的な1週間となりました。女王の逝去という歴史的なイベント後の今週であり、ポンドの方向性を読むのは難しい部分があります。イギリス中が喪に服すという意味で、ポンドはそれほど動かない可能性も否定できません。

ポンド/ドルは、基本的には近年の最安値水準である1.1400ドル付近を巡る攻防の行方が注目されます。ただし先週のエリザベス女王の逝去もあり、1.1400ドル付近を巡る攻防の決着後に生じる値動きについて行く、という待ちの姿勢がよいといえるのではないでしょうか。

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